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リーダーシップについて

00:00 OP
00:37 全員が学ぶ必要がある
02:12 本当の意味での自立
03:46 リーダーに必要な要素
05:50 どういう知識、理解が必要なのか

本日は「リーダーシップ」について解説します。
解説じゃないですね。リーダーシップについて自分が思いついたことをダラダラと喋らせてください。

なぜこの動画を撮ろうかと思ったかというと、リーダーシップというのは、リーダーになる人、今リーダーの人だけが学ぶべきものだと僕は思っていないからです。
全員が学ぶ必要があるものなんだと思うんです。

全員が学ぶ必要がある

セルフケアやストレスマネジメントを皆が理解するのと同じで、メンタルヘルスを良くしていくために、社会全体がメンタルヘルスに関心を持って良くしていくためには、セルフケアやストレスマネジメントだけじゃなくて、リーダーシップについても学ばなければいけないですね。

相手に対して共感をする、思いやりを持つ、相手の立場で考えるという、いわゆる母性的なもの、これも身につけなければいけないものなんだけれど、優しさを持つとか。
一方で、リーダーシップ、父性的なものも持つべきなんですよ。

それは男性だから女性だからとかではなく、若いから、年配だからとかではなくて、あらゆる場面で僕らはリーダーになりうるし、影のリーダーにもなり得るわけで、そしてリーダーシップを理解しないとリーダーを支えることもできないわけです。

僕らは群れの中で生きる動物ですから、家族という集団であっても、もっと小さいカップルだったりしても、友人同士だったとしても、会社という組織であったとしても、僕らは群れの中で生きている。
群れが上手く行くためには、群れの中でいじめとか、虐待とか弱者を差別するとか、そういうことが起きないためには、集団の病理が健康的でなければいけないし、集団の病理が健康的であるためにはリーダーシップがしっかり発揮されてなければいけないですね。

だからリーダーシップというのは全員が学ぶ必要があるものだと思います。

本当の意味での自立

そして、リーダーシップを獲得することによって、本当の意味での自立ができると言われています。

リーダーシップを獲得することによってどういうことが起きるのかと言うと、リーダーをやったことがある人はわかると思うんですけど、すごく孤独ですよ。

色々な状況に遭遇し、その中で不十分な情報の中から適切に判断しなければいけないんですね。
自分の感情に支配されず、集団の利益が最大化するようなことを選択して決断して行動していかなければいけない。
そして自分だけが動くのではなく、周りの人にもついてきてもらわなければいけないんですよ。
めちゃくちゃ難しいですね。

その中では、もういいよ、相手のことなんか気にせずに自分一人で頑張ればいいんでしょ、という風になりがちなんです。
もしくは自分可愛さで「お前がやれ」と言って弱い人に押し付けてしまうこともあるわけで、そうならないためには、きちんとしたリーダーシップだったり自立が必要です。

きちんとリーダーシップが発揮できると内面に複雑な世界を作れるようになります。
地位や名誉、お金、そういう外的な価値ではなくて、内的な価値を重んじられるようになります。
そして自分自身を信頼できるようになりますから、リーダーシップは大事だなということです。

リーダーに必要な要素

リーダーに必要な要素は何かと言ったときに、ウォレン・ベニスの『リーダーになる』という本から取ってきました。
4つの要素があると言われています。

・一貫性
・言行一致
・頼りがいがある
・誠実である
この4つが重要だとこの本の中では言ってます。

開業医の勉強会で読んで、感動した本なんですけど、そこに書いてありました。
僕もできるだけこうありたいなと思っているんですね。

これの対極は何かというと、これは僕が自分で考えて書いたんですけれど、一つは一貫性の反対は短期的な思考です。
目先の利益を追いかけてしまう、感情に支配されてしまう。
目先の欲を満たすために動いてしまうとか。

言行一致の反対は自我の分裂ですね。言うことが変わってしまう。
ある時はこうだったのに、別の場面では性格が変わったように人が変わったような判断をしてしまうとか。

頼りがいの反対は孤独ですね。
孤立だったりする。

誠実さの反対は感情的だったり、クローズ、透明じゃない、秘密主義とかだったりするかなと思います。
どうして僕がこう考えてるのか、どうしてこういうことをしたのか、誠実であろうとすれば、透明である必要があるし、きちんと言う必要があります。

自分の内面の問題、今どうしてそういう決断をしたのかを言語化できるようにしておかなければいけない。
言語化できていないということはすごく感情的だったり、主観的だったり、秘密主義だったりするので良くないということになります。

どういう知識、理解が必要なのか

リーダーシップはとても重要ですね。
こういう精神論だけじゃなくて、どういう知識、どういう理解が必要なのか、リーダーとして振る舞うためにはどうしたらいいのか、ということを最後に精神科医目線でお話しします。

相手をしっかり理解するということです。
リーダーシップにおいて重要なことは、自分たちの集団にいる全ての人たちの理解がとても重要です。
どんな人なのかということをしっかり理解する。
自分がどんな人間なのか、どんな病気を抱えているのか、どんな性格傾向なのか、今家族はどんな問題があるのか、生い立ちはどうだったのか、社会的な問題はどんな問題を抱えているのか、それをしっかり理解する。

そしてそれと同じようなことを他者でも行うということなんですよ。
集団における構成員の全員の内的な世界をしっかり知る、どうしてそうなったのかということ、生い立ちを知るということがとても重要です。
相手の各論を押さえるということです。

本当に優れたリーダーというのは、相手の顔と名前だけじゃなくて、相手の生い立ちのこととかをしっかり暗記できていたりするといいんですけれど、もちろん僕はそこまで賢くないから、そこまで覚えられないです。
でもできるだけ色々なことを知って相手の特徴を捉えたいなとは思っています。

あとは二者心理。相互作用が生む病理、精神分析的な理解。
集団心理。集団であることで生まれる狂気や病気のこと、組織が持つ病理というものも理解する必要があります。
集団になったことで起きる健康的な側面、分業をしてみんなが目標に向かうこともあれば、今度は集団であることの病理があるわけですよ、旧日本軍みたいなね。

一人一人は優秀なのに全体としては愚かな行動、愚かな判断をしてしまうことがあったりする。ファシズムとか、そういうのも理解する必要がある。

そしてそれらを理解していくことで正しいリーダーシップを発揮できるし、逆に周りの人も正しいリーダーシップを知らないと、正しいリーダーを選べなかったり、リーダーをサポートできないので、リーダーシップというのは身に付けるのは大事かなと思います。

最後にですね、もうちょっと話しますけど、オンライン自助会においては、今後はファシリテーター、自助会内で座談会、患者会とか皆で話し合いをするときには、司会者の人にはしっかりリーダーシップを学んでもらいたいなと僕は思っています。

そのためにどういうノウハウが必要なのかということを一緒に考えていけたらなと思いますし、リーダーシップというのはどういうものなのかを一緒にディスカッションしつつ、よく知られたありふれた言葉なんだけど、理解を深めていきたいなと思っています。

今回はリーダーシップについて思いを述べてみました。


2023.9.22

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