依存症
依存症は、アルコールやギャンブルなど、特定の物質や行動を自分でコントロールすることが難しくなり、健康や仕事、家庭生活に問題が生じても続けてしまう状態です。「やめたいのにやめられない」「もうしないと決めても繰り返してしまう」といったことが特徴です。
依存症は、本人の意志の弱さや性格だけで起こるものではありません。脳の報酬に関わる働きやストレス、生活環境など、さまざまな要因が関係しています。適切な治療や支援を受けながら、回復を目指すことができます。
依存症の主な種類
依存症には、物質への依存と、特定の行動に関する依存があります。
アルコール依存症
飲酒量や飲む時間をコントロールできなくなり、健康や生活に悪影響が出ても飲酒を続けてしまう病気です。
ギャンブル障害
パチンコや競馬などのギャンブルをやめられず、借金や人間関係の問題が生じても繰り返してしまう状態です。
その他の依存に関連する問題
買い物やゲームなどの行動がコントロールできず、生活に支障が出る場合もあります。ただし、こうした行動がすべて医学的に同じ依存症として診断されるわけではありません。
また、過食や嘔吐を繰り返す場合には、摂食障害など別の病気として評価し、適切な治療を考える必要があります。
依存症の主な症状
依存症では、次のような状態がみられることがあります。
- やめようと思っても、やめられない
- 以前より多くの量や時間を費やすようになる
- 飲酒やギャンブルなどが生活の中心になる
- 家族や職場との関係が悪くなっても続けてしまう
- 問題を隠したり、うそをついたりするようになる
- やめたり減らしたりすると、強い欲求や不調が現れる
症状は依存の対象によって異なり、すべての方に同じ症状が現れるわけではありません。
依存症の原因と仕組み
アルコールやギャンブルなどによって快感や安心感を得る経験を繰り返すと、その行動を強く求めるようになることがあります。また、不安や孤独、ストレスを一時的に和らげるために始めた行動が、次第にやめられなくなる場合もあります。依存症では、問題が起きていると理解していても、行動を変えることが難しくなります。そのため、本人を責めるだけでは改善につながりにくく、適切な治療や周囲の支援が重要になります。
依存症の治療
依存症の治療では、本人の状態や依存の種類に合わせて、複数の方法を組み合わせます。
精神療法・心理的支援
依存につながる状況や気持ちを整理し、飲酒やギャンブル以外の対処方法を考えます。認知行動療法などを通じて、再び依存行動を繰り返さないための工夫を身につけることもあります。
薬物療法
アルコール依存症では、症状や治療目標に応じて薬を使用する場合があります。また、不安やうつ病、不眠などを伴っている場合には、それらの症状への治療も検討します。薬だけで依存症の問題がすべて解決するわけではなく、継続的な支援が大切です。
自助グループ・専門的な支援
断酒会やAA(アルコホーリクス・アノニマス)、GA(ギャンブラーズ・アノニマス)など、同じ悩みを持つ人たちと経験を共有する自助グループもあります。依存症の専門医療機関や相談機関につながることも、回復の助けになります。
依存症は治りますか?
依存症は、回復を目指せる病気です。ただし、一度やめられたとしても、再び飲酒やギャンブルなどを繰り返してしまうことがあります。再発した場合も、それまでの治療がすべて無駄になるわけではありません。何がきっかけになったのかを振り返り、治療や支援の方法を調整しながら、回復を続けていくことが大切です。
なお、アルコール依存症の方が急に飲酒を中止すると、重い離脱症状やけいれんが起こる場合があります。大量飲酒が続いている方は、自己判断で急に断酒せず、医療機関に相談してください。
受診を考える目安
飲酒やギャンブルなどを自分でコントロールできない、健康や仕事、家庭生活に影響が出ている、家族から繰り返し心配されている場合は、専門機関への相談を検討してください。本人が受診をためらっている場合には、ご家族が地域の精神保健福祉センターなどに相談する方法もあります。依存症は、一人で解決しようとせず、医療機関や支援機関とのつながりを持つことが大切です。
