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日本の風土と思想

00:00 OP
01:25 風土ごとの3つのタイプ
04:23 日本人はどんな人たち?
07:24 悪い点

本日は「日本の風土と人々の考え方」というテーマでお話ししようと思います。

毎週金曜日はいわゆる高校で習う倫理学を中心にお話ししているんですね。
4月~6月は思想のメイン、いわゆるヨーロッパの考え方を中心に扱ってきたんですけど、今回から7月~9月の3ヶ月は日本の思想や日本の美意識を中心に取り上げてみようかなと思っています。
もちろん、再生回数が伸びなければ変えますけど、今のところそういう風に計画をしています。

日本の風土と人々の考え方ということで、教科書の内容を中心に話すんですけれど、教科書では和辻哲郎さんの風土の考え方を紹介するとともに、こういう要素があるというのを語っていたので、それを説明するとともに、益田なりの視点を述べてみようと思います。

風土ごとの3つのタイプ

和辻哲郎(1889-1960)さんです。
「風土」という書籍で、風土ごとに性格があるのではないかということで、3つのタイプで分けたんですよね。

アジア圏、東南アジアは「モンスーン型」の気候なので、こういう性格なんじゃないと言っています。
モンスーン型というのは、季節があったり台風が来たりするような感じの気候です。
こういうところでは、自然が恵みを与える一方で、脅威でもあるんですよね。なので受容的であり、自然には勝てないですから、なすがまま、受容的であり忍従的、我慢強かったりするよということを述べています。

対してヨーロッパは「牧場型」と言って、安定しているんですよね。
安定してるので計画を立てやすいんです。だから合理的で論理的なカルチャーが育ったよと。

それから「砂漠型」です。
イスラム圏ですね、いわゆる。砂漠型と呼ばれる性格になっていて、気候が厳しいので、強い意志だったり団結を求めるような文化だったり、考え方ができていると和辻哲郎さんは分類したということです。

なかなかわかるなという感じはします。
県民性とか言いますけど、僕はやっぱりあると思っているというかありますね。
それが絶対的ではないけれど、なんとなくありますよ。
北海道の人はやっぱり広いですよね、心が。せかせかしていない感じだし、東北の人は北国で雪があるので、真面目というか我慢強いですよね。雪かきしなきゃいけないから。

東京の人は東北の人が多いので、やはり真面目という感じがする。
関西の人は何て言うんだろうな、明るいというか笑いが好きというか。
僕は岡山なんですけども、岡山とか四国なんですね。瀬戸内の人なんで、穏やかですね。気候が穏やかなので。
わりと能天気というか。
九州の人は中国が近いこともあって、自衛隊が好きな人が多いというか、武闘派が多いというか。
沖縄の人は沖縄タイムと言われるように、南国的な性格ですよね。

日本国内でもあるので、やはりその土地の風土に合わせたような性格になりやすいし、それに合わせたカルチャーが出来上がるので、相互作用でやはりその地域に住むその人らしさというのが生まれてくるなと思います。

日本人はどんな人たち?

日本ってどんな感じだろう?ということですよね。

日本人はどんな人たちが多いのかというと、寛容で対立を避ける人が多いよということです。
色々な考え方、外来文化など色々取り入れているので寛容なんですね。
新しい考え方にも寛容だったり、わりと柔軟だったりするんだけども、対立は嫌いなんですよね。

思想的対立をするとか、こっちのカルチャーを取り入れてこっちのカルチャーを排除する、みたいなことはなくて、共存したらいいんじゃないみたいな形のようです。

その結果「重層的構造」と言って、日本の文化もあるし中国の文化も取り入れているし、ヨーロッパの考え方も受け入れているというか、そういうカルチャー構造なんですよね。
仏教もあるし、クリスマスもあるし、結婚式は教会でやるのか和婚なのか、ぐちゃぐちゃでやっていますよね。
結婚式は教会でやってるけれど写真は和装とかね。そういう感じですよね。

あとはヨーロッパと比べて非論理的ですよね。合理的でなかったりします。
忍従であるように楽しむというよりは修行だと思うんですね。何事も修行だから頑張っていこう。耐えていこうみたいなところがある。
修行とか、そういうものを重んじるカルチャーがあったりします。

「間」や「無」というものを重視するんですね。
何もない空間とか、詰め込むんじゃなくて、何もない引き算のところに対する美意識というものがあったりする。

それがあるから行間を読むカルチャーもあるんですね。
すべてを言うのは野暮であると。
だから相手の心を読むとか、行間を読むことが尊ばれるカルチャーもあります。

後は「清き心」ですね。純朴だったりします。中国のカルチャーに比べてということですけれども。
共同体に対して素直で、嘘偽りがないものを美徳とされているという感じがありますね。

多民族だったり横に色々な敵国があったりすると、やっぱり素直じゃいられないんですよね。
ある程度、裏表を使い分けたりとかしなければいけないんですけど、日本はそういうところがないので、逆に清き心が尊ばれるということがあります。

あと、禊(みそぎ)と祓(はらい)という感じで、穢れというものを嫌がるカルチャーでもあるんですね。
だから水に流そうとするんですよね。嫌なことがあると水に流して忘れようとか。
それを残して蓄積していくとか、考えていく、アウフヘーベンしていくというよりは、水に流そうというカルチャーだったりします。

これが日本のカルチャーであり、良いところもあれば悪いところもあるという感じです。

悪い点

悪い点を言うと、まず黙殺されやすいですよね。
寛容で対立を避けるということなので、ある意味無視するということでもあるんですよね。

対立をして互いに認め合うというよりは、対立を避けて相手と距離を取って、物事が過ぎるのを待つみたいなところがあるので、結果的に黙殺されやすかったりします。

非論理的、修行なんだということをするので、パワハラが横行しやすいというのがあります。

あとは、水に流そうということをするカルチャーなので、治療を継続したくないとか薬を飲み続けることに対しての偏見や差別がやはりあるなと思います。

異物を体に取り込むみたいな、薬を飲むことで自分を変えていくということに対する抵抗感みたいなのがある。
ある種の純粋主義というか、純朴主義というか、自然主義というか、そういうのがやっぱり日本のカルチャーの中にはどこかあるなと思いますし、患者さんによってはそこに強く影響されている、そういう価値観が強くある人もいるなという感じです。

あとは、重層的構造になるので、古いカルチャーと新しいカルチャーが共存したり、日本固有のカルチャーと外来カルチャーを許容していると。
これもある意味ニセ科学を許すみたいなところもあるんですよね。
「人の勝手でしょう?」みたいな感じで対立しないようにしようとか、ニセ科学を積極的に潰していこうとはならないんですよね。だからそれが残ってしまう。
生き残りやすくて、マジョリティにはならないけれど、小さいところで力を持ち続けてしまうというのがあるなと思います。

これが日本のカルチャーの良いところでもあり、悪いところでもあるのかなと思います。
こういう要素を意識しつつ、自分がどういう行動を取るべきなのか、こういうカルチャーに無意識に支配されないように、自分らしく行動できたらいいんじゃないかなと思いますね。

対立を避けたいんだけれども、言うべきところは言わなきゃいけないし、非論理的で修行をするとかそういうものが尊ばれるように思うかもしれないけども、やはり論理的に考えていかないと問題は解決しないことがありますから、しっかり考える。
行間を読めよと言うかもしれないけど、言われないとわからないからそこはちゃんと言ってくださいとか。そこはちゃんとマニュアルを整備してくださいと言うとか、作っていくとか、そういう感じですかね。

良いところも悪いところも裏表ですからね。しっかり意識することが大事かなと思います。
今回は、日本の風土と人々の考え方というテーマでお話ししました。


2023.7.7

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