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雑談:人の評価はあてにならない

00:00 OP
01:37 場所が変われば評価も変わる
04:04 人からの言葉
07:17 人はたくさんの要素で成り立っている
09:15 脳は本当に複雑

本日は「人の評価はあてにならない」というテーマで雑談をしようと思います。
自分が考えていることや思いついたことを、つらつらと語ってみようかなと思います。

この動画が出る頃にはYouTubeの登録者数が30万人を迎えていると思います。
30万人記念でアニメが上映されます。僕も30万人記念で何か動画を撮りたいなと思いながらも特に思いつきませんでした。思いつかなかったのでこのテーマで話をしようと思います。

YouTube30万人を超えて、色々な人から、主に患者さんですが、「すごいですね」と言ってもらえます。
僕のクリニックに通院して長い人は、もう7、8年の付き合いです。
「いや、こんな伸びると思いませんでした」「益田先生、また変なことを始めて失敗するんじゃないかなと思ってましたけど、今回はうまくいきましたね」などと言ってくれたりします。
すごくありがたいなと思います。YouTubeは確かに評価されているんですよね。

場所が変われば評価も変わる

人の評価は当てにならないというのはどういう話かと言うと、まあ、これを見ている人の多くはYouTube上の僕しか知らないんですよね。
だから「良い先生だな」とか「明るいな」とか思うかもしれないですが、実際の僕はそんなに優秀でも何でもなく、評価も低いんですよ。
Googleの口コミは2.9です。
これを言うとまた口コミが下がると思いますが、周りのクリニックに比べたら決して高くもないのです。ちょっと低めみたいな感じです。
だから開業医としては並以下だったりします、意外と。

一生懸命やっているのですが、僕も言葉が足りなかったり、人付き合いの苦手さというか。
YouTube上では明るいですねと言われるのですが、診察はこんなに明るくありません。
確かにちょっと暗いというか、ボソボソというか、隠キャみたいなところはあります。

それから、僕は昔自衛隊にいました。防衛医大出身で、自衛隊にいて、自衛隊を辞めて、開業してYouTubeを始めたということなのですが、自衛隊時代は開業医としてよりも評価は低いと思いますね。

だから人の評価というのはどういうことなのかなと思います。
場所が変われば全然違います。

自分自身も成長したというのはもちろんありますが、別に急激に成長したとは実は思っていなくて、自分はそんなに変わらない。
変わらずゆっくり成長してきた。同じような感じで成長してきたつもりですが、評価が全然違うなと。
逆にYouTubeを始める前は、こんなに違うということがわかりませんでした。
体感して本当によくわかります。

YouTubeよりも自衛隊の時、YouTubeよりも開業医としての方が頑張っている。
自分の10代、20代、つぶしてまで自衛隊にちゃんといましたから、こちらの方が頑張っていたのですが、実際の評価は違うなと思います。

人からの言葉

そういう僕なのですが、「益田は〇〇だから」などと言われて、色々な人から色々な評価をいただいたりしましたし、特徴を教えてもらったりしました。
でもすごく役に立ったかというと、振り返ってみるとそんなにも当たっていなかったなという気はします。

良いことを言ってくれたなと思いますが、人間はたくさんの要素があります。多様なんですよね。
その人がどの側面を見ているかによって違うし、どの部分を注意しているのかによっても違う。
多くの人は自分の欲望込みで相手を評価するので、僕の本質を突いてくれたことは多いのか少ないのか、よくわかりません。

外されていたことも多いなと思いますね。
それで無駄に傷ついたり落ち込んだりすることもありました。
でも逆に自分も相手のことを自分の感情込みで評価して、傷つけたこともあったんだろうなと、そういうことはよく考えます。
夜中に思い出しては、「うー」となったり恥ずかしくなったりします。みんなと一緒ですね。

とは言いつつ、ASDの人はやっぱり良いところを突くなと思います。
患者さんでもASDの人は歯に衣を着せぬというか、スパッと言ってくれるので本質を突いてくれることが多いです。
一瞬こちらの嫌なこと言われてイラっとしてしまうこともありますが、本質を突いてくれてるなというところもあるかなと思います。

とは言いつつ、人のアドバイスがまったく無駄だったというわけではありません。
例えばテキストの書き方、僕の処方の仕方、自衛隊の時だったらレスリング部だったのでタックルの仕方はこれはこうだねとか。

細かくしていけば、人のアドバイスは役に立つものに変わっていくのですが、もっと漠然とした「人格」などになるとあてにならないなと。

逆にアドバイスをもらいたいときは、もっと細かく限定していく方が良いです。
自分はこういう風に考えて、これに困っているけれど、こういう風にした方が良いのか、こっちにした方が良いのか、どう思いますかとか、そういう風にします。

あとは、自分を客観視するのがやっぱり一番当たっているなと思いますね。
自分を俯瞰的に見ている時が一番良いというか、一番的を得ているというか。
自分のこと以上に自分のことを知っている人はあまりいないので、精神科医になっていろいろな患者さんを診察して、精神科医の仲間もできていく中で常々思いますが、結局は自分のことは自分がよく知っているというのは本当にそう思います。
臨床をしていて、本当にそう思います。

人はたくさんの要素で成り立っている

これは雑談なので思いつくままに喋りますが、人はたくさんの要素で成り立っています。
多様な機能があるので理解することは困難です。

「東京」を理解しろと言っているのと一緒です。
東京も色々な要素があって、色々な機能がありますよね。
色々なお店もあるし、色々な建物も建っている。
新宿と池袋は近いですが全然違う。新宿と東京駅、全然違いますよね。
ちょっとずれるだけでも全然違う顔を見せるし、違う機能を持つ。

東京といえば何かと言ったら、一言で言うのは難しいです。
ラーメン屋さんが一番多い街とも言えるし、日本の首都とも言えるし、経済の拠点とも言えるし、色々な言い方ができる。

人間も同じです。
しかも人間は東京よりもたくさんの機能を持っていますから、一言で表せと言っても、なかなか説明はできないし、表現できません。

そして、人間というのはたくさんの人間関係の要素によって決まります。
だから人間関係が変われば、人の評価は変わります。

あとは環境ですね。環境が変われば評価も変わります。
ライバルによっても変わります。どういうライバルがいるのか、レッドオーシャンなのかブルーオーシャンなのかによっても評価は全然変わると思います。
自分単体ではなく、相手の存在も含めて評価は変わってくるという側面があります。

とても複雑なので言い表すことはできないし、こんな難しいものは評価できないんですよ。
あてにならないというか表現できないから、それはそうだなとは思います。

だから「私ってダメな奴なんでしょうか」というと、どの面がダメなのかがよくわからないというか。もうちょっと狭めていくとダメな部分が出てくるかもしれないけれど、全体としてダメかどうかというのはよくわかりません。

脳は本当に複雑

よくわからないつながりで話をすると、人間の脳には1280億のニューロン(神経細胞)があります。
1つの神経細胞は1000くらい繋がっていて、500兆以上のニューロンの結合があります。
これはバレット博士の脳科学教室からちょっと見つけてきました。

ですから、脳みそを人工知能で表現しようと思ったら、少なくとも500兆以上のパラメータが必要になってきます。

神経細胞同士のつながりによって1つの変化が起きるし、神経細胞の1つ1つのつながりの中にセロトニン、ドパミンなどの神経細胞が飛び交うし、受容体もいくつかあります。
とても複雑なもので、非常にたくさんのパラメータとデータから成り立つのが脳です。
ですから脳みそを表現するというのはとても難しいです。

だから人の評価は当てにならないというのもあるし、精神科医がその患者さんの脳の中のどこまでを理解しているのか、どこまで今後表現できるのかというと、言語では表現できないということがよくわかります。

それでも少しずつ知見が積み重なっていますし、何をしてあげられるのかというのも積み重なってます。
決して当てにならないし、表現できないものかもしれないけれど、人間の認知は超えてしまっています。
将来的には科学がすごく進んで、脳科学はAIが解き明かせる時代が来るかもしれないけれど、そうなっても人間の意識では把握できない問題なんだろうなと思います。

ましてやそれ以上のたくさんの脳がつながって、人間関係、環境、そういうものを把握するのは人間の理性というか、認知を超えているのですが、その中でも患者さんのために何ができるのか、どういうことがわかっているのかを提供するというのは精神医療なんだろうなと思います。

でも当てにならない部分もたくさんありますから、人の評価なんて。
気にせずにやっていくということです。
精神科医療も全部が正しいわけではありませんが、できるだけ正しいものを提供しているというのが僕らなのかなと思いますね。

こんな感じで、人の評価はアテにならない、というテーマで思いつくまま喋ってみました。


2022.6.21

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