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マインドコントロールされやすい人の特徴

00:00 OP
00:41 人間の脳
02:00 ズレからの回避を選ぶ人
03:38 理想化してだまされに行く
04:46 マインドコントロールされやすい人
06:43 個人情報の悪用

本日は「マインドコントロールされやすい人の特徴」というテーマでお話しします。

マインドコントロールを受けやすい人のメカニズムということなんですが、それはどういうことかというと、まず人間の脳の仕組みから話をしましょう。

人間の脳

最近考えられているのは、脳というのは常に活動し続けていて、現実世界を予測し続けているということです。
頭の中でバーチャルリアリティの世界を作っているんです。

現実があって、バーチャルリアリティの世界がある。
現実とのズレを知覚しながら意思決定したり、認知を変えたりしているんです。

バーチャルリアリティの世界はどういう風に作られているかというと、生い立ちです。
記憶、経験、知識によって作られていて、プラス遺伝的な影響を受けながらバーチャルリアリティの世界というのは作られています。

遺伝子を元に脳細胞が作られて脳ができます。
それがハードウェアみたいなものなので、そこに記憶、生い立ちの記憶や経験、学習したもの、OSをインストールしてバーチャルリアリティの世界を作ってる、と。

そして、そのバーチャルリアリティの世界と現実とのズレを感じながら次の行動を決めたり、バーチャルリアリティの世界を修正して、ズレがないように正確に予測できるようにしたりする。
そういうことを脳内はやっているわけです。

ズレからの回避を選ぶ人

ということは、脳内のバーチャルリアリティの世界は常に正しいことをやってるとは限りません。
どちらかというと現実をそのままトレースできないので、ズレが多いんです。

ズレた場合どうするのかというと、ズレを行動によって解決していくか、もしくは認知を修正していく、バーチャルリアリティの世界を現実に合わせていくという行動が求められるんです。

だけどそれをせずに回避とか暗示を選んでしまう人は、マインドコントロールされやすいです。
つまり、問題があってズレがあっても、ズレから逃げてしまう。
逃げて自分にとって心地の良い現実だけ選ぶ場合、ズレがあっても「ズレは起きていないんだ」と自分に暗示をかけてしまう場合があります。
現実を否認してしまうということです。

そんなことしないよと思うかもしれないけれどよくやります。
「酸っぱい葡萄」みたいなもんです、イソップ童話に出てくる。
ブドウを食べたいなと思っても届かない場合「あれはまずいブドウだったんだ。だから僕は欲しくなかったんだ」と自己暗示をかけることによって、悔しさ、ブドウが手に入らなかったズレを流すようにしている。

そうやって問題を回避したり安住を選ぶと、やはりマインドコントロールされやすい人になるのかなと思います。自分から洗脳されに行くという形で。
相手の問題もあるんだけど、こちら側の問題でもあるんです。

理想化してだまされに行く

人間というのはそもそも従いたいという欲望があるんです。
人間というのは群れで生きているので、リーダーシップがある人、力が強いもの、お父さん的なもの、お母さん的なものに従いたいという抗いがたい本能があるんです。

でも従えた方がいい人間はそんなにいないんです。
自分より優れた人間というのは基本的にはいないんです。
自分より劣った人間もいないけど、自分より優れている人もあまりいないです。

多少は差はあるんだけれども、俯瞰的に見るとどんぐりの背比べみたいなところがどうしてもあって、だけどその中でも序列をつくらなきゃいけないからということで、人間の本能的にリーダーの人を理想化してしまうところがあるんです。

理想化して、自分から騙されに行くというところがあるんだけど、それが常識の範囲内であれば問題ないんだけども、それが行き過ぎてしまうと、病的になってしまうと、やはりマインドコントロールという問題なのかなと思います。

マインドコントロールされやすい人

じゃあ、マインドコントロールされやすい人はどういう人かというと、まずそもそもズレが大きい人です。

自分の中のバーチャルリアリティと現実とのズレが大きい場合は、やはり回避や暗示を選ぶ機会が増えてしまうので、こういう問題が起きるかなと思います。

ズレが大きいということは、例えば生い立ちの問題がある場合、生い立ちに不幸がある場合、不幸や不運が重なっている人というのはやはり暗示されやすい。理想化して自分を洗脳しやすいということがあります。

生い立ちが不幸ではなくても、柔軟性の乏しい教育を受けてきた人、教育的虐待や詰め込み式の教育を受けてきた人、自分で考えて決断するという機会が少なかった人は、やはり洗脳されやすいことがあるなと思います。

あと、知的能力の問題や特性の問題があります。
理想化しやすい心理的特性がある、興味の偏りなどがある発達障害的な問題、境界知能、知的な問題がある場合は、やはり現実とズレが起きやすいですから、その結果、回避、暗示を選ぶことも多いんじゃないかなと思います。

解決や認知の修正が苦手な人というのも回避、暗示を選びやすいです。
特にプライドを優先させる人、自分のプライドを優先させたり、権威主義の人は暗示を好むことが多いかなと思います。

自分のプライドを曲げる、自分の認知を変えていく、自分で行動していくということよりも、自分を守ることを優先してしまう。
理想化が強いです、権威主義の人というのは。
そういうのもやはり回避、暗示を選ぶので、マインドコントロールされやすいということになるのかなと思います。

個人情報の悪用

このマインドコントロールの問題というのは社会的問題になっています。
マインドコントロールされやすい人というのはリストで売られてるんです、今問題なのは。

こういう人はどういう人かというと、ブランド品の売買、中古のブランド品を買ったり、ブランド品を中古ショップに売ったりする人、一度騙されたことがある人というのは顧客名簿としてデータとして残っていて、それが売買されてるんです。

裏で売買されたりするので個人情報が悪用されてしまって、広告を打たれて、またブランド品を買わされてしまう、というのがあります。
場合によっては詐欺のようなもの、情報商材みたいなものに遭うということも多くなったりしてます。

我々としてはマインドコントロールされないような工夫をすることが大事だし、されやすい人に注意喚起をするということも大事です。
こういう個人情報を悪用されないように、やはり法的整備を促していくのもとても重要なんじゃないかな、という風に思います。

今回は、マインドコントロールされやすい人の特徴というテーマでお話ししました。


2022.11.1

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