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身体と感情の関係。ガッツポーズ メンタルヘルス大全第1部第3章マインドフルネスの補足 メンタルヘルス大全打ち合わせ2日目

00:00 OP
00:31 ボディコントロール
04:48 ガッツポーズをしたら

益:じゃあ始めますけど、何か先にあります?

池:どこからいこうかな。メンタル大全の話だと、二者心理と集団心理。

益:そこに行きます? 第1部で困ってるところは特にもうないですかね?

ボディコントロール?

池:第1部はセルフモニタリング、主観2.0、ボディコントロールをセルフコントロールと呼ぶかボディコントロールと呼ぶかとかちょっと悩みますけども。

益:ああ。第1部がセルフセルフケアというか、総論なんですよね。

池:はい。

益:3章というか。ここの立ち位置は僕も難しくてボディコントロールという言葉にするか、なんだっけな、感情のコントロールにするか、マインドフルネスにするか、ちょっと僕も今悩んでいるんですよね。
どの言葉がみんなにしっくりくるかわかんなくて、あんまり造語過ぎると、ボディコントロールみたいな造語過ぎると頭に入っていかないし、マインドフルネスというと既存のイメージに固定化されすぎちゃうから、ここは悩んでますね。

池:そうなんですね。マインドフルネスって、何かイメージはついちゃってるところもあるんで。

益:そうなんですよ。

池:瞑想するみたいな。

益:マインドフルネスだとちょっとイメージが少ないんですよね。
ボディコントロールだともっと広い意味なので。
感情のコントロール。僕のイメージなんですけど。

池:はい。

益:「身体的な理解」というイメージをもうちょっと持たせた方がいいんじゃないかなと思ってるんですよね。
僕も自衛隊で身体を使ったりとか、運動神経は悪いんですけどスポーツをやってきたし。スポーツをやっていく中で、身体の中で身についていることってすごくあって。その中で学んでいることって結構大きいんですよ。
だから今、教育業界で「非認知能力」とか言ったりして、IQとか学力、いわゆる筆記テストで表れない能力のことを非認知能力って言うんですけど。
粘り強さとか優しさとか、何かわかりますか?

池:はい。

益:聞いたことあります? これは結構人気なんです。人気というか研究されている一つのトピックで、IQだけじゃないよねみたいな。将来幸福になるのは、こういう非認知能力との関係性。
これってIQのように鍛えても伸びないものなのか、それとも鍛えたら伸びるものなのかというのは賛否分かれてるんですよね。
でも、僕の認識だとこれは鍛えたら伸びるけれども、なかなか伸びないよと思ってますと。

つまりカウンセリングと似ていて。
精神科の領域におけるカウンセリングってエビデンスがほとんど出ないんですよね。
相当うまい人が、相当丹念にやらないと伸びないので、非認知能力もそれに結構似てるなと思っていて。
たぶんそんなに論文をしっかり読んでないんですけど、有意差が出るやつというのは結構吟味したりとか、スタディをしっかり作り込んでいるんだと思うし、結構粗くやっちゃうとたぶん有意差は出ないんだろうなとは思ってますけどね。

この非認知能力というのは、スポーツとかいわゆる座学じゃないところで伸びたりすることが多いんで。
そういうことと、昔の自分の身体を使ったことを思い出してほしいので、ボディコントロールという風に言った方がもっとしっくりくるんですけど。
でもボディコントロールと言っちゃうとイメージがつきにくいし、これって精神科の話なのって感じになっちゃうので、こっちの方がいいのかなとか。迷っています。

池:手法としては止まってるじゃないですか。
確かにマインド、感情コントロールしてる感じはありますよね。
でも大きな意味で言えば、確かにボディコントロールなんだろうなって。

ガッツポーズをしたら

益:そうそう。だからこれも感情とボディの話は結構関係性があんまりみんなわからないみたいですけど。
この前、某テレビ局の人から取材の依頼があって、ガッツポーズをした時の脳の変化を教えてくださいって言われたんですよ。

池:なるほど。

益:皆さんあまり知らない人が多いと思いますけど、人間の感情って後天的に作られるんですね。
元々脳に寂しいとかがあるわけじゃなくて、どちらかというと、文化背景とか今までの経験とか周りの人がこれを寂しいと言っているからということで、感情というものが自分の中で「これが寂しいんだな」とか、「これが痛みなんだな」とか「心の痛みなんだな」ってことがわかってくるんですよね。
だから元々はないんですよ。

例えば、「肩こり」という概念は日本人しかないって言うじゃないですか。

池:なるほど。

益:背中が痛いと言うんですね、海外の人は。

池:そうなんですか。

益:そうそうそう。あと日本人らしい感情というは、もののあはれとか無常観とか。
ああいうものって東洋的な概念なんですよね。諦観とか、諦めるとか。西洋の人にはなかったりするし。
逆に西洋的な何かすごくロジックな感じとか、神への信仰とか一神教への信仰の感じ、奉仕する気持ちって日本人にはやっぱりなんかよくわからないんですよね。
その文化の下で経験していないとわからなかったりするんですけど。

奉仕したりとか、そういうより高度な感情になってくるとよりわかりやすいと思いますけども。後天的に作られると。

これは身体とすごく結びついているんですよね。感情って。
感情は心臓の動きとか、その時の腸の動きとかボディイメージとすごく結びついているんですよ。笑うとかね。例えば笑顔になるとか。
やっぱり身体からくる信号と脳は常に連携を取っているので、身体に引っ張られて感情も生まれることもあれば、感情から体が動くこともある。

だからガッツポーズによってやる気が出ますかっていうのは何かというと、その文化背景によってまず違うんですよね。
ガッツポーズを取るようなカルチャーで育ってるのか育ってないのか。
少年野球で育っているのか。何でもいいんです。サッカーで育っているのか、もしくは文化系なのかによって違うだろうしということですね。

もしそれが学習によって身についているのであれば、体を動かすことによってその人の感情が出たりとか、やる気が出たりするので、それはマインドフルネスとかと似ていて。
だんだん座禅を組んでいるだけで落ち着いてくるように、ガッツポーズを取ると過去のその時の記憶とか感情とか周りの人の反応とか、周りの人がガッツポーズをしている時の瞬間を芋づる式に引っ張ってくるということなんですよ。

これを説明したら、「いや、もっとセロトニンとかドパミンで説明できませんか」と言われて。
この論文ではセロトニンが何%増えましたと言ったりしますが本当ですかとか、テレビの人。
いや、そんなの嘘に決まってるよみたいな。
何%かというのは個人差もすごくあるし、そもそも観測できていないものを勝手に観測したと言っていることもあるから、嘘論文多いですよとか言ったりして。

でもこういうことがあるから基本的にはそうなんですよと説明したら、向こうの人はポカンとしてお蔵入りになりましたね。

池:お蔵入りに。

益:これは15分くらい喋ったけれども、もちろんギャラなしですね。
別にギャラが欲しいわけじゃないですけど。

池:武道の世界ってガッツポーズしないじゃないですか。あんまり。礼を失するのか。
でもサッカーとかすごいしそうですね。そういうのも影響与えますかね?

益:ガッツポーズとかぐっと出すような形で感情のコントロールをしているだろうし、日本人とかアジア系の人は何か静謐を持って感情のコントロールをしているのかもしれないですね。

池:うーん。

益:凛としたことから心が落ち着くみたいな。

池:うん。

益:こういうのも何かいろいろ文化背景とか気候とかね。

池:確かに。農耕民族なのか狩猟民族なのか。

益:全然違いそうですよね。やっぱり砂漠の民とこういう日本みたいなちょっとね自然豊かな温暖なところ、水が豊富にあるところはやはり違いますよね。全然違うんです。うん、インドとかとも違うしね。

池:うん。

益:マツコデラックスさんはガッツポーズするのはお金持ちが多いんだとか色々言ってるわけですけど、本当ですかって。いや、そんなことないと思って。

池:どういうあれなのか。

益:たぶん何かこういうリアクションをする、欧米っぽいからこういう人は豊かな家の子たちよって。
私たちみたいに庶民はそんなことをやったら、はしたないって叩かれるからやらせてくれなかったのよという話題の展開かなって想像していましたけど。
こういうのは伸びないですね。伸びないというか。あんまりテレビで使われない。
長いしね、この説明がね。文化背景によって、感情が出来上がるとか言われてもポカーンって感じだし。
そしてその感情というのは身体とすごく結びついているとかね。

だからそうだね、2wayの話だもんね。この2wayで感情出来上がっている、そんな話でしたけどね。

身体とこういうのはすごく結びついているし、それは何て言うのか、このメンタルヘルス大全だから扱えている話題というか、あんまりこういういろんな分野をまたがってということって、そういう本ってないと思うんですよ。

精神医学の中でそんなに身体の研究とかされてないので。
身体の研究もなかなか予算が付かないからそんなに大きくわかっていることもないし、最近わかりましたっていうのは、結構疑似科学的なものが多いから怪しいのも多いんですけど、わかっていることも十分あるというかね、そういう話ですけどね。

でも、これだけだと本にできないし、メディア発信できないからついついもみ消されちゃったり。あったとしても、本の一部の紹介で終わっちゃうと思うんですけど。
そんな話でした。じゃあ終わります。


2023.11.9

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