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窃盗症(クレプトマニア)、万引き依存の解説

00:47 窃盗症のメカニズム
03:06 窃盗症の特徴
05:13 治療
07:18 手帳による認知行動療法

ワークブック:
お酒を飲んでしまった日、もしくは翌日のためのワークブック
https://wasedamental.com/wp/wp-content/uploads/2018/06/alcohol-workbook.pdf
*窃盗症などお酒以外のことにもお使いいただけます。

今日は「窃盗症(クレプトマニア)」について解説します。

窃盗症は「万引き依存」と言ったりもします。
物が欲しいから盗む、ずるをしたいから盗む、人に迷惑をかけたいから盗むのではなく、やりたくないけどやってしまう依存症のようなものです。

窃盗症のメカニズム

日常のストレスが溜まってきて我慢の限界になります。そうすると何も考えられなくなります。
それで耐え切れなくなり万引きをしてしまいます。

万引きをすることで達成感というか、ちょっとした気持ちよさがあります。それがストレス発散になり少し落ち着きます。

この瞬間だけすごく落ち着くのですが、また日常の苦しみが始まり、だんだんイライラや苦しみが溜まっていきます。

「なんで自分は盗んでしまったのだろう」と自己肯定感も下がります。
人に迷惑をかけてしまい、盗まれた人をかわいそうだという罪悪感も覚えます。

そうするとどんどん自分を責めていき、またストレスが溜まり、それが我慢の限界を超えるとまた万引きしてしまいます。

これをぐるぐると回ってしまうのが依存症たる所以です。
このサイクルが出来上がってしまうのです。

何も問題のない依存症の人はおらず、やはり日常の問題があります。
ですから、このサイクルに対して日常からストレスや問題がどんどん補充されていきます。

でも多くの人は日常のストレスがあるではないかと言うかもしれません。
多くの人はどのような形で発散しているかというと、趣味、人に相談するといったことで発散します。

このようなことが苦手な人、趣味が少ない、友達を作るのが苦手、自分の気持ちを誰かに伝えて肯定してもらうといった経験が少ない人は、どんどんこのサイクルにはまってしまい、万引き依存症のようになってしまうことがあります。

窃盗症の特徴

・女性に多い
万引き依存症は男性よりも女性に多いです。意外だと思います。
泥棒というと男性のイメージですが女性に多いです。

・衝動性
衝動を抑えられない病気でもあるので、隠れ発達障害の人や発達障害の人が多かったりします。
境界性パーソナリティ障害など他の診断をされていて、発達障害が隠れているケースもあります。うつ病、躁うつ病と診断されていても実は発達障害だったというケースも結構あります。

・我慢しすぎ
万引き依存は「我慢」の病気です。
我慢をしているから発散を求めてしまいますが、発散をするのが下手なのです。
我慢が下手で発散が上手い人、ちゃらんぽらんな人は別に良いのです。

我慢をよくしてしまう人といえば、他の病気だと強迫性障害の人は我慢をしやすい人です。常に火元を確認しなければいけない、手を洗わなければいけない、といったことは我慢でもあります。
手を洗うなど強迫行為をした瞬間だけはホッとしますが、基本的にはまた自分を責めてしまって「ああ、不安だ」となってしまいます。

治療

・薬?<カウンセリング
薬物治療もなくはないです。発達障害の治療や強迫性障害の治療など、薬が効くこともありますが、薬というよりはカウンセリングが重要です。

認知行動療法(CBT)をやる場合もありますし、力動的精神療法をやることもあります。
基本的には依存症なので、依存症プログラムのようなことをやるのが良いと思います。

・「叱る」のではなく「治療対象」
自己肯定感が低いので、「ダメなんだ!」と怒ると治療はうまくいきません。
ますます自分を責めてまたストレスを溜めていくので、怒るのではなく治療対象として客観的に扱った方が良いと言われています。

叱るのではなく「罰」を与えるということはあります。ペナルティです。
万引きした場合は、本人にとって苦しいこと、ペナルティを課す。例えば自分で謝りに行かせる、お金を払いに行かせるといったことをさせます。これは叱るのとは違い、治療行為として行います。
嫌な思いをすることで、万引きは嫌なことだと体に教え込ませるために、あなたを愛していないのではないということをきちんと説明した上でやることが重要です。

一番悪いのは、「お前のせいで、俺のメンツが潰れただろう」と旦那さんや親が怒ることです。

手帳による認知行動療法

これはどのような治療かというと、
やりたくなったら「△」
やってしまったら「×」
何も思わず無事に過ごしたら「○」
を手帳に付けます。

そうすると、自分の中でストレスがいつ溜まっているのか、どのような時にやってしまうのかを客観的に見えるようになってくる。
1ヵ月のうち、月末になると忙しくなってやってしまう、などがわかりますので大事です。
客観的に見えることで自分でも注意しやすくなります。

△や○の日にはこのような日記を付けるのも良いです。

・いつ:12月8日
・どこで:コンビニ
・どんなきっかけ:レジが外国の方
・どういう気持ち?:もういいか…、バレないから大丈夫だろう
・翌日どう思った?:やってしまった、自分を信じられない
・原因は?:朝に夫とケンカ
・対策は?:夫とケンカした日はコンビニへ寄らない

このような日記をつけていくことで、言語化能力や客観視する能力、先を見通す能力を高めていきます。

窃盗性の人は言葉にするのが苦手だったり、今の生活に絶望感があり、盗む瞬間だけが光が差すような感じになります。それ以外は雲がかかったような暗いところにいて、盗む瞬間やその前後だけがパッと開ける感じがあります。そのため刹那的な生き方になってしまいます。

刹那的な生き方にならないように、記録をつけていくようにすることが重要です。
記録をつけるのが好きな人も多く、×を付けないことに夢中になることもあるので、このような治療は有効かと思います。

それから先ほど言い忘れたのですが、摂食障害(拒食症、過食嘔吐)の人で万引きをしてしまう人は結構います。
過食嘔吐も我慢をし続けている病気ですので、我慢の限界が来るとやってしまうというのはあります。

人間は我慢をし続けられません。
我慢できる量は有限なので、できるだけ楽しくふわふわと生きるのが良いのではないかと思います。

このような人は真面目に頑張りすぎていることが多いので、頑張りすぎていることを減らしてあげるのが治療となります。

と言いつつ、僕はクレプトマニアの治療の専門ではありませんのでご了承ください。
自分の経験、学んだこと、教科書などからまとめて解説しました。


2021.12.17

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