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SNSの歴史とメンタルヘルスへの影響

00:00 OP
02:40 SNSの歴史
05:39 僕の場合
08:51 SNSの問題

本日は「SNSの歴史およびメンタルヘルスの危険性」などをテーマにお話しします。

いきなり歴史と言われるとギョッとするかもしれませんが、難しくないです。
ついてきてくださいね。

歴史はとても重要なんです。
僕も臨床していく中で、その重要性というのは日々実感しています。
なぜかというと、歴史などの時間感覚を身につけることによって、5年後、10年後の自分を想像できるようになるからなんです。

患者さんというのは今は苦しくて、5年後、むしろ1ヶ月後や半年後さえ想像がつかないことが多いんです。
でも想像しましょう、ということです。
想像できるようになると、本当に今の苦しみが楽になりますから。

想像するためには、ただがんばれとか、ただ考えればいい、というわけじゃなくて、歴史感覚を身につけることによって地肩がつくので、一緒に学んでいけたらなと思うんです。

SNSは今では当たり前みたいですけれども、決して昔からあるものではない、最近のものなんです。

僕は元々自衛隊にいたので、SNSの洗礼を受けずに中高大と来て、社会人になってからSNSに触れた、むしろ自衛隊を辞めてからSNSに触れた、という感じなので、本当にここ5年、10年なんです、やるようになったのは。

30代になってから始めたので、噂では存在は知ってたけど…みたいな感じなんです。
遅咲きなんです。
この話しようと思います。

SNSは「悪」だと教わっていたんです。
SNSは個人情報を流出させてしまうし、よくわからないけど、知らないうちに自衛隊の情報を流しちゃうかもしれないから、危険で使っちゃいけない怖いものだと思っていたし、教わってたのですが、上手く使えばとても素晴らしいものです。

SNSの歴史

SNSが始まるのは2000年くらいからです。
インターネットが90年代のちょっと前から始まるのですが、爆発的に広がったのはwindows95からです。
僕もネットカフェに行ってブログを読んだりするのが好きでした。

2000年くらいからブログではなく、双方向にコミュニケーションするSNSというもののハシリが始まります。

今の人は知らないと思いますが、今のゲーム会社「mixi」です。モンスターストライクなど有名です。

元々mixiはFacebookみたいなやつをやっていたんです。
ブログと個人ページと繋がりが連携したような招待制の「mixi」というのがありました。

mixiが2004年に始まり、2006年にTwitterが創業されて、2008年に日本でFacebookが始まったという感じです。
Facebook自体の創業は2004年です。

2010年にInstagramが出て、2011年にLINEが生まれた。
2013年にSlackです。今、在宅勤務で使う人が多くなっています。
2015年にDiscordが出てきた。
2016年にTikTokが出てきた、という感じです。

2年おきに大きいものができている感じです。
2023年の現在、Facebookはオワコン化してきているという感じでみたいですね。
20年持っているので、長く続いたサービスと言えばサービスかなという気がしますけど。

昔からあるような感じがするかもしれないけれど、ここ10年、20年の話だということです。
この10年、20年で出来上がってきているものなので、使い方がよくわかっていなかったり、新しい使い方が発見されたりしている。その裏ではやはり問題もあるということです。
法の整備がまだ追いついてないというのはあります。

僕の場合

益田裕介的には、2018年の4月に開業して、2019年4月から多分Twitterを始めていると思います。

それまでTwitterを触ったことがなかったんです。
自衛隊を辞めて3~4年経って開業しています。
自衛隊にいる間は、LINEぐらいはしていましたけど、SNSには触れていなかったので、ここで初めて使い始めました。

2019年の12月からYouTubeを始めたという感じで、2022年の3月ぐらいからオンライン自助会として既存のSNS、Slackとかを中心にクローズドのSNSコミュニティ、オンライン自助会、患者会、家族会というのを始めたという感じです。

成長早いですね。自画自賛。
でもまあ、僕もここ2~3年の話で、全然よく知らなかったです。

だけどこのSNSというものが持っている力、臨床への応用、そういう可能性は自分で使うようになってというか、開業するようになってから気づき始めて、何とか患者さんに合わせてやりたいなと思って使っているという感じです。

いくつか僕の中でアイデアがあって、患者さん同士がSNSをやる、患者さん同士で繋がってピアカウンセリングをするためにはどういうSNSというか、コミュニケーション、コミュニティのあり方がいいのかということをこの1年ずっと考えていますし、今も考えている最中です。

運営とかそういう人たちが必要なんじゃないか。
つまり、作りっぱなしのプラットフォームではなく、そこにきちんと運営者として、プロの人間がいることの重要性、僕がいるということ。
使い方をどう講習するのか、教育するのか、というシステムを作る、ピアカウンセラーの教育、そういうのも含めながらやっているという感じです。

色々なSNSが生まれては消え、生まれては消え、今もこれ以外にもたぶんたくさんのSNSをご存じだと思いますけど、やはり一長一短なんです。

完璧なSNSというものはなくて、どのプラットフォームにも長所と欠点があって、上手く組み合わせたり、上手くルールを作りながらやらなければいけないという感じです。
でもすごいなと思います。

人間がコミュニケーションを取るということの意味、それが物理的な距離だけじゃなくて、時空間を超えて色々な人とコミュニケーションが取れるというのはすごいことだし、それを自分たちの生きやすさに繋げられたらどんなに素晴らしいことかと思ったりします。

SNSの問題

だけどやはり問題ももちろんあります。
例えばネットいじめです。
誹謗中傷、差別の助長、そういうものがあります。
言論が自由であるからこそ、匿名だからこそ起きる人間の攻撃性や悪い部分です。

ネットいじめによって自殺者が出ている、クラスの中で学校の先生が見えないところでいじめが起きている、親から見えないところでいじめが起きている、見えないところでひどい誹謗中傷が起きている等々あります。

匿名だからということで、日本中から、世界中から一気に悪口を言われるという現象が起きたり、死ねとか言われたりする。炎上という形で。
悪いことをしているかもしれないけれども、そこまで怒られるほどじゃないよね、みたいなことが起きるわけです。
炎上案件という形で、それで実際亡くなってしまう人がいるという問題が起きています。

あとはinstagramが代表的なんですけれども、自分の良いところだけを見せてしまうんです。
良いとこだけを皆が競って出すから劣等感を抱きやすいんです。
いいねがもらえないと劣等感を受けるし、他の人が楽しんでいる、美味しいものを食べている、海外旅行へ行っている、ブランド品を買っているのを見ると、いいなと思う反面、知らないうちにダメージを受けているということが起きたりします。
劣等感が刺激されます。

写真やそういうものばかりでコミュニケーションを取るので、外見が全てみたいな感覚に陥りやすいんです。
なので摂食障害、痩せた方がいい、ボディイメージの歪み、モデルさんみたいになりたいという形で、若いと特に摂食障害になりやすい。
ルッキズム、外見が全てという価値観に囚われやすいです。

地味にダメージを受けますよね?
色々な人の成功を見ていると嫌な気持ちになります。

あとはフェイクニュースや詐欺です。
誰でも情報発信できるので、ウソの情報も誰でも流せるということです。
さも本当のように流すフェイクニュースや、それを利用して詐欺のようなことが起きる。
科学的に正しくないのに、科学的に正しいと言ったりして、よくわかっていない人たちを騙して高額な商品を売りつける、みたいものがあります。

でもこれも怪しい人たちだけがやっているかというとそうでもなくて、大企業がやったりしているんです、水素水とか。
根拠がないものもテレビ局でやるなどありましたね。
これも情報のあり方が変わってきているという感じです。
健康番組のあり方も変わってきてます。

医者の中でもやはりフェイクニュースというか、ガイドラインにないことを言う人たちがたくさんいます。
発達障害の人は脳波でわかるとか、TMSで治療ができるとか言ったりしています。

部分的には間違っていないこともあると思うんです。
だけどまだ議論の余地がたくさんあるし、それを臨床応用する、しかも高額な料金でやることは医者の倫理観には反します。

でも藁をもすがる思いの人に対してそういうものを提示する、判断が上手くできないときにそういうことをさせることをやっている人たちはいる、ということです。

あとは衝撃的なものが扱われたりします。
性的なもの、卑猥なもの、暴力的な表現、暴力的な写真、動画、画像、違法薬物への勧誘、これは安全なんだよというような情報、色々あります。
こういうのはやはり人間の教育的に良くなかったりもします。
そういうものが溢れている。

そういう誘惑もあったり、お金をあげるからエッチなことをしませんか、というのも溢れていたりします。
負けちゃうんですよね。誘惑に負けちゃったりします、10代の子とかは。
なので問題はないんですか、ということはあります。
裸の写真を送ってくれたら、顔写真は載せなくてもいいから裸の写真を送ってくれ、そうしたらお金あげるよとか、問題があったりします。

サブカルチャーと犯罪と書いていますけど、メインカルチャーとサブカルチャーというものがあったときに、これはミヤガワ先生のミヤガワRADIOから引っ張ってきて、ああそうなんだ、と思って、僕も興味を持って学びました。
10代というのはそもそもドパミン系が優位になって反抗的になるんです。
思春期に入るのと同時に、親の言うことを聞きたくなくなる。
同世代でつるんで、自分たちのカルチャーを作りたいという欲望を持つんです。
それが健康的というか、普通の流れなんです。人間はそういう風にできているので。

大人が作ったカルチャーに馴染めずに、自分たちのカルチャーを作ろうとする。
そこはサブカルチャーと呼ばれるものがあるんですけれども、サブカルチャーの中では、やはり犯罪との関わり合いが強くなってしまう。

つまりメインカルチャーに馴染めなかった人たちが作るカルチャーなので、どうしてもそこを繋ぎ留めるにはドラッグだったり、暴力だったり、性的なものだったり、メインカルチャーで扱えないものによって、ちょっと弱い部分や悪い部分を承認することによって、繋がろうとしていく。
そういうカルチャーの中ではどうしてもどこか犯罪が許容されてしまうことがあって、それが次の犠牲者を生むということもあったりします。

ドラッグで結びつく、暴力で結びつく関係というのがどうしてもある。
そういう場所じゃないと癒されなかったんだと言うかもしれないけれど、それによって余計問題が大きくなってしまう。
逃避先に逃避することによって、却って苦しみが深まることもあるので、この兼ね合いは結構難しいです。

大人の世界は難しいし、複雑だし、学ぶことが多いので、自己表現を練習する場所としては大変すぎる。
だから同世代の中で自己表現をする、という練習を繰り返していく、本音を語るということをしないと、最初から大人のカルチャーの中で自己表現しようと思ったら潰されてしまったり、上手く自己表現できなかったりするので、サブカルチャーの意義もあるんだけれど、そこには危険性もあるということです。
このジレンマ、バランス、とても難しいです。

あとはスマホ依存です。
ギャンブル依存と同じで、スマホには依存性があります。
依存させるようにアルゴリズムは組まれています。
こういうものを「行為依存」というのですが、買い物をすると気持ちよくなる、ギャンブルで勝つといい気持ちになるみたいな形で、お酒を飲んだり身体に何か違法薬物を入れるから楽になる、脳内麻薬が出るというわけじゃなくて、何かをすることによっても脳内麻薬は出ます。

性的な行為でも脳内麻薬は出ますけど、そうでなくて、一見、脳内麻薬とは関係なさそうなもの、スマホのクリックを押す、いいねをもらう、ゲームをする、指で弾くみたいなものでもやはり依存性があったりします。
そしてそれを日々企業は研究している。

しかも人間の意識を超えて、統計的にデータ的にそれに依存させるようなアルゴリズムを組んでいますから、余計危険なんです。

あとはその中で課金させる。
子どものときは衝動を止められないので、親のお金を盗んでどうしても課金しちゃうとか。

あと、ギャンブルですね、FXをやってしまうとかあります。
こういう危険もあるよ、と。

あとはポピュリズムの危険性というのがあります。
ポピュリズムとは簡単に言えばヒットラーです。
ナチスドイツみたいな形ですね。
大衆を扇動して誘導して、社会を壊していく。
敵を作ることによってみんなの気持ちを引きつける。
人々の怒りやネガティブな感情を刺激することによって集団をまとめあげ、そして世の中を動かしてしまう。
そういうポピュリズムの問題もあるし、SNSはポピュリズムの道具にされやすいです。

自分たちは弱者の味方なんだ、だから壊していいんだ、というのはポピュリズムなんです。
僕らは弱者の味方なんだ、だから社会と上手く取り合えるように一緒にやっていこう、一緒に自分たちが生きやすい場所を作っていこう、ということをすべきなのに、ぶっ壊せばいいんだ、壊さなきゃいけないんだ、許せないんだ、と言うとポピュリズムみたいな感じです。

トランプ元大統領は、SNSを使って誘導して大統領になった人でもあるし、これも危険視されてます。
2021年1月にはホワイトハウスを襲撃せよとか言ってましたからね。
これも人類の歴史に残ることだろうなと思います。
そこまで大きい事件がなかったというか、発展しなくてよかったなとは思いますけど、これも僕らが、人類がまだよく分かってない、言語化できていない事件なのかなという気はします。

あと、SNSというのはさも公共事業というか、当たり前のもののような感覚がしますけど、ただの企業が作っているものですから。
ただ一企業が作っている、お金儲けをしようとする会社が作っているもので、公共のものじゃないですから。

個人情報も流失したり上手く利用されてしまったり、商売に利用されたりしてるんです。
個人情報の問題、国際的なスパイの問題、TikTokは今そういう疑いがあります。
中国発のTikTokは個人情報を抜いていて、それを国防など国家戦略に利用されてるんじゃないか、みたいなことがあったりしますけど、そういう道具にも使われている可能性もあります。

そういうことです。
個人情報の扱いというのもやはりSNSの問題、危険性だったりするという感じです。

だからSNSは単純に安全なもの、楽しいもの、というわけではなく、やはり負の側面があるわけです。
もう10年、20年経っているとも言えますが、でもまだまだ進化しているし、使い方の幅も広がってるし、これからAIが出てきて、AIが人間のふりをして、おそらく情報発信するようになると思います。
そういう中でこれから僕らはどうなっていくのか、フェイクニュースとどう付き合っていくのか、暴力や性的なものとどう付き合っていくのか、依存性とどう付き合っていくのか、ポピュリズムとどう付き合っていくのか、そういうことが問われてくると思います。

それは子どもたちが使えばいいではなくて、色々な専門家、脳科学者、児童の専門家、教育学の学者、倫理学哲学の学者、技術者、企業サイド、政策運営者、国際政治の人、色々な人が議論をして、正しいあり方、法律規制のあり方を検討していくべきなんじゃないかなと思います。

ということで、今回はSNSの歴史とメンタルヘルスへ及ぼす悪影響、というテーマでお話しました。


2023.4.21

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