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精神科で使われる薬について(まとめ)

(2020/9/16更新)

【向精神薬】

精神科の薬を「向精神薬」と呼びます。向精神薬を分けると、おおむね以下の通りです。

  • 抗精神病薬
  • 抗うつ薬
  • 気分安定薬・抗てんかん薬
  • 睡眠薬・抗不安薬
  • その他(抗認知症薬など)

【抗精神病薬】

抗精神病薬は主にドパミンを遮断する薬で、統合失調症の患者さんに処方されます。副作用として、けだるさ、鎮静があります。
この副作用を利用し、興奮している人や暴れている人、眠れない人にも処方することがあります。
抑うつ状態の人に抗精神病薬を少量加えると、鬱が良くなることもあるので、そのような処方もあります。

抗精神病薬は①定型、②非定型、に分けることができます。
おおざっぱに言えば、定型に属するものは古いタイプの抗精神病薬で、鎮静作用が強く、またパーキンソン症状などの副作用も強いです。例:ハロペリドール
非定型とよばれるものは、定型よりも新しいタイプの薬で、副作用は少ないです。最近ではほとんど非定型の薬を使っています。

非定型の薬は以下の種類に分けます。

  • SDA:例:リスペリドンなど
  • MARTA:マルタと呼ぶ。例:オランザピン、クエチアピンなど(クエチアピンはドパミン遮断作用は弱いが、抗うつ効果が強く、様々な使い方をします)
  • DPA:ドパミン受動態部分作動薬、アリピプラゾール(エビリファイ)など。少量だと抗うつ効果、中等量以上で抗精神病効果がある、不思議な薬。アカシジア(足がむずむずすること)になりやすい。

【抗うつ薬】

抗うつ薬は文字通り、うつ病の人に処方します。うつ病の人は、抑うつ症状の改善効果および再発防止効果があるので必ず飲んでください。
躁うつ病の人に処方すると、躁状態になる恐れがあるため、原則処方はしません。また若い人に処方すると自殺のリスクが上がるため、慎重に投与します。
他にも、高用量で強迫性障害や不安障害、パニック障害に効果があります。が、効果作用まで2週間ほど時間がかかり、また毎日飲まないと効果がないため、軽症例にはあまり使いません。
抗うつ薬の副作用として、胃腸関連症状、イライラなどがあります。

抗うつ薬についても、三環系とSSRI/SNRIに分けることができます。SSRI/SNRIの方が新しく、副作用も少ないです。

  • 三環系抗うつ薬:アナフラニールなど
  • SSRI:パキシル、ジェイゾロフト(セルトラリン25~100㎎)、レクサプロ10~20㎎など
  • SNRI:サインバルタ(鎮痛作用もある)など
  • NaSSA(ナッサ):リフレックスなど。抗うつ効果は高いが、鎮静作用が強く、眠気が出る。
  • S-RIM(エスリム):トリンテリックスなど。新薬であり、2週間処方

【気分安定薬・抗てんかん薬】

気分安定薬は躁うつ病の人に処方します。抗てんかん薬由来のものが多いので、一緒にまとめました。てんかんの患者さんも当院に来られています。
全般性発作にはバルプロ酸、部分発作にはラモトリギン、イーケプラが基本です。

血中濃度を測らなくてはならないのも、このグループの特徴です。

うつ
炭酸リチウム 血中濃度を測る
バルプロ酸 × 血中濃度を測る
ラモトリギン × 副作用として皮膚炎に注意
カルバマゼピン × 古いタイプで、副作用も多いので使わない

【睡眠薬・抗不安薬】

睡眠薬とは、主にベンゾジアゼピン系の薬物を指し、リラックス作用・睡眠作用があります。効果はお酒に少し似ていて、依存性がある点もお酒に似ています(が、お酒ほどはありません)。
新薬系は依存性が少なく、自然な眠りが特徴です。ジェネリックがないため、値段10倍ぐらいします(それでも1錠100円程度、保険がきくので30円ほど)。効果も弱い?印象があります。

入眠剤(3hぐらい) 一晩(6hぐらい)
ベンゾジアゼピン系 トリアゾラム(ハルシオン)

ブロチゾラム(レンドルミン)

フルニトラゼパム(サイレース)

ニトラゼパム(ベンザリン)

エスタゾラム(ユーロジン)

非ベンゾジアゼピン系 ゾルピデム(マイスリー)

ゾピクロン(アモバン)

エスゾピクロン(ルネスタ)

新薬系 ラメルテオン(ロゼレム):メラトニン受容体作動薬

レンボレキサント(デエビゴ)NEW2週間処方:オレキシン受容体拮抗薬

スボレキサント(ベルソムラ):オレキシン受容体拮抗薬
その他(漢方や薬の副作用応用) 抑肝散

ミアンセリン(テトラミド)、トラゾドン、ミルタザピン:抗うつ薬の副作用利用

クエチアピン:抗精神病薬の副作用利用

ベンゾジアゼピン系睡眠薬:脳内物質であるGABA受容体に作用。不安緊張をとる作用がある一方、依存性に注意
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬:GABA受容体に作用するのは同じだが、不安緊張をとる作用が少ないため、依存性が抑えられている
メラトニン受容体作動薬:メラトニン受容体に作用することで、体内時計を調節し、自然な眠気をうむ
オレキシン受容体拮抗薬:目を覚ます作用のあるオレキシンの作用を抑え、眠気をうむ

 

抗不安薬:どれもベンゾジアゼピン系。作用時間によってタイプを分ける。副作用は眠気。
  • 短時間型:エチゾラム(デパス)、リーゼなど。効果が短い分、より依存性が高い
  • 中間型(3~6h):ブロマゼパム(レキソタン・セニラン)、アルプラゾラム(ソラナックス、コンスタン)、ロラゼパム(ワイパックス)
  • 超長時間(24h):ロフラゼプ酸エチル(メイラックス)、リボトリール

【その他、抗認知症薬、発達障害治療薬】

認知症の薬は少なく、以下の4種類あります。

  • コリンエステラーゼ阻害薬:アリセプト、レミニール、イクセロンパッチ
  • NMDA受容体アンタゴニスト:メマリー

またADHDに対し、コンサータ(少量がゆっくり放出される、覚せい剤)、ストラテラ(SNRIに似ている)、インチュニブ(高血圧の薬に似ている)があります。ASDに対する薬はまだありません。コンサータの有効性が高いですが、処方できる医師・薬局が限られています。ストラテラはジェネリックがあり、安いです。

精神科でも漢方を使いますが、エビデンスがあるものが少ない印象があります。

  • 抑肝散:もともと夜泣きの子供に出したもので、認知症の不安や神経症の人に処方することがある。
  • 加味逍遙散:神経症に対して

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