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「精神科は薬を出すだけ?」について考える。雑談的ミニレクチャー

00:00 OP
00:35 薬の登場から
04:06 変化している
06:25 人間の成長は

雑談をしようかなと思います。
「精神科医は薬を出すだけの存在なのか」をテーマに話してみます。

薬の登場から

精神科の薬が出たのは1950年代なんですよ。実を言うと。
そこから使われてきた歴史があります。
それまでは隔離しかなかったんです。

日本は隔離もちゃんとしてなかったというのが本当のところです。
ライシャワー事件というのがあるのですが、隔離もしましょうよという話が出てきます。

80年代は、薬と隔離のイメージですね。
精神科医は診察にも来ないみたいな。
薬だけ出してあとは看護師さんに任せるみたいなイメージ。

精神科病院というのがあって、どよーんとあって、大学病院の中にも精神科病棟はなくて。
東京の山手線の内側には本当に病院がなかったみたいな時代があった。
外側に病院がポツポツあったみたいな、そういう時代もあったわけですね。
差別とか、偏見があったということ。

そこから時代が変わっていって、薬に関しては多剤処方はやめていこうということで、2014年ごろから多剤処方は減点されるようになったんですよ。外来でも。
睡眠薬、抗不安薬もそれぞれ2つまでと決まっています。

最近だと本当に薬は多剤はダメで、抗うつ薬、抗精神病薬も2、3種類。睡眠薬、抗不安薬も2、3個ぐらいまでというルールは決まってますね。
僕ももうあまり使わないので、本当に単剤処方が多くなったので、あまり意識してないんですけど。
ベンゾなどは合計3種類。抗うつ薬、抗精神病薬も似たような感じですね。
という感じで薬は減ってきている。

変化している

隔離についても入院施設は景気が悪くてうまくいかなくなっていて、地域移行に進んでいます。
外来で治療できるようになってきている。

実際、症状は緩和化している。軽くなっているんですよね。
暴力的な患者さんが減ってるんです。

この背景には世代が進んだこともあって、戦争の影響を受けなくなってきている。戦争に影響を受けた世代が減っている、感染症の問題とか、いろいろなことが説として挙がっています。

実際、社会全体として、FACTFULNESSじゃないですけど、日本も犯罪は減ってきているんですよね。

薬を出すだけというのは結構古いイメージで、今だとあまりそういう感じはないかなと思いますね。
もちろん説明する時間がないので、そういう意味では結果的に薬しか出してないじゃないかとか言われそうですけど、10年前よりははるかに薬を出さなくなっている、20年前よりもはるかにという感じはあります。

ついつい人間というのは今のことしか見ない。スマートフォンだってね、10年ちょっと前にしかなかったわけなのに、生まれた時からあったような錯覚がありますよね。
でも世の中は変化しているので、そういう感覚は大事ですね。

人間の成長は

精神科はすぐ治るものじゃないとよく言いますけど、人間の成長はやはり植物よりも遅いんですよ。
1、2年じゃなくて3年単位とかで見なきゃいけないところもある。
20代の人だったら1年単位でも結構変わってきますけど、2、3年単位で見なきゃいけないことも多いです。
そういうゆっくりとした時間の感覚がとても重要ですね。

でもそれはなかなかわからないのよ、みんな、2年後とか、3年後とか。
1年単位でものを考えろと言われてもよくわからないと思います。

人間の認知を超えているのかなという気がしますね。人間の理性というか。
できる人はいますよ。2、3年単位で考えることはできる人もいるんだけれど、そういう視点で物事を見るとか、そういう肌感覚を持っている人はやっぱりレアなんだろうなと思います。

それは人間の認知を超えている、知性を超えているところはあるのかなという気がしますね。
トレーニングの必要があるというか。
不自然な行為なのかなという気はしますけどね、人間としては。

今日は「精神科医は薬を出すだけ」というテーマで思いつくままに喋りました。


2023.3.3

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