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YouTubeをやってみたい、導入したいと考えている人へ。どうしてYouTuberになったのか、僕の経緯を説明します

00:00 今日のテーマ
00:58 YouTubeと診療
06:22 診察の4つの要素
08:44 誤解
15:48 実験・挑戦

最近、他のドクターや福祉の方からYouTubeに関する相談を何件か受けることがありましたので、「YouTubeと診療」ということでどうして僕がYouTubeを撮っているのかについて改めてお話ししようと思います。

開業してからの経緯

僕は2018年に開業するのですが、その前はいろいろな病院で働かせていただいていました。その中で、自分が社会の中でどういう風に貢献したいかという課題感、問題意識がありました。それは「再診5分」は短いなということです。今更ですが。

自分はお喋りだし話すことも好きなので、やはり5分は短いなと思いました(正確に言うと5分以上取るのですが)。でもそうしなければ医療経済が回らないということもよくわかるので、制度自体を変えるというよりは今ある制度の中でどうしたらこれを解決できるのかを考え、カウセリングを1回3000円という形で導入しました。診察時間は短いけれどカウンセリングで補えるように、カウンセリング代は高いのでできるだけ価格を下げれば良いのではないかと思いやってみました。が、結論から言うと失敗しました。マネジメントコストが高く、厳しかったです。何年もアイデアをあたためていたのですがあっさり失敗しました。

結局はカウンセリングの値段設定を1回6000円に上げましたし、独立しているカウンセラーの方と連携したりしています。あとは、Kaienさんやリヴァトレさんと連携して、福祉関係でカウンセリング的なことができないかということもやっています。そのような解決策を取りました。
診察時間が短いことは常に僕も考えていますし、患者さんも思うところがあるかもしれません。どうにかしてあげたいのですがなかなか難しいところです。話を重視しているのですが、限界性に気づいています。

実は話を聞いてくれるドクターもいるにはいますが、病院の方針、賃料がかからない、ドクターだけがやっている、入院でペイする、そもそも国の施設なので売上を気にしなくて良いなど色々あります。ですが、やはり普通の開業医は経営的なことを考えると再診5分は避けられないかなと思います。また、時々入院する患者さんもいて、そういう場合は病院との連携や家族の同意などに1時間くらい時間がかかることもあり、そうなると外来が破綻してしまうのである程度余裕を持たせないといけないという事情もあります。

診察の4つの要素

では外注していれば診察は5分で済むのかというとそういうわけではありません。ドクターでなければならないこともたくさんあります。どうやったらその5分を密にできるかと考えたときに、診療というのはどういうものかを4つに分けました。

・事実を聞く
・感情を聞く
・事実を話す
・感情を話す

客観的な事実は紙やWEBの問診票で代用ができます。あらかじめ書いてもらえば、読むのは聞くより早いので時間を短縮できます。そうすれば、感情という主観的な要素を聞く時間ができます。

病気や薬の説明などこちらか話さなければならないこともあります。最初は紙で渡していましたが、すぐ捨ててしまったり読み直したりしないことも多かったため、HPに疾患の説明を書くことにしました。すると今度は文章が長すぎ、うつの人などは文字を読むのが負担になるということがありました。そこで動画に切り替えました。そうすることによって感情的な話のやりとりをする時間が増えましたし、診察の5分がより充実するようになりました。ここは自信を持って言えます。

誤解

「YouTubeを見といて」で終わりなんじゃないかという誤解もあるのですが、そんなことはありません。YouTubeを始めてから全体としての診察時間は延びていて、話せることも増えたのではないかと思います。再診の間隔も延びていて、今まで毎週来ていた人が2週間に1回、月に1回で済むようになったというのもあります。それは空白に耐えやすくなったということもあって、それはよかったと思います。

医療関係の人は治療構造が崩れるのではないかという危機感もあるようです。
治療構造が崩れるというのは、患者さんが過度に依存したりストーカーになってしまったり、治療者のプライベートを伝えすぎることで圧倒されたり飲み込まれたり、洗脳しているのではないかといったことです。

これに関しては最初は怯えつつやっていましたが、1年近く経って意外と問題ないなというのが僕の実感です。その意外とがどれくらいかと言われると伝えにくいのですが、治療において若いドクターは患者さんに対して防衛的になるのがベテランになってくると防衛が崩れるように、意外と防衛は必要ないかと思います。ただこれは地域や世代によるかと思います。早稲田は都心なので芸能人慣れしているような場所ですし、患者さんも若い人が多くYouTubeやTikTokで情報発信をしている人も多いので僕だけが目立っているという感じはしません。他の地域だとまた違うかもしれません。

ただ、変化はとても速いと思います。5年後には動画で何かを発信することはもっと一般的になっているのではないかと思いますし、各企業がYouTubeアカウントを持って、広報の人のパーソナルなところを見せつつYouTuberのように振舞ってもらうということは全然あると思います。それが一般化した後に病院も真似し始めると思うので、そうすると各大学病院や大きな病院もYouTubeチャンネルを持つようになると思います。今の大学生くらいの方はオンラインで授業を受けたり先生がYouTubeチャンネルを持っていたりというのが普通になっていますし、彼らが「こういう仕事がやりたい」と発言できるようになったときにはYouTubeをやると思いますから、それは5年か、もっと早いかなと思っています。また、5年後には優秀で才能があって喋りも上手いドクターが、僕と同じようなチャンネルをやって簡単に抜いているのではないかなと思います。

もう一つの誤解として「誰に向けて動画を撮っているの?」というものがあります。これはそれほど特定しておらず臨床のためにやっています。基本的にはその日に会った患者さんとのやりとりの中でうまく伝えられなかったなということをテーマに挙げて喋るようにしています。ですので1人の人に向けて喋っています。この動画も実は1人のあるドクターに向けて喋っています。でもこの1人の人に喋っていることが他の人にも役立つということがわかっていますし、それが現代的なマーケティング理論としても正しいかったりするのでやっています。

実験・挑戦

僕の人生を使った実験です。オンラインとの融合はどうなるかは興味があります。
僕の動画が1本10分として、それを2本見たら診察5分+10分+10分ですから情報や診療は密になります。それはすごいことだと思いますし、臨床がどう変わっていくのかというのはすごく興味があります。

連携やコラボで、大きな病院でないとできなかったことが実現できるようになるのではないかとも思います。そのためには僕自身YouTuberとしてのレベルアップも大事だと思います。相手に動いてもらうためには、自分はこういう思いでこういうことをやっているというプレゼンもできなければいけません。アウトプットと学習はセットになっているので毎日やっていけば成長できると思います。

これから医者YouTuberは増えていくと思いますし、僕の動画を見て始める人もいると思います。彼らと協力してやっていけたら患者さんにとっても素晴らしいと思います。自分は開業医として食べていけるようになっているので、次の世代の支援というか、そのためにも僕自身のレベルアップも必要だなと思っています。

同じような医療系の人と一緒にやっていけたらと思いますので、興味がありましたらDMください。


2020.12.7

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