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人の目が気にならなくなる方法

00:00 OP
00:37 極端に恐れてしまう人
04:16 自分の過敏さを理解する
07:34 過敏になりすぎると上手くいかない

本日は「人の目が気になる、から抜け出す方法」というテーマでお話しします。

他人の目が気になったり、他人からの評価が気になる人は、たくさんではないですが一定数います。
恥をかく、失敗、他人からの評価をすごく恐れてしまう人は一定数います。

極端に恐れてしまう人

そんなのみんなそうじゃないかと思うかもしれないですが、極端な人、極端に恐れてしまう人がいるんです。
そういう人は今どきの言葉を使うとHSPという言い方をされますが、精神医学的には社交不安障害、回避性パーソナリティ障害、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD、神経発達症の人の一部、がそれに該当するかなと思います。

あとはトラウマがある人です。
PTSDやトラウマがある人はそういうものに過敏だったり。
あとは、うつとかそういう心の状態、精神的な疲労が起きているとき、脳の疲労状態の時には、やはりネガティブなものの影響を受けやすいだろうなと思います。

あとは10代から20代は他人からの評価をすごく気にします。
他の動画でもいつも言ってるんですけれど、やはり第二次性徴期なんです。
思春期が始まると、脳が急激に大きくなって複雑なことを考えられるようになり、性ホルモンの影響を受けるんです。

今まで子供の時には考えられなかったことが考えられるようになるんです。
聖書にある、急に裸でいるのが恥ずかしくなった、みたいなものです。
今までは他人のことが気にならなかったのが、急にわかるようになっちゃったものだから、すごい恥ずかしくなっちゃう、すごく気になっちゃう。
これが思春期なんです。

それがだんだん30代、40代になってくると、脳も劣化してきて過敏さが落ち着いてきたり慣れてくるんですけれども、やはり10代から20代の時には競争意識があったり、性ホルモンの影響を受けるので、モテたいとかそういう気持ちが強く働きます。だから他人の目に極端におびえてしまう恐れてしまうというのがあります。

そして周りも他人のことが気になる。
気になる同士が集まるから、もうシッチャカメッチャカなんです。
自分で問題解決したりとか、ストレスをケアする方法を子どもたちは知らなかったりしますから、やはり闘争状態というか、そんな感じがします。
だから生きづらいなとは思います。

こういう人たちに対しては、年を取れば楽になるよ、環境が変われば楽になるよ、という言い方をしたりします。

あとは環境や職場の影響もあります。
心理的安全性が保たれていないような職場だと、やはり他人からの評価が気になると思います。
減点主義の職場、ミスを許容しない職場、多様性に乏しい職場、実力主義ではない、そういうところだと人からの評価が気になると思うし、周りも気になるからやはり相乗効果で気になるだろうなと思います。
それは仕方がないだろうと思いますし、やはりストレスフルな環境にいらっしゃるのかなとよく思います。

もう1回戻ると年齢の問題、環境の問題、あとは疾病的な問題、ベースにそういうものがあるんじゃないかなということです。

自分の過敏さを理解する

どうやって人の目が気になる状態から抜け出すのかということですけれども、まずは診断に該当するのであれば、その診断に基づいた薬物療法が有効だったりします。

社交不安障害や不安障害があるのであれば、SSRIなどの抗うつ薬が有効だったりしますし、発達障害的な問題があるのであれば、薬物治療をしたり、ティーチング、人とはこういうものであるという社会勉強というか、そういうものを学ぶことである程度コントロールする。
PTSDやトラウマの問題があるのであればそのトラウマのケア、うつ病であればうつ病の治療をやっていく必要があります。

どの病気にも共通するのですが、他者からの過敏さをまず受け入れるところから始まるんです。
自分はそういうものなんだ、という受容と理解が重要です。

自分はそういう人なんだ、だから人の目が気になる人なんだろうな、ということを理解するところが大事です。

自分はこの年齢だからそうなんだ、今の職場環境がそうだから私は気になっているんだ、もともと生まれつきの体質として他の人よりも気になってしまうんだ、ということを理解していくことが重要です。

その上で、本能的なものと理性が戦わなきゃいけないんです。
不安だと思った瞬間、だけど落ち着け落ち着けと理性で抑える。ワッと思うけど、理性で受け入れて落ち着かせる。
自分は不安に思っているし、自分は人の目を気にしているけれども、客観的に見るとその状況は決して悪くないじゃないか、大丈夫なんだと言い聞かせてあげることがとても重要です。

こういう努力は、他人は理解してくれなかったりします。
他の人はあなたほど人の目を気にしてないんです。

本音で語ったりしてみると(なかなか勇気が出なくてしたことがないと思いますけれど)、他の人があまりにもそういうことに対して無関心だったり、あまり気にしなかったりすると驚くと思います。

そして自分の困り事は理解してくれない可能性が高いです。
なぜなら他の人は、あなたほど感情に揺さぶられないから、感情から発する信号が強くないからです。

他人は冷たい、意地悪、危険だからあなたに対して理解しない、人の目を気にしないというわけじゃなくて、そういうものなんです。人間の多様性というか。
そこを理解していくことは重要ですし、他人は違うんだということを理解するのが大事です。

過敏になりすぎると上手くいかない

あとは、過敏になりすぎると上手く行かないんです。
攻められつつ攻めるというか。

例えば将棋でも戦争でもいいんですけれど、相手が攻めてきている状況でパニックになるのではなく、攻められているけれど自分も攻めているという状況になるんです。

サッカーとかもそうです。100%ボールをキープしているということはないじゃないですか。でも過敏な人、人の目が気になる人は、相手がちょっと攻めてくると思うと逃げてしまう。

でもそれだと、相手のことを考えていると言うんだけど、本当は考えてるうちに入らなくて、自分の絶対的な安全権を守りつつ、相手を懐に入れさせる。
懐には入れるんだけれど、自分の最終ラインは越えさせない。
最終ラインを越えさせない範囲で入ってきてる分、自分も入っていく、このイメージってすごく重要なんです。

攻められつつ攻める、オープンにしつつオープンにしすぎない。
このバランス感覚はめちゃくちゃ大事です。
将棋を見ていてもそうだし、サッカーとかでもそうだし、自分が崩されているんだけれど、最終ラインを守っている、この感覚はとても重要です。

崩されることを恐れるのではなくて、触られることを恐れるのではなくて、ある程度は入ってくるんだけど、これ以上は入っちゃダメだよということを自分の中で作っておくということです。
入れさせないとこっちも行けないですから。相手にリーチできないですから。
この感覚を自分なりに持つことがとても重要です。

これがなぜできないかというと、発達的な問題があると、やはりこのバランスを理解する力が生まれつき弱かったりします。
不安を感じすぎるから、感情的に最初から突っぱねちゃうという不安障害の問題もあったりします。

あとはトラウマがある人、親子関係に問題があった人は、この境界線を崩されてしまったパターンもあるんです。
子どものときから親からの支配をすごく受けてしまっていて、境界線を作ることができなかった。
自分でノーと言っても、その境界線を親が越えてきてしまった場合は、やはり不安になりやすかったり、境界線を大人になってから作ろうと思ってもなかなか難しかったりします。

それはヤングケアラーの問題だったり、親が発達障害の人だったり、教育的虐待だったり、色々なものがあります。本当にそう思います。

子どももそうだけれども、自分が自由にできる時間や空間がしっかりあること。会社もそうです。そういう時間とか場所を作ることが本当に大事だと思うんです。
そういうことがないと、やはり不安になってしまいます。

きちんと自分のテリトリーができていることがとても重要なんです。
境界線をしっかり作るということがとても重要だったりします。

「人の目が気になる」を抜け出すためにはどうしたらいいのかというと、今の自分の置かれている状況や疾患のことをしっかり理解して受け入れる、受容する。感情をある程度コントロールする意識を持つ。
そして他人は理解してくれないとちゃんとわかる、他人と自分は違うということも理解する。
そして境界線をしっかり守るというです。

境界線を作ってそこまでは相手を入れる。
そして自分も相手にリーチしていくことを覚える、ということかなと思います。

ということで今回は、人の目が気になるから抜け出す方法、というテーマでお話ししました。


2023.1.7

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