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相手に誤解される人の原因と特徴。精神科医目線で分類します。

00:00 OP
01:31 発達障害
03:02 境界性パーソナリティ障害
04:15 双極性障害
05:47 うつ病
06:33 PTSD
07:03 社交不安障害(SAD)
07:52 合併も多い

本日は「病気別の対人関係および対人イメージ」というテーマでお話しします。

精神科の患者さんは孤独を感じる人が多いです。
人間関係も上手く行かない人が多いです。
それはなぜかということをお話しします。

あくまでイメージとしての話、デザインというか、そういう意味での話になるので、科学的な根拠がある話ではないです。
あくまでイメージとして捉えてもらうとわかりやすいんじゃないかな、と思って今回動画にします。

代表的な疾患を6つ出しました。
発達障害、境界性パーソナリティ障害、双極性障害、うつ病、PTSD(トラウマ)、社交不安障害です。
これに本当は統合失調症や依存症など色々入れてもいいんでしょうけど、とりあえず6つ出してみました。
鑑別も結構難しかったりするんです、この6つは。
なので今回はこの6つを取り上げました。

発達障害

早速行きますけど、発達障害の人の場合は、どういう風な人間理解かというと、すごく自閉的で自分を守るんです。
相手の全て、全体像を捉えるのが苦手で、部分部分での人間理解になるんです。
人間を立体的に色々な位相で捉える、色々な角度から捉えるのが苦手で、人間のあり方を部分的にしか捉えられないんです。

部分的にしか捉えられないので、自分もこうやってバラバラになっちゃうんじゃないか、解体されていくんじゃないか、という恐怖があって、その結果、何とか自分を守らなきゃいけないということで、自分に殻を作るんです。
自閉的な殻を作る。

その自閉的な殻は何かというと、趣味だったりオタクだったり、こだわりだったり独特のルールだったりします。

相手からはどう見えるかというと、すごく自己中心的で、心の繋がりがない感じがしたりします。
あと、自分のために合理的に動いているような感じがしてしまう。
そのくせADHD特有の片付けの下手さというか、統合の取れなさみたいな形で誤解されちゃうということが多かったりします。

自分を守るために必死に自閉の殻をかぶっているので、一生懸命やれよ、普通の人と同じようにやれよ、と言われても、なかなかできないというのがあります。

境界性パーソナリティ障害

次に境界性パーソナリティ障害です。
境界性パーソナリティ障害というのは人間を見るのが難しいんですよ。
ぼやけて見てしまっている感じ。
メガネをかけてない人みたいな、ぼんやりとしているんですよ。
相手が言ってることがぼんやりしてるので、結局、推測を一杯しなければいけないんです。

自分の気持ち、自分の過去の経験、そういう推測で見ている。
自分の主観がすごく入り込みやすいんです。
だから良い人にも見えるし、悪い人にも見えるし、自分が不安なときには見捨てられるんじゃないかと思ってしまう。
相手も言ってることが違うな、そういう風に思って、何か誤解しちゃうというのが境界性パーソナリティ障害の人のあるイメージです。

相手のことを一生懸命考えたり、相手のことをよく知っていると言うんですけれど、でも実際に知識が色々あっても上手く応用できないです。
それは見えてないからということです。

双極性障害

双極性障害はどうかというと、波があるんです。
人が変わるんです。

良いときもすごい元気なときもあるし、すごく元気がなくて悲観的に捉えるときもある。
これも単純な話ではなくて、元気だけれど世の中に対して怒っているときもあるし、元気で世の中に対して過度に幸福感を感じている、楽観的に捉えているときもあるし、逆もしかりです。

この変化が1日単位ではなく、年単位で起きたりするんです。
この年の何月はすごく調子が良かったけれど他は平凡な人だった、この1年くらいはちょっと調子悪かったなど色々あります。

相手からしてみると、ずっとその人と付き合っているわけじゃないから「何なんだ、こいつは」「いい加減な奴なのか?」「本心は言わなかったけれど、裏でこんなこと考えたのか」と言って誤解されてしまうというか、そういうのがあります。

元気な時に色々な約束をするんだけれど、うつに来ると約束が守れなくなったりしてしまいます。誤解される。
なかなか双極も症状が軽いと気づかれにくいです。

うつ病

うつ病というのも双極ほどではないですが変化があって、落ち込んだりしていると全然動けなくなったりします。
甘えてるのかな、サボってるのかな、という風に見えるんだけれども、実際は落ちているときにはあまり動けないというのはあったりします。

双極性障害もうつ病もそうなんですけど、自分が変化していることに気づいていません。
自分が移動しているから相手の見え方が変わっているんだけど、「人って何なんだろう」という形で誤解している。
うつの人よりも双極性障害の人の方が観測者の移動が大きいので、よくわからない感じです。

PTSD

PTSDの場合はどうかというと、過去の一部の記憶に支配されている感じです。

嫌なことがあったりすると、何を見ても時々それが侵入的に入ってきて、この人も悪いんじゃないか、と思ってしまう。
恐怖があって、その恐怖が別のタイミングでもすっと入ってくる、侵入してくる感じ。
それが怖くて、相手がしっかり見えていないというのもあります。

社交不安障害(SAD)

社交不安障害の人は、相手のテリトリーが迫ってくるような感じで、それで侵されて丸裸にされるんじゃないか、みたいな恐怖感がある感じです。
そんなことしないよと思うんだけれども、自分が押し出されるような、丸裸にされるような恐怖があるという感じです。
自分は無力だから見えない、相手を押し返すことができない、という風な感覚があるという感じです。

この話を聞いて「何言ってるんだ?」と思う人は多いかもしれないですけど、自分がこういう病気だったり、周りにこういう病気の人がいると、「ああ、なるほどな」と思うことはあるんじゃないかなと思います。

合併も多い

問題は、結構合併してることも多いんです。

元々、バイポーラ(躁うつ)の要素があって、加えて、そういうものがあるからトラウマを引き起こしてしまった。
人間関係で色々な問題があって、過度なトラウマじゃないかもしれないけど、軽度なトラウマだったり、大なり小なりトラウマがあって、そのトラウマの記憶に支配されているから相手を見ることが難しくなっている。
相手の実像を捉えることができなくなっていて、自分の主観で見なきゃいけなくなっている。部分的にしか見えなくなっている。
部分的にしか見えないと、相手がよくわからないから自分を守ろうとして殻を作ってしまった、とか。

あとは、殻を作っているから相手が寄ってくるんですよ。
寄ってくるから、丸裸にされるんじゃないか、殻が奪われちゃうんじゃないかと思って社交不安的になっているとか、全部つながってくるんです。

一箇所で崩れてくると連鎖的にいってしまうパターンもあるので、なかなか難しかったりする。
それが精神科の難しさであり面白さというか。
大なり小なりみんな持っていたりするので、皆同じだよと言うんだけれども、程度が違ったりする。
程度が違うと一気にガガガガと来るんです。

例えばこれは、お金の話に似ているんです。
お小遣いが2万円あったとしましょう。
2万円あったときに会社の飲み会とか色々使うと、あと貯金というか、ヘソクリも貯めておかなきゃいけないからとすると、毎月気兼ねなく使えるのは5千円ぐらいしかないかもしれない。
自分で自由に使えるのが5千円ぐらいしかない、と。

これがお小遣いが2万5千円だと、自分が自由に使えるお金は1万円になるんです。
2倍になるんですよ。
2万円と2万5千円では5千円くらいしか変わらない感じがしますが、実際に自由に使えるという部分でみると倍くらい差があります。

ここら辺の問題も結構似ています。
双極のバイポラリティの問題、波というのが、小の人と大の人がいて、そんなに精神医学とか病気的には変わりはない。生物学的にはそんなに差はないんだけれど、この微妙な誤差が、本人の主観的な世界、社会的な問題としてはすごく大きな問題になったりすることがあります。
結構そういうのがあるんですよ。

ふりかけご飯のふりかけの量がちょっと少なくても、お腹の中に入っちゃえば一緒なんです。だけど本人が食べている主観としては全然違うんですよ。
何か足りないなと思って食べているのと、ちょうどいいなと思って食べる量って、ふりかけの量としては誤差だし、栄養学的には誤差なんだけれど、全然違う。
それが精神医学の本質だったり、面白さだったりします。
そういう話をしたいなと思って話をしました。

あとオンライン自助会もやってますので、色々な方いますから、色々な人と色々相談できるので面白いと思いますので、もしよかったら参加してください。


2023.4.10

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