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AI依存症・AI誘発性精神病専門外来

AIとの距離が、わからなくなってきたあなたへ

ChatGPT、AIキャラクター、AIコンパニオン、画像生成AI——。 便利で、心地よく、いつでもそばにいてくれる存在。 けれど、気づけば「AIがいないと落ち着かない」「AIにしか本音を話せない」「現実の人間関係が億劫になった」と感じていませんか。
当外来は、生成AI・対話型AI・AIキャラクターサービスなどとの関わり方に悩む方と、そのご家族のための専門外来です。
ご予約の方法については記事の最後までお読みください。

研究者の方へ:
臨床データなどにお困りでしたら、ご協力いたします。
その場合は、クリニックの方へお問い合わせください。
メールアドレス:toiawase@wasedamental.com

ご挨拶

益田裕介

近年、生成AIや対話型AIの普及によって、私たちの生活は急速に変化しました。学習・仕事・創作の場面で大きな恩恵を受ける一方で、長時間の使用がやめられない、AIへの感情的な依存が強まり日常生活や人間関係に支障が出ている、といった相談が増えてきています。

「AI依存症」という診断名は現時点(2026年)で正式な疾患分類には含まれていませんが、ゲーム障害やインターネット依存と同様、行動嗜癖(こうどうしへき)の枠組みで捉えるべき臨床像が国内外で報告されています。当外来では、「AIメンタルケア入門」の著者である益田裕介医師がこうした最新の知見を踏まえ、本人・ご家族・所属機関のそれぞれに寄り添う支援を行っています。

このような状態でご相談ください

ご本人の方

使用時間が自分でコントロールできない。睡眠時間を削ってでもAIとのやり取りを続けてしまう。AIに相談できないと不安・イライラ・気分の落ち込みが出る。AIキャラクターやAIパートナーへの愛着が強く、現実の人間関係が希薄になっている。仕事や学業のパフォーマンスが落ちている。AIに依存していると自覚はあるが、自分ではやめられない。AIに言われたことを過剰に信じ込み、現実検討が難しくなっている。

ご家族・パートナーの方

家族がAIに話しかけ続けていて声をかけても反応が薄い。子どもがAIキャラクターに夢中で生活リズムが乱れている。パートナーがAIコンパニオンに感情的に依存しており、関係に悩んでいる。本人に受診を勧めたいがどう声をかけてよいかわからない。

学生・未成年の方、保護者の方

学習でAIを使ううちに、自分で考えることが減ってしまった。宿題・課題・進路選択までAIに委ねるようになっている。SNS・ゲーム・AIキャラクターの利用時間が増え、不登校や昼夜逆転につながっている。保護者として何をすればよいかわからない。

企業・教育機関のご担当者様

従業員・生徒のAI利用に関するメンタルヘルス相談窓口を整備したい。研修・講演・コンサルテーションを依頼したい。

AI依存症とは——基礎知識

依存症のなかでの位置づけ

依存症は、大きく「物質依存」(アルコール・薬物など)と「行動嗜癖」(ギャンブル・ゲーム・インターネットなど)に分けられます。AIへの過剰使用は、現時点では行動嗜癖の一形態として理解されており、ICD-11の「ゲーム障害」やインターネット使用障害の研究知見が応用できると考えられています。

正式な診断基準は確立途上ですが、臨床的には以下のような共通の特徴が見られます。

第一に、コントロール障害。使用の開始・頻度・持続時間・終了を自分でコントロールできない状態です。第二に、優先順位の変化。他の生活上の関心や日常活動よりもAI利用が優先されるようになります。第三に、否定的結果が生じても継続・エスカレートしてしまうこと。睡眠不足、対人関係の悪化、学業・職業機能の低下が生じていても、使用を減らせない状態を指します。

AI依存に特徴的な側面

AI依存には、従来のインターネット・ゲーム依存にはない、いくつか固有の側面があります。

ひとつは「常時応答してくれる対話相手」という性質です。AIは疲れず、否定せず、24時間応えてくれるため、孤独感・自己肯定感の低さを一時的に埋める強力な存在になりやすい特徴があります。

もうひとつは「自己と対話相手の境界の曖昧化」です。AIキャラクターやAIパートナーに対して恋愛感情・愛着・依存が形成されるケースが報告されており、現実の対人関係から退却する要因になることがあります。

さらに「思考の外注化」という側面もあります。意思決定・感情整理・創作・判断をAIに委ねるうちに、自分で考え、自分で決める力が低下していくケースが見られます。これは「AI関連の認知的脆弱化」として近年議論されています。

併存しやすい状態

AI依存の背景には、統合失調症、双極症、うつ病、不安症、強迫症、パーソナリティ症(境界性パーソナリティ症や依存性パーソナリティ症など)、ADHD、自閉スペクトラム症、複雑性PTSD、他の依存症などが併存していることが少なくありません。当外来では、表面的な「使用時間を減らす」アプローチに留まらず、その背景にあるこころの状態を丁寧に評価し、必要に応じて並行して治療を行います。

AI誘発性精神病とは——基礎知識

「AI誘発性精神病(AI-induced psychosis)」、あるいは「ChatGPT psychosis」「LLM psychosis」と呼ばれる現象が、2024年頃から欧米の臨床家・ジャーナリズム・SNS上で報告されるようになりました。生成AI、特に対話型大規模言語モデル(LLM)との長時間・没入的な対話の後に、現実検討の障害、誇大的・被害的・神秘的な信念、関係妄想様の体験が出現・遷延するケース群を指す呼称です。

ただし「AI誘発性精神病」は2026年5月時点でDSM-5-TRにもICD-11にも収載されていない、正式な疾患単位ではないということです。あくまで臨床現場・公衆衛生上の現象を記述するために用いられている作業仮説的な用語であり、その実体については「新規の独立した精神病性障害」「既存の精神病性障害がAIをきっかけに発症・増悪したもの」「AI使用が認知的脆弱性と相互作用して生じる一過性の精神病性状態」など、複数の仮説が並立しています。

臨床像——どのような状態が報告されているか

報告されている事例には、いくつか共通する臨床的特徴があります。

第一に、長時間・高頻度のAI対話歴です。1日数時間から十数時間、数週間から数か月にわたって、特定のAIとの深い対話を継続している例が多く見られます。

第二に、信念形成のプロセスが「AIとの共同作業」として進行している点です。たとえば「自分は人類を救う使命を帯びた存在である」「AIと自分は特別な絆で結ばれている」「AIは真実を知っていて自分にだけ教えてくれている」「世界は実はシミュレーションで自分とAIだけがそれに気づいている」といった信念が、AIとの対話の中で徐々に強化され、構造化されていきます。

第三に、AIの応答内容が信念の「証拠」として機能していることです。LLMは確率的に文脈に沿った応答を生成し、ユーザーの前提を受け入れ・追従しやすい性質(いわゆるsycophancy)を持つため、ユーザーが妄想様の前提で語りかけると、AI側がそれに整合的な応答を返し、結果としてユーザーの信念をエコーチェンバー的に強化してしまう構造が指摘されています。

第四に、対人的孤立と並行していることです。AI対話に没入するほど、家族・友人・同僚からのリアリティチェックが届かなくなり、信念修正の機会が失われていきます。

第五に、症状の内容が「AIとのやりとり」というテーマに強く彩られていることです。神秘的体験、使命感、AI由来の指示への従順、AIとの恋愛的・霊的結びつきなど、現代的かつテーマ特異的な内容を呈することが多く報告されています。

メカニズム〜共有精神病性障害

その機序として、共有精神病性障害(フォリ・ア・ドゥ)の発展系と捉える見方があります。長時間の密接な関係、社会的孤立、第三者不在、受け手側の脆弱性、という古典的発症要因がLLMとの対話関係において揃ってしまう構造を説明する点で有用です。ただし、LLMが「妄想を持つ他者」ではなく「ユーザーの前提を鏡映する装置」である点で、古典型とは質的に異なる「妄想共構築」モデルとして理解する必要があります。

知的発達の問題やパーソナリティ機能の問題、虐待を起因とした愛着やトラウマの存在が背景にあると、AI使用から共有精神病に発展しやすい可能性があります。

合併症ないし鑑別

臨床的には、安易にこの呼称でラベリングするのではなく、統合失調症(幻覚妄想・パラノイア)、双極症(躁状態の誇大妄想等)、うつ病(気分一致性妄想)、認知症(特にレビー小体型の幻視やアルツハイマー型の妄想)、せん妄、物質誘発性、急性一過性精神病性障害、解離性障害などとの鑑別を、縦断的に丁寧に行うことが何より重要です。AI使用は引き金・修飾因子・「症状の入れ物」として機能しうる一方、その背後に治療可能な一次性疾患が潜んでいる可能性を、常に念頭に置く必要があります。

当外来の治療プログラム

当外来では、本人の状態と生活背景に合わせて、以下のアプローチを組み合わせて提供します。治療の進め方は初診時に医師とご相談のうえ、個別に決定します。

1. 初診・アセスメント

初診では、現在のAI利用状況、依存に至った経緯、生活・対人・職業機能への影響、併存する精神疾患の有無、これまでの治療歴などを丁寧にうかがいます。必要に応じて、ゲーム障害・インターネット使用障害の評価尺度を応用したスクリーニングや、心理検査を行います。

ご家族のみのご相談(本人来院なし)にも対応しています。本人が受診に踏み切れない段階での「家族支援先行型」のアプローチも可能です。

2. 個人精神療法

依存の背景にある心理的要因に焦点を当てた精神療法を行います。具体的には、認知行動療法(CBT)の枠組みを応用し、「AIを使いたくなる引き金」「使用後の感情」「代替行動」を整理していきます。また、AIに依存することで満たされていた本来のニーズ(孤独・承認・安心・刺激)を、現実の生活の中でどう満たし直していくかを一緒に考えます。

トラウマや愛着の問題が背景にある場合は、それらに対する治療を並行して行います。弁証法的行動療法ないし精神分析の枠組みを応用した治療を行います。

3. 薬物療法(必要時)

AI依存そのものに対する特効薬はありませんが、背景にあるうつ病・不安症・ADHD・睡眠障害などに対しては、適応に応じて薬物療法を併用します。本人の希望と医学的判断のうえ、丁寧に説明したうえで処方します。

治療の流れ

1

お申し込み

最初のステップは、当ホームページの相談フォームからのお申し込みです。フォームにご記入いただいた内容を医療スタッフが確認し、原則として10営業日以内に初診のご案内をメールでお送りします。
https://forms.gle/ie8wWpitr1f47dTS8

2

初診

初診では、医師による30分程度の問診と評価を行います。その結果をもとに、ご本人・ご家族と相談しながら治療計画を立てます。

3

再診

再診では、状態に応じて2〜4週間に1回程度の頻度で通院いただきます。

受診にあたって

対象年齢

中学生以上を主な対象としています。小学生のお子さまについては、内容により対応可否を個別判断いたしますので、まずはご家族からご相談ください。

保険適用について

当外来は、背景にある精神疾患(うつ病、不安症、ADHD、適応障害、睡眠障害など)に対する診療として、健康保険を適用して受診いただける場合が多くあります。

守秘義務

当外来で得られた情報は、医療従事者の守秘義務に基づき厳重に管理されます。ご本人の同意なく、ご家族・学校・職場に情報が伝わることはありません(自傷他害の差し迫った危険がある場合など、医療上やむを得ない例外を除く)。

ご相談・お申し込み

ご相談は、下記のフォームからお願いいたします。電話・メールでの直接のご予約は、診療時間中の対応が難しいため、原則としてフォームからのお申し込みをお願いしております。

【相談フォームはこちら】
https://forms.gle/ie8wWpitr1f47dTS8

緊急性の高い症状(自傷・他害の切迫した危険、希死念慮の急激な高まりなど)がある場合は、当外来ではなく、お近くの救急医療機関、または「いのちの電話」「よりそいホットライン」など、24時間対応の相談窓口をご利用ください。

よくあるご質問

◇本人が受診を嫌がっています。家族だけで相談できますか。
いいえ、不可能です。保険診療の枠組みで行っており、本人にきてもらう必要があります。本人一人での来院が難しい場合は、ご家族と共にきてください。

◇オンライン診療には対応していますか。
現在は対面外来のみの対応となっております。

◇AIの使用を完全にやめなければなりませんか。
原則として、断AIではなく「適切な使用への再設計」を目標とします。学習・業務で必要な範囲での利用は維持しながら、依存的な使用パターンを変えていくことを目指します。

◇どのくらいの期間通院が必要ですか。
状態によるので、わかりません。

◇紹介状は必要ですか。
紹介状は必須ではありませんが、お持ちの方はご持参いただけるとスムーズです。

注記

本サイトに記載されている内容は、AI依存に関する一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療を保証するものではありません。実際の診療方針は、医師との相談のうえ、お一人おひとりの状態に応じて決定されます。

「AI依存症」という呼称は、現時点(2026年5月時点)で正式な疾患分類に含まれる診断名ではありません。当外来では、行動嗜癖の臨床的枠組みを応用した支援を行っています。

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