今日は金曜日です。
金曜日は、自己啓発本に書いてあるような内容を精神科医目線で解説する、という企画をやっています。
今日は「お金持ちになる方法」です。
よくビジネス書などに載っていますし、みんな好きな話題です。
お金持ちになる方法、これをテーマに精神科医目線で語ってみます。
コンテンツ
誰が一番お金持ち?
・サラリーマン
・個人事業主
・ビジネスオーナー(経営者)
・資本家
この4つに分けて誰が一番お金持ちかという話です。
「金持ち父さん 貧乏父さん」の有名な図ですが、基本的には雇われている状態、サラリーマンの状態ではなかなかお金持ちになることは難しいです。
なれたとしても極少数ということです。
サラリーマンをやるよりは、同じ能力だったら個人事業主の方が稼げますが、個人事業主でも自分の体を売ってリスクをとって稼いでいるだけなので、やはりまだまだ大きく稼げません。
労働力は自分の体だけですから。
あと、プラスαで少人数雇っているだけなので。
やはりビジネスを作って多くの人を雇って一気に稼ぐ、という方がお金持ちになれます。
人を雇うよりも、お金に働いてもらう人の方がお金持ちになりやすいです。
これは、r > g というもの、ピケティという人が言った理論というかデータです。
資本家が得る収入の方が、労働者が得た収入よりも多いというデータです。
歴史の文献とか色々なものを含めて、データを紐解いて見つけたということです。
でも直感的にわかりますよね?
お金持ちの人が新しくお金を貸したりしながらビジネスで儲けるときに、自分が損することをしたくないじゃないですか。
だからだいたいお金持ちの人がお金を貸すなら、自分が得するように作りたいですよね。
そういうことになるかなと思います。
何のためにお金持ちになる?
お金持ちになろうと思ったら、基本的にはサラリーマンでお金を貯めながら個人事業主をやり、個人事業主になってからビジネスオーナー、人を雇って一気に稼いで、どんどんお金でお金を増やすように資本を買っていくのがいい、ということになります。
と言いつつ、なかなか一代でそれを成立させるのは難しくて基本ムリゲーなんです。
精神科の患者さんにもビジネスオーナーの方や、資本家の方で通院されている方などたくさんいらっしゃいます。
診察室の中でのやりとりや会話の中からいつも思うのですが、何のためにお金を使うかというのも、ビジネスオーナーや資本家によっても違います。
すいません、ちょっと話が混乱したのですけれども、僕がここで何が言いたいかというと、皆さんは漠然とお金持ちになりたい、お金持ちになったらいいのになと思うかもしれませんが、リアルにお金持ちの人と接すると、何のためにお金持ちになる必要があるんだろう、と発想が変わると思います。
ビジネスオーナーの場合
ビジネスオーナーの場合はどうやってお金持ちになるのかというと、リスクの高い仕事をする。
かつ、利益率が高い仕事をする。
失敗する可能性も高いですが、利益率が高い仕事をすれば、何回かやったら成功したときに元を返せるわけです。
もしくは、リスクが低い仕事で利益率が低い仕事をする。
ビジネスとして出来上がっていて新規参入は難しいけれど、真面目にコツコツやれば儲かるビジネスをする。
この二択なんです。
現実的には、これの上手いハイブリッドだったり、リスクが低くてかつ利益が高いものを探そうとしますが、なかなかそういうものに出会うとか見つける機会はありません。
だいたいはここのバランスの中で見つけてうまくやることになります。
資本家の場合
資本家の人も同じで、リスクの高い金融商品を買って利益率を上げていくパターンなのか、リスクが低い金融商品を買って、利益率は低いけれども少しずつ儲けるのか、ということを選びます。
ここら辺は性格によります。
リスクを取るのが好きな人もいれば嫌いな人もいます。
多くの患者さんはリスクが低いものを好む傾向があります。
そもそも資本家の人はだいたいこちらです。
リスクが低くて利益率が低いものを選びます。
そもそも資本がもうあるから、使いきれないから、別にゆっくり増えるので構わないのです。
わざわざリスクを冒してまで増やしていきたいと思う人は少なかったりします。
僕の経験上、そんな感じです。
ゲームと一緒
やはりお金持ちになろうと思ったら、結局この数字のゲームに色々なリソースを注ぎ込まなければいけないです。
競争なので、ゲームと一緒です。
ゲームをやれば、本当にリソースを注ぎ込まないとオンライン対戦に勝てません。
それと同じで、いかにお金の勝負、お金のゲーム、数字のゲームにリソースを注ぎ込めるかということになります。
楽して儲けるということは基本的には無理、ということになります。
お金持ちになってどうするの?
では、そもそもお金持ちになってどうするんですか、というのは考えていないことが多く、衣食住、どんな服を買いたいの? どんな服着たいの? その服を着てどうするの?
コレクターの人や服道楽の人もいますが。
じゃあ実際どれぐらいの生活をしたいの?
食べ物についても、どんなものを食べたいの?
毎日御馳走なんか食べられないし、食べる人もいますが健康を害する問題もある。
あと、住むところです。
どこに住みたいのか、港区に住みたいんですか、地方だけど広いところに住みたいのか。
あと、旅行の問題
色々なところ行きたいですか、宇宙へ行きたいですか。
あと、だいたいSNS自慢ばかりしています、お金持ちの人は。
アクティブな陽キャみたいな人は。
何のためにそんなことするの? みたいなこともありますが、色々なやり方があるのかなと。
色々あるなとは思いますが、これも個人の趣味の問題だったりします。
でも意外と使うものはないんだよ、というのも考えてみるとわかるのですが、なかなかそんな気持ちになれません。
なぜお金が欲しいのか?
なぜお金が欲しいのかというと、多くの人は、
「働きたくない」
「将来が不安で」
「子どものために」
などと言います。
あとはやっぱりお金を稼ぐということは「成功者の証」だったりします。
親の教えが厳しかった、親が金を稼げと言った、親が学歴を重視していた、色々な理由があり、そこにリベンジを果たすためにお金を稼ぎたい、など。
また劣等感を感じるから。
稼いでないとみんなから言われるんです。
周りから、お前はダメな奴だ、怠けてるんだ、と言われたりするので、言われたくないから稼ぎたい。
ちょっと特殊ですが、お金を稼ぐということに集中していれば、不安を感じなくて済む。
お金を稼ぐことに集中していれば、お金を稼げば幸せなんだからということで、今の自分の不幸の理由を考えずに済むんじゃないか、というパターンもあったりするのかなと思います。
臨床をしていく中で、お金持ちになりたいんですと言ったときに、何でですかという話になったときには、リスクと利益のバランスも基礎知識として知る必要がありますが、どちらかというと理由の話になります。
金曜日は自己啓発の話をすると言ったけれど、自己啓発の話は精神科医ではしにくく、どちらかというと内的な理由の話題になります。
もちろん僕だってお金が必要だし、お金があればもっと違った人生も送れたんだろうなと思いつつ、ただ心の平和とは何なのかというとそれだけではなかったりします。
何かフワフワ喋ってしまいましたが、働きたくないということは、ある意味仕事の中で主体性を発揮できていない、対人不安やストレスがあるということなのかな。
将来が不安とか子どもに教育をしてあげたいというのは、ある種の諦観というものが手に入ってないのかな。
劣等感の問題があるということは、自己受容やトラウマの問題があるのかな、と色々な考えたりします。
「いやでも益田、そういうこと言うけれど、お前は分かってないんだよ。本当の貧困を」と言うと思います。
まあそうだなと思います。
我々は飢餓の問題を克服しつつありますし、家だって余っています。
空き家も今問題になっているし、洋服も昔と違ってすぐ大量に作れるわけです。
衣食住の問題は解決しつつあるのに、タダに近くなるというか、本来だったら安く済むものなのに、なぜ我々はこんなに貧困の問題が出ているんだろうというのは、何でなんでしょう。
経済的に考えるとか、具体的に数値をもって考えるというのとは別に、もっと抽象的に考えていくとよくわからなくなってきます。
我々が貧乏でいるということにすることで、世の中を統治しやすくしているんじゃないか、という陰謀論まで考えたくなりますが。
でも実際はそんな単純な話でもなく、何かそうなってしまっているという、人間の何かよくわからない社会システムというか、本能というか、そういう動きなのかなとか思ったりします。
多くの人はサラリーマンとして働きたくないと思っていて、だからお金があって、労働から解放されたいと思っているのかな、という気もします。よくわかります。
でも労働から解放されても、やはり孤独の問題などが出てくるし、何もしないわけにもいかないので、何かしらの形で社会とコミットして働くということが必要だったりします。
もう少し柔軟に今の働き方や、もし自分がすごいお金があったときにどんな働き方をしたいのかなど、色々なことを考えるのがいいんじゃないかなと思います。
お金持ちになる方法はどうしたらいいのかというと、ビジネスオーナーや資本家を目指していく、そして数字のゲームに集中していく、ということだと思います。
ただ、その数字のゲームになぜ集中したいのか、集中せざるを得ないのか。
ゴールは関係なしに数字を増やしたいのか。
そう考えていくときに、やはり精神の問題というのは出てくる。
あなたの生い立ちの問題、自分の悩みの問題に直面していくんじゃないかな、という風に思います。
自己啓発
2022.9.20