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怒ることをコントロールする方法、アンガーマネジメントの基礎

00:00 OP
00:54 怒ってしまう理由
05:44 脳内のサイクル
07:55 頭を柔らかくするには

本日は「怒ってしまう人、怒りやすい人」に向けて動画を撮っています。

すぐ怒っちゃうんです、カーッとなりやすいんです、という人は結構いると思いますが、治したいですよね。

僕も昔、すごい怒りっぽかったんです。自衛隊時代は結構怒りっぽかったです。
血の気が多かったということもありますが、何か怒りっぽかったですね。
すごくイライラしていたと思います。

今回はどうやったら怒らなくなるのか、怒りを減らすことができるのか、について語ってみます。
いつも通りのやり方で行きます。

怒ってしまう理由

現状は、怒ってしまう、イライラしやすい。
目標は、怒らないようになりたい、受け流せるようになりたい、ということですよね。

なぜ怒ってしまうのか、怒らないようになるにはどうしたらいいのか、ということを考えてみると、例えば、体調が悪い、疲れが溜っている時というのは怒りっぽいんです。

いつも急いでいる、焦ってる、疲れているとどうしても怒りっぽい。
優しいお母さんも、子どもがうるさくて子育てで疲れ果てていると、ついつい怒ってしまうわけです。
この場合は、きちんと休息を取るというような対応が必要なのかなと思います。

ただ、休んでも休んでも疲れが取れないということであれば、うつや適応障害を考えるというのが精神科らしいやり方です。

あとは、自分が正しいと思っているとき、相手が間違っていて自分は正しいと思っているときは頭にきやすいですし、自分の方が立場が上、「お前は部下だろう」「お前は年下だろう」「お前は俺の手下だろ」などと思ってるときは怒りっぽくなってしまうんです。

例えばお醤油をこぼしちゃった場合でも、上司には腹が立たないじゃないですか。
「いやいや、いいんですよ。気にしないでください」と言うけれども、これが部下や後輩だったらカチンとくるわけです。
「お前、何やってんねん?!」みたいなことが起きちゃう、と。

後は、相手が弱いときです。
相手が目上の人であっても、体がしょぼい、健康を害している、筋力がなさそう、あとは女性や子どもに対してはえらく出てしまう、怒りっぽくなってしまう、というのもあるんだろうなと思います。

これは人間の本能です。
本能として、やはり我慢しなくなるんです。
そういうときこそ、怒らないように気をつける方がいいんじゃないかなと思います。

あとはADH傾向です。
発達障害、ADH傾向があれば、衝動的にパッと怒ってしまう。
そそっかしい人、忘れ物が多い人、衝動的な人は気をつけてくださいということです。

あとは怒りっぽい精神疾患というと何かというと、強迫性障害で自分のルールを曲げられたとき、AS傾向があって自分のルールを曲げられたとき、アルコール依存やギャンブル依存で心身が疲弊しているとき、双極性障害の躁状態で怒りっぽくなっているとき、統合失調症の幻覚妄想状態で怒りっぽくなっているとき、自己愛性パーソナリティ障害で怒りっぽいなど色々あります。
あとは境界性パーソナリティ障害で白黒思考が強く怒りっぽいとかもあったりしますが、一般的にはここらへんが考えられるのかなと思います。

あとは怒りっぽいテーマってあると思うんです、人それぞれ。
『ここだけは譲れない』みたいなところもあるので、自己理解を進めて行って、どうしても猫については怒ってしまう、猫のこと、ペットの悪口を言われるとどうしてもそこは腹が立ってしまう、という人もいるかもしれない。

年老いた女性のことになると、母親を連想して、すごく怒ってしまう、そういう人たちを悪く言われて怒ってしまう、ということもあるかもしれないし、涙もろくなるとかもあるかもしれない。
その人なりのテーマがあったりするので、これも気を付けてもらったなと思います。

あとは気をつけるポイントとしては「超自我」です。
ルールとは何かというと超自我を指すのですが、超自我というものが自分の頭の中にあるんです。
それが乱されると腹が立つみたいなところがあるので、そこを意識する。

この超自我は何から出来ているかというと、親子関係です。
子どものときの親子関係から、そういう体験を通じて、自分の中の超自我、こだわり、ルールというのが出来上がるんです、常識とか。
過去の親子関係を紐解くというのも重要なテーマです。

親子関係のことを理解したり、自分なりの怒りっぽいテーマを知ることで自己理解を深めると、怒る前に気をつけるポイントがわかり結果的に怒ることが減るのかな、と思います。

脳内のサイクル

ちょっと図にしてみましょう。

怒るということは何かというと、今の目の前の現実と、自分がこうあるべきだと思っている脳内の世界とにズレがあり、そのズレがある結果、腹が立つ、怒ってしまう。

怒ってしまった結果、相手が言うことを聞いてくれるので成功体験として残ってしまうんです。
なんか気持ち良かったな、という形で脳に刷り込まれて、また同じようなことが起きたときに怒ってしまう、という負のサイクルが生まれてしまうんです。

柔軟に考えることが苦手な人が多いです、頭が固い人。
別にそんなのはいいじゃないか、そういうこともあるよな、と思っている頭が豆腐の人は、「そんなもんか」と腹が立たなかったりするんですけれども、やはり固い人というのは怒りっぽかったりします。

あとは厳しい環境にいる人です。
僕も自衛隊にいてよく怒られていましたけど、そういうところにいると、やっぱり厳しいからこそ腹が立つというか、怒ってしまうということは結構あるなと思います。

こういうのを意識すると減るかなと思います。

現実を脳内に持ってくる、自分の方に引き寄せようとするのではなくて、基本的にはどんなときも自分の方を現実に沿わせてあげる方がいいんです。
怒っても良いことは何にもない。怒っても自分が気持ち良くて成功体験になって、また怒りやすくなってしまうんです。

でも現実は怒られている方は「すいません」と言いながら恨んでいたりします。
「いつか見てろよ」と思いますから、やはり怒って何かを自分の方に引き寄せようとするのではなくて、相手に寄り添っていく、相手の方に近づいていく、フォローした方がいいです。

怒りたいときこそ怒らずに相手をフォローしに行く、北風にならず太陽になっていく、その方が良いんです。
相手も感謝してくれるし後から得ですし、結局Win-Winになります。
相手に寄り添っていく必要があるかなと思います。

■頭を柔らかくするには

頭を柔らかくするにはどうしたらいいのかというと「べき思考」をやめることです。
何とかすべきだという「べき思考」をやめ、白黒思考、白か黒か、全か無か、ではなくて、中間もあるしこういうものもあるな、みたいな形でバリエーションを増やしてあげる。

あとは何でもかんでも「自分ごと」に考えないというのは大事です。
お前は俺をバカにしてるんだろう、お前は俺のことをどう思ってんだ、そういう話じゃないんです。
個人の問題ではなくシステムの問題だったりするので、自分ごととして考えない、考えるのをやめて「ああ、今回はこういうことがあったんだな」「相手がなめてるから失敗したんじゃなくて、疲れてたのかな」とそういう風に考えるといいと思います。

あと自己肯定感です。
自分のことを好きじゃないと「相手も自分のことを嫌いかもしれないから、僕をバカにしているのかもしれない」と思いがちです。
自分は優れた人間なんだと優れていなくても思っておけばいいんです、思ってるだけならタダだから。
自分はイケてるんだ、最高なんだと思って「こんなこともあるわいな」と思っておけば腹は立ちません。
そういうものだな、と思うことです。

完璧なものはないし失敗は必ず起きます。
いつかは失敗するわけだから、どんなものも。
いつかは失敗するし、いつかはなくなってしまうので、そういうもんだろうな、たまたま今だったんだな、という風に思うことが大事です。

個人じゃなくてシステムの問題だ、この人がミスしたんじゃなくて、こういうシステムがいけないんだろうな、この人が失敗せざるを得なかったシステムはどういう問題なんだろう、という風に視野を広げる、視点を高くすることはとても重要です。

焦っているとイライラして怒ってしまいますから、焦らずに一つ一つ問題を精査して理解していく。
問題が大きくて漠然としているなら、よくわからないから半分に割ってみる。
半分でわからないなら四等分する。
四等分でわからなければ十等分する。
細分化して一個一個検討していく。

細分化してもなお複雑でイライラしたり、焦ってしまうんだったらより細かくする。
細かくしていけば腹が立ちませんから、扱えるようになります。

細かいものがたくさんあるなと思うんだけれど、一個一個やっていけばいつか終わりますから、腹を立てずに一個一個やっていきましょう、ということです。

あとはアンガーマネジメントというと、6秒ルールと言って6秒間我慢すると怒りがおさまるよ、ゆっくり呼吸すると怒りがおさまるよ、水を飲むと怒りがおさまるよ、という細かいルールはあります。
自律神経を応用させたようなテクニックもあるんですが、それは細かいテクニックなので、大筋というか本質を捉えて欲しいなと思います。

本質は何かというと、頭を柔らかくして、そういうこともあるんだと。相手の立場に立って、自分が偉いわけじゃないし、自分が常に正しいわけじゃないからと、ゆらりと物事を受け流すということです。

今回は、怒りっぽい人に向けてどういう風にしたら怒りっぽくなくなのか、をざっくり解説しました。


2022.11.28

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