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脳を解説(前編、脳と薬物治療)神経細胞〜ニューラルネットワーク(神経回路)〜脳

01:57 脳とは何か
06:38 ネットワーク
08:17 薬って何?

今日は「脳」をテーマにお話しします。
脳は説明するのも理解するのもとても難しいです。加えてそれを診察中に説明しようとするとさらに難しいです。

ただ、「脳というものがある」ということを理解していないと、薬のことを理解しにくかったり心というものを理解しにくかったりするので、一度脳について語ってみようと思います。

前半・後半に分けますが、今回は前半で「脳と薬物治療」についてお話しします。
後半は「脳と精神療法(カウンセリング)」というテーマでお話しします。

脳とは何か

脳というのは「神経細胞の集まり」です。
神経細胞が集まることで「ニューラルネットワーク」ができます。ニューラルネットワークの集まりが脳です。

・神経細胞
神経細胞は、化学物質を受け取り、電気信号が流れ、反対側から化学物質を放出するという細胞です。

信号が伝わる時は、一方からもう一方に電気が流れます。
どうして間に化学物質が入るかというと、全部を電気にしてしまうと一気に流れてショートしてしまう恐れがあるためです。

・プラスとマイナス、ニューラルネットワーク
神経細胞には「興奮させる神経細胞(+)」と「抑制させる神経細胞(-)」があります。
この2つの信号を受けて、次の+をどう伝えるかが出来上がります。

このような脳のイメージがら着想を得て、AIのニューラルネットワークは作られています。
Aiのニューラルネットワークの場合は、神経細胞の伝達を複数の階層にすることで複雑な情報を伝えたり微調整をしていますが、脳細胞の場合は細胞の数が有限なので、階層を増やすやり方では複雑な調整はできません。
この調整を単純な+-でやるのではなく、化学物質や受容体、遺伝子的な要素やタンパク質などで行うことで、複雑な処理を行っています。

また、脳みそは常に動いているので、一方通行の信号ではなく、行ったり来たり巡回しています。

・セロトニン、ドパミン
皆さんがよく知っているセロトニンやドパミンというのは、あくまで化学物質の1つです。
セロトニンが増えれば良い、ドパミンが増えれば良い、というものではなく、ある神経回路におけるドパミンが増えると問題、ある神経回路におけるセロトニンが少ないとネットワークが活発化していない、という言い方をします。

・ネットワークの活動
例えばうつ病の場合、前頭前皮質・扁桃体・側座核を結ぶネットワークの活動が低下していることがわかっています。このネットワークにおいてはセロトニンという化学物質がメインの伝達物質なので「セロトニンを増やそう」となります。

統合失調症の場合は、中脳辺縁系の回路(ネットワーク)におけるドパミンの量が増えているので、ドパミンの受容体をブロックすることで幻覚妄想を抑えることになります。

ネットワーク

「運動」ならば大脳皮質のどこの信号で右手が動くか、足が動くかがわかっています。
「言語野」はもっとファジーで、例えば「犬」と言ったときに脳のどの部分が反応するかは人によって違います。

ましてや「感情」や「意識」となると、複数のネットワークの混合状態が起きるので、どこを刺激したらどのような発想になるのかというのは言いにくいです。

どこを刺激すれば出力として適切になるかというよりは、落ち込んでいるときにはここのネットワーク系がうまく働いていないというだけは確認できているということです。
どこを刺激すればこのような感情になる、というのは意外とわかっていません。

もちろん快感物質のようなものはわかっているのですが、もっと人間らしい感情、「仕事に行きたい」「行きたいけれど今ひとつ頑張れない」などはいくつかのネットワークが関わっているのでよくわかっていません。

薬って何?

薬はネットーワーク系における「変数」を変えているというイメージです。
例えばSSRIの場合、セロトニンの再取り込みを阻害することによって、セロトニンの量が一時的に増え、ネットワークが活発化します。

まとめ

脳は神経細胞の集まりです。
神経細胞というのは、興奮させる神経と抑制させる神経があります。これがネットワーク(線)を作っています。

「意欲がない時はここのネットワーク系」が弱っている、といったことが一部わかっています。このネットワーク系を活発化させるために、伝達物質そのものを増やすというよりは、系における変数調整のような薬が入ります。それによって、神経系が活発化されます。

ややこしいですね。

脳は常に動いていて休まらないので、この薬を入れたら止める、急に動き出すなどゼロ・イチではありません。微妙な調整を行っています。

もう少し言うと、脳にはバリア(blood-brain barrier 略称:BBB)がついています。そのためすべての化学物質が脳に行くわけではありません。

やることは薬を出すか出さないかですし、またその種類も無限にあるわけでもありませんが、背景にはこのような脳科学の前提知識が必要ということです。

【参考】
吉冨康成 著「ニューラルネットワーク(シリーズ 非線形科学入門)」(朝倉書店 2002年)
ストール「精神薬理学エセンシャルズ 第4版」


2021.7.27

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