松崎先生のYouTube
医学部を目指して何浪もするのは薦めない(私見)
https://youtu.be/C0C4PHcZcKQ?si=v7FudEUOuS7z-soI
本日は「医学部多浪問題」について語ろうかなと思います。
先日、筑波大の精神科医の松崎朝樹先生が医学部多浪問題について動画を撮っていたので、僕も医学部多浪問題について語ってみようかなと思います。
■18歳までに決断できるのか?
僕は多浪の人に対して肯定的なんですよね。
というのは、18歳までにそんな決断ができるのかなと思うわけですよ。
医師になるのはそんなに華やかなものじゃないですよ。華やかなものじゃない。
例えば理系の子だったら研究職とか憧れると思うんですけども、医学は応用科学なので、普通の基礎科学や自然科学に比べると厳密じゃないことが多いですね。
だからどうしても基礎科学や自然科学のものを借りてきてお茶を濁すみたいな研究が多くて、なんか面白くないのかなと思います。
実際、面白くないと言っている人たちもたくさん見てきています。
一方で、臨床家としてもやっていかなければいけないので、本当に臨床家をやりたいのかというのもありますね。
人のために泥臭い仕事をしたいのかというのはあります。
それを18歳までに決断ができるのかというと結構難しいと思います。
僕は優秀な人たちが臨床家や医師をそんなにやるべきだとあまり思っていないんですよ。
優秀な人たちは臨床家だけじゃなくて、サイエンスとか研究、あと組織のトップに立っていくとか、リーダーシップを取っていくとか、そういうことをしてほしいなと思います。
偏差値が高いから何でもかんでも医学部というのはあんまり好きじゃないですね。
というのがまず1点あります。
じゃあ、お前は何なんだという感じはするかもしれないですけど、でも個人的には思っているという感じです。
僕自身もやはり18歳までに決断はできなかったんですよ。
人のために何かしようと思えなかったですね。
だから全然勉強に身が入らなかったっていうのが本音です。
結果的に多浪になることは仕方ないんじゃないかなとも思ったりします。
僕は中学高校のときは本を読んだりするの好きで、当時から哲学の本を読むのは好きだったんですよ。それが今でも活きているというのがある。
人生いろいろありますから、色々経てからでもいいんじゃないかなと思いますね。
■知力・体力
よく言われるのが能力の問題ですよね。
医師はそんなに簡単な仕事じゃないので、知力・体力がしっかりないと厳しいんですよ。
確かに外科の先生とか、昔の救急の先生とか、本当に徹夜で患者さんを診て、夜中に起こされて緊急オペしてその後の術後管理をしてみたいなことをやっていたわけですね。
オペの時には絶対に手元が狂っちゃいけないわけですよね。
集中力を切らしちゃいけない。
膨大な勉強をしつつ、最新の科学を勉強しつつ、その一方ですごく体力仕事もやっていたわけだから、凄いスーパーマンじゃなきゃいけなかったというところはもちろんあるんですけども。
でもこれからはAI・ITが進化していって、ロボット技術の進歩していきますから、知力・体力の側面は縮小していくんじゃないかなと思っています。
実際、そういう能力主義過ぎるのもあまり良くないなと思うし、良くなってほしいけれどもどこかで線引きはしなきゃいけない。限界設定はありますから。
医師一人にそこまで責任を持たせるのもなと思ってしまいます。
あとは女性問題があって、体力の面で女性はどうしても男の人よりないことが多い。
その発想で言ったら、女性だから医学部入学を落としたみたいな事件もありましたけど、それを肯定することにもなってしまう。多浪を否定することは。
なので僕としてはそんなに重視しなくていいんじゃないかなと思っています。地頭の良さとかね。
■教育現場では
ただ、教育現場ではそうはいかないんだろうなと思います。
僕は外から見て机上の空論を述べているだけなので、無責任な立場で好きなことを言っているだけなんですけれども、教育現場や責任ある立場の人たちにとっては、何とかして一人前にさせなきゃいけないというところででもこのハードルは超えてもらわないとというところで、四苦八苦していると思うんですよね。
だからやはり多浪して何とか受かった人はできるだけ避けてほしいというのもあるんじゃないかなと思います。
でもこれも一人前は遅くても良いんじゃないかなという気もします。
覚えなきゃいけない量はどんどん増えてるわけですよ。医学も進歩しているから。
今まで通り何歳までにとか言う必要もないんじゃないかなと思います。
モラトリアムが延びていくとか、一人前になるスピードは遅くなっていてもいいんじゃないかなとは思います。
その分、本人の責任は減らしていくというのは重要かなとは思ったりします。
今医師国家試験は9割くらいは受かりますから、皆が受かる試験じゃなくてもいいのかなという気がします。
学問として医学は面白いので、結果的に医師国家試験は受からなかったけど、他の分野で活躍する人がいても別にいいんじゃないかなと思います。
実際、東大の医学部を出た人で臨床家一本という人よりも、他のことをやっている人も結構多いですから。
必ずしも医師国家試験に受かって医師として、臨床家として働くだけが医学部の本質ではないんじゃないかなという気もするし、でもそういうことを言うと、医師を作るためにはすごくお金がかかるから何なんだと言われそうですけど。
まあ僕もわかりますよ。自衛隊にいて途中で辞めた人間で、お前は国のお金をもらって教育してもらったのに、途中で辞めるなんて非国民だみたいなことを言われました。
その時は結構悩みましたけど、今考えてみるとたかがそんな金額という感じもありますから。
教育はすごくお金がかかると言えばかかるんだけど、人間の全てを犠牲にしてまでも恩着せがましく言われるほどの金額ではないんじゃないかなと個人的には思いますけどね。
■心理師の資格問題
あとは心理師の資格問題についてもちょっと話そうかなと思います。
公認心理師が国家資格化して、心理学部を卒業しないと心理師になれなくなったということですよね。
ただ、カウンセラーになりたいという人は若くして決断した人と、そうでなくて色々な社会人経験をしてから人の心を癒していく立場になりたいという人など、色々なパターンがあるんですよね。
大人になってから、社会人経験を経てからそう思った人にとって、国家資格を取るハードルはすごく高いんですよ。もう一回大学に行き直さなきゃいけないので。
そういう中で民間資格があって、良い側面と悪い側面があるということですね。
資格ビジネスみたいになってしまって、適性がない人を勝手に育てて資格を名乗らせてカウンセラーを作ってしまうこともあるし、国家資格が遅れてしまったからこそ卒後教育をしっかりできず、一人前の心理士が育ちにくい環境になっているのも事実でもある。
うーんって感じですね。
僕自身はピアサポートを重視していこうということで、自助会や患者会、家族会をやってそこで色々な技術やテクニックや知識も伝えたりしていますけど、ボランティアでやりましょうということだから、本当にいいのかというのも思います。
やりがい搾取みたいなところもあるし、かといってお金を取っていいのかということとか。
でもお金が絡まないと、ガソリンがないみたいな感じなんで大きくなっていかないんですよね。
だからそれも何かなとか。
ピアサポーターも疲弊して終わってしまうこともあるので、疲弊し過ぎないように、お金のこととか色々考えたりしますけど、答えは見つかっていないです。
今のところボランティアということになっていますけど、海外の動向とか見つつ何が正しいのかを考えているという感じです。
結局、お金の回し方ができなくて、コーチングとかマインドフルネスみたいな形で、コーチングという形で軽いカウンセリングをやってお金をもらうとかそういうことをやっていることも多かったりします。
マインドフルネストレーナーとか言ったりして。
何がいいのかという感じですけど、でもそうですね、何がいいのかとかいろいろ思いますけど、そういう風に思いながら今やっているという感じですかね。
答えは出ていません。自分なりにも。
医学部多浪問題について僕なりに考えたことをお話ししました。
その他
2023.10.9