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雑談:益田裕介の思い出語り

00:00 OP
01:02 普通の暮らしをしている
03:50 僕の好きなもの
06:11 「父」的なもの
07:06 思春期~自衛隊
09:15 何とか今を生きている

本日は雑談をさせてください。
自分語りを少しさせてもらおうかなと思います。

この動画と前後するかもしれないですが、ちょくちょく取材があります。
この動画が出る頃には言えると思いますが、ラジオに呼ばれたりなどあるので、ちょっと自分自身を振り返ろうかなと思います。
「益田先生はどういう人なんですか?」とたぶん聞かれると思うので、その話をするために、自分自身のことを振り返らせてください。

普通の暮らしをしている

僕は基本的には家と病院の往復しかしていません。
病院と自宅の往復しかしていなくて、別にそれでいいと僕は思っています。
それは格好付けではなくて、本当にそれでいいと実は思っていて、それ以上でもそれ以下でもないなと思ってます。

家の中は結構平和でして、それは別に奥さんと子どもたちとの間が平和というだけではなく、本当に実家の方も平和なんです。

親族みんな医者とかそういうわけではなく普通の家なのですが、自慢話をすると、僕が優秀だったという感じで、他はみんな普通で、だから普通の幸せがあるのです。
サザエさん家やちびまる子ちゃん家、クレヨンしんちゃん家みたいな感じです。
そういう平凡だけど平和な家と病院をただ往復しているという感じです。

病院だってただの町医者ですから、華やかな世界や社会ではなく、ただ傷ついている人、ただ怒っている人たちがただ来て、普通の平凡な本当に誰でも出来るような臨床、益田裕介じゃないとできない診療は何もしていなくて、ただ平凡な治療をやっているという感じです。

ただ平凡な治療だけをやって、また家に帰って穏やかに過ごして、また平凡な治療をしているという、そんなに面白い生活はしていないです。
そこにYouTubeが絡んでいたりして、人によっては華やかに見えるかもしれないですけど、僕個人としてはそういう思いはないです。

益田はYouTubeで有名人だから有名人の人やお金持ちだけ相手にしているのではないか、そういうファンタジーをもしかしたら地方の人や、このYouTubeを見ている医学生や今の高校生はそう思うかもしれないけれど、そんなことも全然なくて、本当に普通の人たちを普通にただ診ています。

やはり入院が必要な人や難しい人たちはクリニックでは診られないから、大きい病院にお願いしたりしています。
本当にそんな感じです。研究もしていないし。そういう感じです。

僕の好きなもの

僕個人のことを考えてみたときに、僕が好きなものは何かというと、まず一番に出てくるのはフロイトなんです。
何で僕はこんなにフロイトのことを好きなんだろうと思うと、僕は理論が好きというよりは、その時代というか、フロイトの人生というか、あの世界が好きです。
好きというか、興味があります。

フロイトという人が持っていた野心、これから新しく科学が出来上がっていく感じ、そして哲学や文学が花開いていったような19世紀の終わり、20世紀初頭の世界が面白いなと思います。
最後に第一次世界大戦があって、その後に第二次世界大戦が始まるところで、フロイトは国を追われてイギリスに行って亡くなるのですが、そこまでの流れというのが面白いです。
そこにある失敗や、人類の何でこんなことになってしまうんだろうというものが、やはり僕は好きです。

その当時のファッションの感じも好きなんですけど、と言いつつ僕は別にああいうスーツは買わないですし、普段の服装はめちゃくちゃカジュアルですが、でもそういうのはあります。
ヨーロッパの文学だったり小説だったりも結構好きです。

次に好きなものといったら、やはり村上春樹です。
村上春樹の小説、村上春樹が父親に向けた思い、つまり父親世代の人たちが戦争に行ってきた、日本というのが戦争に向かっていて、そして負けてしまっているということ。
そしてその父らは語っていないということ、全共闘を自分たちの世代が引き起こしたことの反省だったり、そこへの距離の取り方だったり、歯がゆい感じがすごく好きです。
村上春樹は好きだなと思います。

「父」的なもの

自分の父親、父的なものです。
カギ括弧付きの「父」ということにしますが、やはりバブルがあって、バブルの世界観、価値観、物質欲があって、憎いというよりは興味がある、腹を立てた時もありましたけど面白いなと思います。
そういう親に育てられましたから。

正確に言うと、豊かじゃなくなった。親たちがなんか豊かだったけれど、だんだん自分たちは豊かじゃなくなったという下り坂で育てられたところがあり、本当に過去の黄金大陸みたいなものを感じながら生活しています。

思春期~自衛隊

僕自身が思春期に入ったのは90年代からです。僕は30代の終わりなので、90年代ぐらいから意識が出てくるのですが、やはり少年犯罪やオウム、うつ病という言葉が広がってきたり、そういうところに自分の最初のアイデンティティはあるなという気がします。

中高時代は、少年犯罪、オウム、うつ病、そういう言葉を知ったときにぐっとフロイトの方に入っていくので、バックトゥザフューチャーというか、ここからこっちに行くので、実は僕はこのITの世界のこととか知らないまま育ちます。

中高時代は本を読んだりするのが好きでしたし、その後自衛隊に入りました。防衛医大に入ると、インターネットを使ってもいいのですが、基本的にはあまり好ましいものではないというか、SNSは禁止ではないけれどあまり好ましいものとはその当時は言われていなくて、ブログなどあまり書くもんじゃないとか。

本当に不思議なんです、そういうところで育ったので、僕の興味関心というのは、ずっとフロイトや村上春樹の世界にあり、ましてや自衛隊にいたので戦争ということに興味があったまま、そして自衛隊の中の組織、暴力としての戦争ではなくて、組織葛藤としての戦争に理解は変わっていくのです。

それは防衛医大というか自衛隊というか、大きい組織の中の、戦争をしないけれど軍隊らしい組織の中にいる中で、そこで働くことの難しさや困惑をすごく感じたりすると、戦争はしていないけれど人間の本質がすごく見えていたというか、そこから弾き出されてしまったというか、そういうのがあります。

何とか今を生きている

弾き出されて精神分析をするのかというと、そういうわけにもいかず、過去の世界というよりはITの世界を利用しながら、何とか今を生きなきゃいけないな、と思って生きているという感じです。

でも本質的には、このITの世界やSNSの世界には僕はあまり興味がなくて、やはり(ホワイトボードの)赤い世界に興味があるという感じです。

こうやって赤い世界に興味を持ちながら今臨床していく中で、全員を巻き込むような争いというのは起きていなくて、でも患者さんたちは世界が壊れていく感じの恐怖というか、そういうものは持っているんじゃないかなと時々思います。

というか、僕らや僕らより上の世代の人達は、まだまだ新しい世界というものに価値観や思考はシフトしていなくて、まだ全員を巻き込むような争いが起きるんじゃないか、争いが起こりつつあるんじゃないか、というようなファンタジーに入っているような気がします。
でも実際はそうじゃないところに今も起きつつあるんだろうなと思っています。

あとは隠れていて見えていないのですが、氷河期世代の人たち、ちょっと上ですが、孤独な40代、独身の40代の人たちに対してはすごくシンパシーがあります。
やはり狭間の世代というか、時代に乗り遅れた感じ、僕らよりも若い人たちがITの世界、SNSの世界を駆使してうまく価値観を生み出そうとしている中、自分たちは何か間に挟まれている感じがするなと思います。

本当にそういう風に思います。
やはりフロイトの良さというのもあるし、でもフロイトの失敗はすごく分かります。
これからやってやるんだみたいなところから、人間の愚かさをガツンとやられた。
戦争ということで人間の愚かさを知らしめられたという感じ。

そしてそれが親の世代だけでなく自分たち世代でも、またサイズダウンして失敗を犯してしまった村上春樹の世代、そしてバブルの世代。
でも僕らが生きていた時にはもっとスケールダウンして少年犯罪とオウムとうつ病、何かすごく人間の矮小さというか、生々しいというよりは、そのまんま感というか、露骨感というか、演出なしのリアリティというか、そういうところにあって、まあ演出なしだから人間という感じです。
人間、動物、動物未満みたいな、ただの毛のない猿みたいな僕らの時が来て、毛のない猿からバーチャリティな猿に変わっていきます。
何か面白いなと思います。

神と人間の世界から人間中心のフロイトたちの世界、そして人間から動物に変わっていくような、人間という名の動物、そして僕ら、毛のない猿みたいな、そしてバーチャリティの人間たちの世界に変わっていく、面白いなと思います。
そんな感じです。

なんの話やという感じですが、でもそうなんです。
だからやはり面白いし、何か古臭い感じが僕にはあるんだろうなと思います。
そして新しい世界には何か馴染めない感じ、その疎外感も含めて皆さんの共感を呼ぶのかもしれないし、魅力に見えている部分なのかなとも思います。

ということで、今回は雑談として自分のことを振り返って考えたり語ってみました。
これを利用してまたどこかで自己紹介しようかなと思います。


2022.9.18

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