本日は、社会変化とそれに伴う個人の変化、そして精神疾患の変化、というテーマでお話しします。
個人や社会というのは変わっていくものですよね。
それに合わせて精神疾患も変わっていきます。
治療法、特にカウンセリング的な治療法は、文化社会の変化の影響をすごく受けるんです。
人によってかけるべき言葉、伝えるべき内容は違います。
ということは、時代が変われば人も変わるので、伝えるべき言葉が変わってきて、カウンセリング理論というのは変わってきます。
考えてみれば、宗教というのは、その時代の精神療法、カウンセリング技法としての完成形だと僕は思っていて、それが今日でも力があるというのは、人間のコアの部分を描写してるからだし、同時に、力が持てなくなってきているのは、社会変化についていけてないからなのかなと思っているんです。哲学もしかりです。
臨床技法もそのように変わっていくべきであって、そこら辺がまだまだイメージしにくい人は多いんじゃないかなと思います。
こういうことを一緒に今日は考えていけたらなと思うんです。
コンテンツ
普遍的な部分と変化する部分
もちろんコアな部分というのがあるんです、人間だからこそ持つコアな部分。
人間が集団でいるときに普遍的に起きることはもちろんあるんです。
ギリシャ時代のものを読んでも僕らは共感するし、ギリシャ時代の戦争や過去の戦争を見ても、戦い方や武器の内容は違っても、戦略的には共感するところがあったり、政治的な外交での失敗は、今日の外交でも生きるということです。
コアな部分と、でももちろん変化もあります。
今だとITやAIの変化は大きいですよね。
その結果、経済構造も変わっていくという形です。
オンラインでの面談、オンラインでの取引が増えたら、わざわざ出張する必要がないので、そうすると新幹線や飛行機を使わなくなります。
それに伴ってホテルも使わなくなるじゃないですか。
というのもあるだろうし、逆にその余暇が増えた分、旅行に行きたいという人が増えて海外旅行したりホテルに泊まる人も増えたり。
経済構造というのは科学的技術に伴って変化します。
経済が変われば、政治文化、というのは変わっていくんです。
その時代、その時代で強い政治体系があるし、文化も変わります。
貴族階級の人が文化を作るという時代もあれば、町民、民衆、大衆が文化を作る時代もあった。
今は大衆文化の時代です。
お金持ちやエリートが作るのではなく、大衆が作っていく文化の時代になっています。
どっちが上か下かではないんです。
変化していくということです。
その時の科学技術の変化や経済構造の変化によって社会というのは常に変化していく、だけど変化しないコアの部分もありますよ、ということです。
社会の中で生きている個人
社会の中で生きてる個人も大きく変わっていきます。
生活様式が変わっていくし、生活様式が変わっていけば、給料なども変わっていきます。
今だったらIT企業が儲かっているし、逆に言ったら新幹線や飛行機の株主の地位というか、収支というのは相対的に落ちているなど色々あります。さっきの話と一緒です。
経済構造が変わるので、そこで働く人達の給料も変わってきます。
価値観も変わっていくんです。
力があるところが文化を作り、その文化に影響を受けるので、僕らの価値観も変わっていく、と。
だけど人間のコアなものというのがあるわけです、人間はそれぞれ。
手は2本しかない、男女は愛し合う、いつか人は死が訪れる、そういう変化しないものはあるので、コアな部分とコアじゃない部分というのがあります。
男女じゃなくても同性でも愛し合うとか性的な問題も色々ありますけれども、でもその男女が愛し合うという方がマジョリティになりやすいです。
常にマイノリティ的側の人間というのは、どの時代であっても存在し得るし、マイノリティになりやすい属性もあります。
精神疾患の変化
そしてその個人が病気になっていくので、精神疾患もやはり変わっていくんです。
困り事やストレスの内容は変化する。
昔だったら命の危険、病気への心配事、飢饉への恐れだったりするかもしれないけれど、最近だと人間関係、仕事の内容や業務量などの変化による不安になります。
そして、個人の価値観が変われば、症状や表現も変化していくんです。
うつっぽい、うつの症状が出てくる、幻覚妄想が出てくる、ヒステリー反応、色々な反応はちょこちょこ変わってきます。
最近だと発達障害みたいな言い方になりますけれど、変わってきます。
とは言いつつ、人間の脳が持っている構造の問題があるので統合失調症の幻覚妄想というのは、時代が変わってもなかなか症状は変わらないですね。
自閉症の症状も昔と変わってないですね。
そういうコアなものというのはあるんですけど、例えば摂食障害の原因、平凡恐怖、成熟恐怖というものから、体型へのこだわりとか変わっていく感じは時代の変化なのかなとか思ったりします。
コアな部分とコアじゃない部分、変わらない部分と変わる部分が常にありますよ、ということです。
精神科の治療も変わらない部分もあれば、変わる部分もあるんですよ、ということです。
ただそれだけと言えばそれだけの話なんですけど、こういうのを構造主義と言ったり、色々な言い方をします。
面白いのは、精神疾患というのは社会の先っぽにいるんです。
社会の端にいる人達が一番影響を受けるというか、病気とか弱者というのが一番その社会変化の影響を受けるので、先の価値観にいるというのが面白いところかなと思います。
過去動画を振り返りながら今年の抱負を述べます
今日は1月1日だと思いますので、過去の動画を見ながら、抱負を見直していこうかなと思います。
と言いつつ抱負というか、その時の考えを自分でも振り返ってみようかなと思います。
これは2020年の12月くらいに撮っている動画です。
この当時は座って動画を撮ってたんです。
立つと威圧感があるのかなと思って、座って動画を撮っていますね。
精神科医が本音を語る。2021年の抱負を語ります
本棚もちょっと小さいですね。3段です。
今はもう天井まで本棚が増えてます。
時間の変化を感じます。
どんな動画だったかというと、あまり覚えてないし、見直してないんですけど、コロナのことを語ってます。
2020年にコロナが流行って、今年もコロナなんじゃないの、ということを2020年の12月に言ってます。
2021年もコロナの年だろう、と。
2022年も、結局 半分コロナの年という感じでしたね。
不況と金余りと言っていましたけれど、金余りは結局2021年はあまりそんなに問題にはならなかったかなという気がします。
不況の恐怖というのは戦争をきっかけにしたので、物価高は2022年だったですかね?
物価が上がったり、金利が上がった結果、2021年は新しい仕事が増えたのかもしれないですね。
2022年ぐらいはちょっとスローダウンしたという感じです。
オンラインの融合は加速、というのは当っていたな、と思います。
コロナに関しては引き続き警戒するという風に言っていて、確かに2021年は変わらなかったですね。
クリニックも結局コロナになった人はスタッフ1人も現れませんでした。
コロナ感染者が出たのは2022年でしたね。
1人か2人出ましたけれども、全然重症化せず普通の風邪みたいな感じで治りました。
僕はかからなかったです。
不況と金余りと書いてますけど、生活苦の患者さんが増えるでしょう、というのはもちろんその通りで、障害年金を書くことがこの1~2年で増えました。
新しい事業が始まって、トラブルに巻き込まれた患者さんも増えるんじゃないかということで、確かに派遣系の人で、新しい派遣先で困ったという人はすごく聞いたかな、という気がします。
変化に弱い人たちはどうするんだということで、やはり発達障害、境界知能、過敏な人、HSPと呼ばれるような人達、精神医学用語で答えると社交不安障害、回避性パーソナリティー障害、不安障害と呼ばれる人達は、やはりうつになりやすかったな、うつになりやすくなってるなと思います。
オンライン化は加速していくということもその当時考えていて、結果的にそうなりましたね。
今までオンラインを使わなかった人、Zoomに抵抗感があった人もどんどんなくなっているのは事実だなと思います。
どういう社会になるかわからないので計算せずに徳を積もうと言っていました。
実際、2021年の1月か2月ぐらいに精神科のYouTuberの会を立てて活動をし始めましたから、やはり宣言するとか目標を立てるというのは良いことだったなと思います。ちゃんとやりましたね。
この当時が1827回しか観られてないですね。
今なんかセカチャンでおにぎり食べてるだけで3000回や4000回観てくれるのに、こんなに頑張っても1800回ぐらいだから、まあそんなもんですよね。
面白いなと思います。
2021年11月には登録者数10万人で、月間450万回再生されるようになってきたということで動画を撮ってますね。
その当時は2022年の12月ぐらいに30万人行くんじゃないかとか考えてましたけど、実際は30万人を突破したのが4月か5月ぐらいで、もうちょっと早い段階で目標を達成しました。
登録者数10万人記念! アンケートにご協力ください。今後のチャンネル方針とか、もろもろ語ります。
ただ、そこから停滞してきて、YouTubeブームも下がって登録者数の伸びは悪いんですけれども、2025年の12月までに100万人というのはちょっと厳しいだろうなと思います。
2028年とかあと5年ぐらいかかるんじゃないかなと目標の下方修正はしています。
全ての人に精神医学を提供する、新しい治療体系の提供、そういうのはもう始めています。
ワークショップをやったり、自助会を作ったり。
これももうちょっとブラッシュアップできたらなと思います。
未解決の社会課題の明確化や啓蒙活動をしていきたい、というのも、ヤングケアラーや発達障害の教育、妊活うつとか、実際できているのでブレてないなと思います。
まあそんなブレないですよね、1年ぐらいだと。
去年の振り返り、2021年の振り返りと新年の抱負はセカチャンの方で撮っていて、動画を見直したら結構硬いんです。
ちょっとだけ喋っているのを聞いたんですけど、硬いなと思いましたね。
今の方がリラックスして適当に喋っている感じです。
21年では1万人登録して、1万人を超えてYouTuberの会を作ったよ、何をやりたいのか何をやるべきか、ということをよく考えてたと言ってますね。
2022年はニュースに対応したり、AIチャットボットを作ったり、オンライン座談会をやりたいみたいなことを抱負として述べていました。
健康(N•A•R•M•C•S)、これは何だろう、ちょっと分かりません。覚えていないです。
気になる方はもしよかったら観てください。
(見てもわかりませんでした…)
2021年の振り返り、新年の抱負
実際、ニュースに対応する動画もちょこちょこ撮りましたね。
ちょこちょこ撮って再生回数は少し取れたかなと思います。
ただ実際話すべきニュースというのは特にないな、という感じでした。
あっ、あったか!
何かちょこちょこ撮りましたよね。
安倍さんの件とか、宗教二世の動画とかも確かに撮りました。忘れてました。
対応できたかなと思います。
AIチャットボットに関してはチャットボットを自分でも作ったんですけど、あんまり使われなくて、それよりもGPT3.5を搭載したChatGPTというのが公開されて、僕が作らなくてもできるようになりました。
チャットボットを使えば、色々な悩み、病気のこともある程度わかったりします。
ただ、100%正しいというわけではないのですが、ある程度見通しを立てるには役立つだろうな、とは思います。
オンライン座談会も3月24日に自助会を作って始めた、という感じです。
ここら辺もブレてないというか、宣言したからやったという感じですけど、こんな流れの変化があります。
僕個人もですね、精神科医でありながら全てが見えてるわけじゃないんだけれども、やっぱり社会変化、AIを意識したり、オンラインを意識して、それを臨床にフィードバックするということをしています。
その時は分からなかったけれども、変化に弱い人たちが増えていくだろうというのは確かにその通りで、神経発達性症(発達障害)、境界知能、そしてHSPと呼ばれる人たち(医学用語でいう社交不安障害、不安障害、ASD、そこら辺の人たち)は実際その臨床上かなり問題になってるというのも明らかです。
予測を立てて、当たる部分もあるし外れる部分もあるし、それを立てて見通して臨床計画を立てたり治療計画を立てたり、今やるべきことを考えたり、YouTubeの方針を決めたりすることはとても有効だろうなと思います。
ということで、個人的な振り返りも兼ねて、変化の感じを皆さんも掴んでもらえたらなと思います。
雑談
2023.1.1