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治癒の4パターンを解説します

01:09 回復し、元に戻る
02:04 心的外傷と共存~風化する
03:36 特性・障害を受け入れ、柔軟に対応する
04:41 病気・障害を否定し、成長・克服する

本日は「治癒(良くなったとき)のイメージ」というテーマでお話します。

治療に大事なことは、診断、服薬、環境調整、福祉などのほか、患者さん自身が行うこととして、心身を整える、心地良い人間関係を作る、知識(概念)を身に付けることがあります。
患者さん自身が治療において行わなければいけないことは別の動画に撮っていますので、そちらを観ていただければと思います。

今回は、そうした治療をした結果どこを目指すのか、治療ではなく治癒について語ってみます。
4つのパターンを考えました。

回復し、元に戻る

1つ目は、回復して元へ戻る、というパターンです。
時間はかかるのですが元のレールへ戻っていくような治癒のイメージです。
これは風邪を引いて良くなっていくのに似ています。

例えば適応障害であれば、休息によって良くなります。
時間はかかりますが元のレールに戻ることもあります。
うつ病、双極性障害、統合失調症などは、薬を飲んで休むことで急性期が終わり、元の水準に戻ることは良くあります。

こうした病気は、精神科の中でも元のレールへ戻る、という治療のイメージを持ちやすいです。
ただ、これは精神科の中では例外的です。
どちらかというと、病気とどう共存していくか、ということが重要だったりします。

心的外傷と共存~風化する

例えば心的外傷(トラウマ)がある人は、そのトラウマと共存しつつ、風化するのを待つ必要があります。

依存症、強迫性障害、不安を感じやすい人という報酬系の問題の場合、記憶をいかに忘れていくか、ということがポイントです。
何かをきっかけに思い出してしまう、記憶の連想ゲームが始まるので思い出さないようにしていく、思い出したとしてもそれに支配されないということが重要です。

僕もお酒を週7で飲んでいましたが、今は飲まなくなりました。
そろそろ2年経ちます。
お酒は完全にやめましたが、やはり飲みたいです。
あのとき楽しかった、美味しかったという記憶はありますが、いやいやそれは良くないんだ、お酒を飲んだら体調が悪くなる、疲れる、健康に良くないから止めようと止めています。

そういう風に、こうしたい、これが怖い、これが不安だということは出てきますが、抑えて距離をとることが重要です。

特性・障害を受け入れ、柔軟に対応する

次は特性や障害を受け入れて柔軟に対応する、ということです。
イメージしやすいのは高血圧です。
精神科の場合は、発達障害や境界知能があると思います。

自分の「特性」というものがあります。
苦手なこと、ある種の弱点があります。
その弱点がゆえにストレスを感じやすい、困難を感じやすい、生きることの辛さがあります。

これは特性を受け入れ、苦手なことが目立たないように生きていくことが重要です。
場合によっては、病気があるがゆえになかなか働けない人が一定数います。
生活保護を取ったり、福祉のお世話になる人もいます。
特性を理解して柔軟に対応することが治療の中では重要だったりします。

病気・障害を否定し、成長・克服する

4番目は、病気・障害を否定し、成長・克服していく、ということです。

これを皆さん目指すわけです。
自分の病気を否定し、成長し、良くなっていく、自分の病気を「これは甘えなんだ」と否定し「頑張って強くなるんだ」と思うかもしれません。
これも一つの治療のイメージとしてありますが、一般的ではありません。
こういう形で良くなっていく人はそんなに多くはいません。

もちろん成長や克服は大切です。
知識を身に付ける、経験を積むことで自分の弱点を減らしていくことは重要です。
ただそのイメージだけに囚われると治療は上手く行かないし、苦しいのではないかと思います。

治癒はこういう4パターンありますが、これらのミックスです。
完全に元に戻ることは部分的にはあっても全部は難しく、成長によって克服することも部分的には可能でも全部ではありません。
ある部分では共存し、風化を待つということも重要だったりします。

成長し克服することだけに囚われず、どうやったら共存できるのか、自分が今やっていることは柔軟にできているかと考えることがとても大切です。

今回は治癒のイメージについて解説しました。

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患者さん自身がやることの動画


2022.3.24

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