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結局、優秀な医者ってどこに行けば会えるの? 医師のキャリアについて説明し、医師の専門性やどこに受診するのがいいかについて解説します

00:00 医師のキャリア
03:38 専門とは
04:38 疾患ごとの専門は?
06:17 チーム力、組織力
09:26 僕自身の話

今日は医師のキャリアと専門性およびどの医師にかかれば良いか、ということについて解説してみようと思います。

医師のキャリア

・研修医
医師は大学卒業後に医師国家試験を受け研修医になります。研修医はすべての科を2年かけてまわります。僕も内科、外科、救急とまわりました。そこで「何科なの?」と上の先生や看護師さんに聞かれるのですが、「精神科です」というと大抵がっかりされました。今は精神科は人気の科なのでそんなこともないのでしょうけれど、「こいつに外科のこと教えてもなあ」という顔をされたものです。そのように2年間を過ごしながら、自分は精神科だけれどその場でパッと動いて命を救う先生方はかっこいいなと思っていました。

・専門医、指定医
研修医が終わった後、専門医を取得し、精神科の場合は「精神保健指定医」を取ります。指定医を取ることで医療保護入院や措置入院、いわゆる強制入院ができるようになります。

・研究、地域医療
専門医を取った後に医局人事に乗っかり、研究や地域医療をやり、学会活動・医局活動をして教授を目指すというのが白い巨塔の世界です。

・学位
研修医が終わったあたりか専門医から教授を目指す過程で学位を取ります。

医局人事から離れると、民間病院に行ったりそこから流れ着いて開業医になります。
ただこれは昔ながらのイメージで、現在は医局人事にとらわれず多様なキャリアがあります。例えば産業医を取る、起業する、コンサルになる、コンサルからまた医者に戻るなどです。

専門とは

学位を取ったときの研究テーマを専門にすることも結構あります。ただ、臨床研究で学位を取ることはあまりありません。
例えば統合失調症であれば、脳のメカニズムの問題、薬理学的な問題、遺伝子解析、ラット実験などで学位を取ったりします。必ずしもそれが専門になるとは限りませんが、少なくとも自分の興味のある分野で学位を取るのでそれが専門となる人もいます。

疾患ごとの専門は?

疾患ごとの専門は?どんな先生を選べば良い?と患者さんは思われると思います。
患者さん目線でどのような力があれば優秀なのかをはかるのは難しいです。

・共感力が高い
・言語能力が高い
・メタ認知が高い
・薬理学、脳科学に詳しい
・診断学、科学哲学に詳しい
・統計学の理解の力がある
・地域社会制度に詳しい
・会社、社会理解

など、結局は総合力なのです。すべてをマスターするのは不可能なので、いろいろなことを一定のラインは超え、得意技を見つけるということかなと思います。

チーム力、組織力

結局医師一人ができることは限られているので、どのようなところにかかったら良いかは「チーム力、組織力」で判断するのが良いかと思います。

例えばうつが酷くてご飯が食べられない場合は入院できるところが良いですし、そうなると大学病院や総合病院、民間の精神病院になります。合併症がある場合は総合病院、大学病院が良いでしょう。

カウンセリングを受けたい場合はカウンセラーの有無が大事です。アルコールの問題や統合失調症の治療でデイケアがあったほうが良いという場合は、そのような施設を選びます。

ついつい良い先生のところに行けば良いのだろうと患者さんは思うのですが、先生個人というよりはその施設の力が大事です。精神科の施設力にも差があります。ただ、組織力がなくても、福祉、自助団体と組み合わせることで治療を補うこともできます。

結局一番大事なポイントは、医者のレベルというよりは「どれだけ接触回数を増やせるか」だと思います。医者のワンポイントの治療以上に、就労移行施設などでリワークプログラムを受けたほうがうつに良かったりします。プロとの接触時間が長ければ長いほど、回数が多ければ多いほど治療効果は高いのです。

僕自身の話

じゃあ僕自身はどうなのかというと、自衛隊にいたので学位は取っていません。専門医、指定医を取った後に自衛隊をやめて、民間病院を経て開業医になりました。自衛隊のことに詳しいのは自衛隊の中では大事でしたが、僕はカウンセリングが好きだったので、そちらを専門にするならば開業医が有利だろうということでクリニックを始めたのです。

ただ、蓋を開けれみればそのような形では臨床は回らず、コンサータについて解説したホームページがなぜかバズり、そこから発達障害が僕の専門だと見られたり、夜遅くまで開けていたので仕事関係の悩みを扱うことがメインになりました。

それが専門だったのですが、今度はコロナをきっかけに大学生が来なくなり、夜遅くに患者さんが来ることもなくなったので発達障害の患者さんや仕事の悩みで来る患者さんが結構減りました。
それで僕の専門がなくなったかというと、そのころにYouTubeが伸びてきて今はYouTubeが専門みたいになっているという感じです。

YouTubeをやることによって僕の中でどう変わっていったかというと、「わかりやすさ、幅広さ」が自分の特徴になってきているのかなと思います。精神科のことをわかりやすく、幅広く説明できるというのがYouTubeの中で求められているし、同時に臨床の中で活きていると思います。

専門とは変わっていくものです。一人の先生でも若い時は薬理一辺倒だったのが今は在宅医療のチームマネージメントをやっている、臨床研究で学位を取ったけれど今は実験をしているなど変わっていきます。

色々な先生のパターンを見て面白いなと思いつつ、先ほども述べたように医師一人でやれることは限られているので、どのドクターというよりはチーム力や組織力を判断して通う病院を決めるのが良いと思います。接触回数を保てるように、日常の中で通いやすいところを探してみてください。


2021.2.28

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