東西線「早稲田駅」徒歩1分。夜間・土曜も診療。心療内科・精神科。自立支援対応

WEB予約はこちら

再診患者専用

03-6233-9538

予約制:木・日・祝休診

0362339538
初診WEB予約

  

再診患者専用TEL

03-6233-9538

2022年を振り返ります。よかったこと、困ったこと

00:00 OP
00:52 自己紹介+振り返り
07:14 2022年に考えたこと、学んだこと
13:21 来年以降のこと

本日は「2022年を振り返る」というテーマでお話しようと思います。
もうやるの?という感じかもしれないですけど。

これを撮っているのが2022年12月8日です。
12月の頭なので、2022年が終わるまであと3週間以上あるんですけど、もうやっていこうかなと思います。

僕はしょっちゅう振り返るんですよ。
思い出ばかり考えちゃうタイプなので許してください。

自己紹介+振り返り

最近僕のことを知った方も多いと思うので、ちょっとだけ自己紹介をしようと思います。

僕は防衛医大という自衛隊の医学部に入って、そこを卒業した精神科医です。
自衛隊で働いて、民間病院で働いて、2018年の4月に開業しました。

診察時間は5分ぐらいしか取れないんですよ。
なかなか患者さんに病気の説明をするのが難しいということで、当初はプリントを渡したりしていたんです。
でもゴミになるということでYouTubeに切り替えて、YouTubeで病気の説明をするようになったのが2019年12月です。

2021年2月ぐらいに登録者数が1万人を超えました。
それで社会的な責任感も芽生えたということで、筑波大の松崎先生にお声掛けして「メンタル系YouTuberの会」を発足しました。

去年の11月ぐらいにチャンネル登録者数が10万人を超えて、ついに銀の盾が来たぞといよいよYouTuberらしくなってきたなというところでした。

今年はどんなことをしたのかというと、3月にオンライン自助会を立ち上げました。
いわゆるオンラインサロンですね。
YouTuberたちがやっているファンクラブみたいなものなのですが、その仕組みを利用して、患者さん同士が体験をシェアしたり、自分の悩みをシェアできる場所を作りました。

6月に学会でポスター発表を初めてやったんです。
「僕はYouTubeをやってます」ということを学会でやった。
「ブログやってます」というのを学会発表しないじゃないですか、普通に考えて。
だから結構変なことをやったんですよ。
YouTubeで患者さんに見てもらってますとかそういうのを発表しました。
そんなの学会でやるなよという感じだったんですけど、好評でした。
来年に横浜である精神神経学会ではシンポジウムをYouTuber仲間でやれることになっています。

8月に初の書籍ということで2冊本を出しまして、そこから講演とか取材とかちょこちょこあったのでやりつつ、12月ぐらいから自助会の人向けにワークショップなどを始めたというのが今までの流れです。
今年はこんなことがありました。

クリニックの方は順調で、東京都の精神科開業医の会という飲み会というか情報交換会も、つつがなく月1ないし2ヶ月、3ヶ月に1回ぐらい続いています。
まあ落ち着いて過ごせたかなと思います。

こうやって書くと、もっと詰め込めるんじゃないかとかいろいろやれるんじゃないかと思われるかもしれないですけど、準備とか時間がかかるんですよ、何をやるにしても。
だからまあ、そんなものなんですよね。
すぐ思いついてぱっとできるものじゃないので、準備とかもかかりますから。
それでも1年頑張ったんじゃないかなと思います。

2022年5月くらいまでは結構右肩上がりだったんですよ。

登録者数も右肩上がりだったし、全部バーッと動いていたんですけど、夏くらいからちょっと頭打ちというか、自分の体にもガタがきたし、「あれこれもしかして」みたいな、ちょっと中年が入ってきましたね。

お酒を飲むのをやめて2年強経ってます。
2020年の6月ぐらいにお酒を飲むのをやめたんですけれど、お酒を飲むのをやめて若返ったんですよ。若返ったなと思っていたら、また調子が悪いというか、老いが来たというか。
忙しくなってるからかもしれないですけど、自分の限界というか自分ってこうなんだなというのが見えてきた感じがします。

2022年5月くらいまでは本当にずっとね、もうどんどん行けるんじゃないかみたいな感じでしたけど、ちょっと頭打ちしたっていう感じはありますね。
挫折体験ということではないですけれど、テレビ的なものもご依頼があったんですけど、何かやっぱりハマらなかったという感じですね。

5月くらいの勢いの時には天狗じゃないですけれど、どんどん有名人というか、「成田悠輔さんみたいにどんどんいってやるぜ!」「精神医学を布教してやるんだ!」と思っていたんですけど、そんなこともなく、「あれ?」みたいな。
再生数を持ってないとか、緊張してちゃんと喋れていないとかそういうのもありましたね。
力不足が露呈した感じですね。
講演会も増えてきてるんですけど、まあまあという感じです。
後でまた話しますけど、専門家としての地位とか、専門家として考えていることがまとまってないなという感じはします。

そりゃそうなんですよね。もともとYouTubeをやるつもりでやっているわけでもないし、有名人になりたいとかそういうのもないし、自助会もやるつもりではなかった。結構その場その場で必要だから始めているんですけど、当初の目標とは全然違うところにいるので、まあそうなのかなと思いつつ、来年に期待したいという形です。

2022年に考えたこと、学んだこと

2022年はどんなことを考えたり学んだかというと、大きく3つです。

まず、AIとか脳のモデルということをすごく考えることが多かったです。
僕自身は古典的な精神分析とか、そういうものを脳のモデルとして考えることが多かったんですけど、やはりYouTubeをやるようになってから、そういう理論ではなくて、一般的に受け入れられる現代的な脳のモデルで考え直す機会が多くて、そういう中でAIとの絡みで考えたり学ぶことが多かったですね。

YouTubeチャンネルも脳科学を扱うものが増えたんですよ。
そういうのをちょこちょこ見たり、AIのものを見たりする中で、世界観が変わってきたというのはあります。
DeepLなどの翻訳サービスを駆使すると海外の記事もすごく読みやすいので、そうすると最先端の研究とは言わないですけど、脳のモデルも変わってきたなと感じます。

今はAIの時代ですよね。ITの時代なのでITをベースに、脳を考える、自分たちを捉え直すということが一般的になっているし、そこが研究としてのフロンティアが大きいのでそうなっています。
それが最終的に正しいかどうかはわかりません。
100年後、200年後にどうなっているのかはわかりません。
今のトレンドがそうなので、そういう風に僕らも理解しています。

発達障害はまさにAIのモデルに近いなと思います。
感覚の違いというのはインプットの違いだし、できるできないはアルゴリズムの一部の欠損と考えるので、脳のモデルとか強化学習のモデルで説明をつけやすいというか、そういうものだなと思います。
ただ、それ以外で考えた方がいいんじゃないかと言われると、強化学習モデルじゃない形で何かを考え直すことは結構難しいので、それが現代的というか、現代の構造に支配されているという感じなんですけど、まあいいです。

あとは、社会学者の宮台真司さんとのコラボ動画をきっかけに、社会問題について考えることが増えました。
Kaienの鈴木代表の発言は見ていたし、社会的課題と精神疾患のリンクということに対して無関心ではなかったんです。

でもあくまで僕は町医者だしな、あくまでただの若手の医者だしな、とか思っていたんですけど、やっぱり立場というか、自分なりにこういうことも考えなきゃいけないなとか、こういう観点から精神疾患を捉え直して社会に訴えなきゃいけないんだな、という責任感が今年は芽生えたというのはあります。
本当にそのきっかけなんですよね。
本当にそういう機会をいただけて感謝しています。

書籍が出たということ、その結果、宮台さんとお話できたのが本当に大きかったですね。
いいきっかけだったんですよ。
「あれ? なんか結構目からウロコ?」みたいなことが多くて。

こういう人たちも精神疾患のことをあまり知らないんだということも思ったし、こういう人たちが精神医学に触れずに社会を語っているということとか、考えてみれば僕も精神医学と社会をもっと融合させる具体的なプランとか何もなかった。
本当に考えたりしました。

そういう中で優生思想の問題はすごく考えることが多かったですね。
医師である以上、やはり綺麗事ばかりは言えないんですよ。
綺麗事ばかり言うことで傷つく患者さんたちもたくさん見ているんですね。
「頑張ればできるんだよ」とか、何かフワフワした言葉ですよね。
フワフワした優しい言葉ばかりを使っても、その場はいいんだけど本当に臨床的にそれで治療が進むのかというと、そういうわけじゃないないんですよね。

残酷なまでの弱さ、劣性のものが精神医学の中には存在するわけです。
それを否定するような発言はあまりできない。
他の医者に迷惑になってしまうのでそれはできない中で、でも優生思想ではなくて、そもそもの人間の尊厳というのをどうやって伝えたらいいんだろうなということはよく考えました。

当たり前だと僕が思っているもの。人間みんな平等じゃないか、人間は誰でも生きているだけで価値があるじゃないかという、その「当たり前さ」はやはり感じられないようになってきているんだろうなと思いました。
昔よりも今の方がより感じられにくくなっているんだと思います。

それはコロナの影響で人と会わなくなっていって、メディアから入ってくる情報、スマートフォンから入ってくる情報には人間の尊厳とかそういうことが語られたりするものは減ってますよね。

僕らが子供の頃は説教くさいアニメとかいっぱいあったんですよ。
何か説教くさいんですよ。
説教くて、人間の価値とか、道徳的なアニメってすごくあったんだけれど、最近はやっぱりそうじゃなくて物質的なものがすごく増えているなという気はします。
YouTubeとかまさにそうですよね。あまり道徳的なチャンネルは伸びない。

そういうことを2022年は考えました。

来年以降のこと

来年以降のことはどうしたらいいんだろうということで、「チャットGPT」というAIに聞きました。今流行ってますよね。

「精神科医YouTuberとしてどういうことをやればいいですか?」と聞くと、AIは答えてくれました。
「まずはコンテンツを作りなさい」と。
魅力あるコンテンツを作りなさいよということを言われましたね。

魅力あるコンテンツとは何かというと、いろいろAI様は答えてくれたんですけど、1つは「体験談をもっと入れなさい」ということを言われました。患者さんの体験談。

それはなぜかというと、医師から言われるような発言ではなくて、もっと身近で親しみのある情報に切り替えていかないと誰も目を向けてくれないよ、みたいなことはAI様が言っていました。

確かにそうなんだろうなと思いましたね。
これだけ生のものとか、ダイレクトのものが溢れている中、患者さんのリアルな声を無視してしまっているのはどうなんだろうという気もしたんですよね。

YouTuberの会は、当時の配信者は当事者YouTuberしかいなかったので、「医師や専門家からの正確な情報を伝えたいよね」と、そういう意味で僕らは始めたところもあったんです。
でももう一周回ってきて、やっぱり当事者の声をどう正しい医学知識を交えながら伝えていくのか、ということを考えなさいとAI様から言われました。

次に言われたのは、「専門家としての地位を固めなさい」ということです。
精神科医として最新の知見を扱いなさい。且つこの新しい試み、YouTubeで疾病教育をしていることとか自助会をやっていることも、あなたは専門家なんだからそこら辺の地位を確立しなさい、ということをAI様は言っていました。

なるほどなと思います。
まだまだ僕が何をやっているのか、益田は何者かというのはよくわかっていないし、わかられてないんですよ。
僕自身もこの1年でだいぶ自分のアイデンティティが変わりましたから、振り返ってみれば。
だからやっぱりここら辺はもう一回言語化するとか、考えないといけないなと思いますね。

あと、AI様が最後に言ったのは、コミュニティの仕組み化をしなさいと。
コミュニティをきちんと運営しなさいということを言っていましたね。
YouTubeのコメント、自助会のコメントをどうやって扱うのか。
どういう風にコミュニティーを運営していくのか、盛り上げていくのかも考えなさいと言っていました。

AI様は賢いなと思いながらですね、「わかりました!来年頑張ります!」といった感じですね。

チャットGPTってやっぱり優秀ですよね。優秀というか、もっともらしいことを言う感じですけど、面白い。ちょこちょこいじると、あーなるほどなとか、そういえばそうだったなとか、自分では気づいていたけれど、なかなか言語化できなかったなと思うことを言語化してくれるので、便利かなと思います。

ということで、2022年を振り返るというテーマでお話ししました。

まだ今年はあと2、3週間ありますから振り返っていただいて、どんなことがあったのかコメントなどいただいて、あと残りこれだけあるからこれ頑張ってくれよとか、来年こういうことをしてほしいですとか、そういうのもコメントでいただけたらなと思います。


2022.12.13

© 2018 早稲田メンタルクリニック All Rights Reserved.