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精神科医目線で語る。教師が子供に接する方法

00:00 OP
00:45 学校の先生は大変
05:53 どうしたら良いのか

本日は「教師は子供にどう接すればいいのか」というテーマでお話しします。

これも結構壮大なテーマですね。
学校の先生は子供にどう接すれば良いのかということですけど、これも大変なんです、今。

学校の先生は少ないです。
人数も少ないし、でも色々な子供を見なきゃいけないということで大変なんです。
世間の人はあまりよく知らないんだと思います、学校の先生がどう大変なのか。

学校の先生は大変

・発達障害

例えば最近文科省が出したんですけど、8.8%の子供たちが発達障害なんじゃないかとということです。
グレーゾーンも含むのかな、発達障害という診断に当てはまるんじゃないか、という風に出しました。

これは臨床家の感覚としては決して多すぎるという感じはしないです。
実際そうだろうと思います。

8.8%いて、それがみんなうつになっているとか、二次障害があるわけではないんだけれども、やっぱり育てにくいとか、教えにくいという問題があったりします。
授業中落ち着かない、他の子供と仲良くできない、教え方にも工夫がある、そういうのがあったりします。
特定の匂いや音が苦手、集中しにくい、そういうのがあります。

僕自身もやっぱり凸凹はあると思います。
他人の気持ちがわからないということは、さすがに精神科医なんでそれなりにわかるんですけれど、でも細かい感情を無視してでも自分の意見を通しちゃうところがあります。

相手の表情や世間の目を気にせずに、自分のやりたいこと、自分がやるべきだということに突っ走っちゃうところがあります。
だから開業してYouTubeまでやってるんですけど。
人間関係で困ったから、精神医学が好きで、誰かのために役立ちたいと思ってやってるんだと思います。
何かがなかったらやらないですよね、こんな仕事。
こんなにYouTubeも一生懸命やらないですから。

でも医学部は多いと思います。こういう凸凹がある人は。
医者の世界は多いと思います。

高学歴の人にも多いと思います。
人間の能力はすごく差があるわけじゃなく、どこかが秀でたらどこかがちょっと落ち込むところもありますから、そういう部分もあるだろうなと思います。

ただそうは言っても、やっぱり欠点多めという人もいるので、そんなに軽々しく自分もそうだと言うのはよくないなと思っています。
どういう風に言えばいいかわからないけれど、それだけ一般的な部分も多いよということです。
育てにくい子供だったと思います。

・境界知能

あとは14%が境界知能ということになります。
境界知能とは何かというと、いわゆる精神発達遅滞、昔でいう知的障害ではないんだけれども、普通の子たちよりは知能指数が低い人たちを境界知能と言ったりして、ここも結構差があるんです。
同じような勉強をさせても、なかなかついていけない子たちがいたりします。

・ヤングケアラー

あとは家庭の問題です。
ヤングケアラーと言って、子供なんだけれども家事をたくさんしなきゃいけない、家族の看護や介護をしなきゃいけない子供たちも今はたくさんいます。
虐待を受けている子供たちもたくさんいるし、ネグレクトという形できちんとした養育を受けていない子たちもたくさんいます。
あと貧困の問題ですね、家が貧しい、そういう問題もあったりします。

これらは重複してたりするんです。
普通の子であっても大変なのに、やっぱりこういう子たちもいるというのが今の教師の大変さだったりするします。
逆にそういう子たちがいるということを、社会が気づいていない。それで教師の側だけが気づいているというのも今の難しさだと思います。

学校の先生たちも大変で、小中高それぞれ違った悩みがあると思うんですけれども、これらの子たちの問題が理解不十分なまま、消化不良のまま過ぎているのが現状なんじゃないかなと思います。

本当だったら、この子たちにこういうことをしてあげたらな、こういうことをしてあげたいなと思いつつなかなかできず、様々な仕事に忙殺されているというのが現実的なところだろうなと思います。

学校の先生もこういう発達障害や境界知能の問題、ヤングケアラー、虐待、そういう子の問題をしっかり勉強したいとか知りたいということもあるんだろうけれど、実際そこまで手が回っていなかったり、教育を受ける機会がなかったり、児童精神科医や精神科医と連携を組む時間、機会がないというのも結構あるんだろうなと思います。

ここら辺はもうちょっと踏み込んで色々考えていくというか、社会運動として踏み込んで考えていかなきゃいけない課題じゃないかなと思います。

どうしたら良いのか

・発達障害、精神医学を学ぶ

どうしたらいいのかということですけれど、まず発達障害および精神医学を少し学んでいく必要があるんじゃないかなと思います。

昔はこういうものは知る必要がなかったんだと思います。
教員二世の方は増えてると思いますが、親の世代と比べて、今の先生はやることが増えたねと言われます。

学ぶことも増えていて、人間理解のあり方というのもすごく変わってきてるんじゃないかなと思います。
教育現場であっても、精神医学を知ってもらうのがいいんじゃないかなと思います。

・チームビルディング

あとはチームビルディングです。
こういう子たちの対応を担任の先生に任せるのではなく、僕からの提案ですけれど、やっている学校はやっていると思いますが、校長以下できちんとチームビルディングをしていくということが重要だと思います。

そもそも一人の先生に任せないということはとても大事で、みんなで知っておく、注意喚起をしていく、こういう問題にどう対応していくのかをマニュアル化していくことがとても重要だと思います。
マニュアルは別の学校とも共有していく、というスタイルがとても求められると思います。

・インクルージョン

あとはインクルージョンです。
多様性をどうやって達成するのかということを考えていく必要があります。

発達障害の子は別の学校に入れたらいい、境界知能の子は別の学校に入れたらいい、何か家庭に問題がある子は別のところで任せたらいいとか、分けていく、専門に特化していけば効率的にやれるんじゃないか、少ない人数でも回せるんじゃないかと思うかもしれないんですけど、それはあまり良くありません。

多様性がある場所で育つことがとても重要だったりするし、多様性の理解、将来のメンタルヘルスや将来の社会理解にとても重要だったりします。
とても難しい課題だとは思いますけど、学校の先生達にはぜひこの問題を解決していってもらいたいなと思います。

例えば宿題を工夫していくことも重要だと思うんです。
みんなが同じ宿題をやるのはやっぱり難しいので、発達障害の子や境界知能の子たちが宿題を加減できるように、彼らの自尊心が傷つかないようにやる工夫はあると思うんです。
そういうのを考えてもらうのがいいんじゃないかなと思います。

例えば、発達障害の子でレポートや作文が苦手な子たちがいるので、そういう場合は、もっと書きやすい題にする。算数が苦手な子だったら、算数の宿題の量を減らすなど、色々な工夫があると思うのでちょっと工夫をしてもらえるといいんじゃないかなと思います。

あと、親への説明です。
学校側は気づいても親にどう説明したらいいかわからない、そういうことを説明すると、あなたの子はこういう問題があるんじゃないですかと言うと、逆ギレされるパターンがあったりする感じです。

これはどうしたらいいのかというと、僕も聞いて困りますけど、やっぱり一人で抱えずに校長以下みんなで考えていくという姿勢が重要なんじゃないかなと思います。
チームビルディングの話が企業や会社に比べて学校は遅れているな、という印象を正直受けます。僕の臨床の中では。
どうやって達成するのかが重要かなと思います。

僕も研修や講演会をちょこちょこやってますし、もしよかったら学校の先生がコメントをくれたり、色々あったら僕らも対応しますから、ぜひ一緒に考えていけたらなと思います。
色々なYouTubeを撮っているので参考にしてもらえたらなと思います。

ということで今回は、教師は子供にどう接すればいいのか、というテーマでお話しました。


2022.12.26

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