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性被害を受けた時にどうする? ジャニー喜多川氏の性加害に対する事務所対応

00:00 OP
00:34 これまでの経緯
04:14 事務所の対応
05:49 性被害の実際
08:29 相談、治療

性被害ワンストップ
#8891
0120-8891-77

本日は「ジャニーズ事務所の対応」というテーマでお話ししようと思います。

性被害があった場合、会社側は対応をした方がいいのかということです。
そういうことを皆さんと共有したり、お話ししたいと思います。
出来立てほやほやのニュースですね。

これまでの経緯

知らない方もいると思うので、最初からお話しすると、ジャニーズ事務所という日本の大きな芸能事務所がありますよね。
そこのトップであり、プロデューサーであったジャニー喜多川氏が、長年にわたり所属している少年たちに対して性加害を行っていたんじゃないということが、業界の中では噂として知られていた。

実際、裁判になったこともあるけれど、テレビや雑誌などのマスメディアは報道しなかったということがあったようです。2019年までの話ですね。
2019年にジャニーさんが亡くなったということです。

2023年3月にそのような実態をイギリスの報道局BBCがドキュメンタリーとして放送したんですよね。3月7日にイギリス英語圏で世界配信して、日本語版は3月18、19日に配信されたということです。

このような実態があった。しかも、それはグルーミングだったんじゃないかと言っているわけですね。
子どもたちに対して、上手くアメとムチを使い分けていたわけですよ。
性行為はするけれども優しくする。だから混乱するんですね。

酷いことをされてるんだけれども、一方で昼間は優しく振る舞ってくれる。
彼が上司であるということですよね。君たち芸能デビューしてスターになりたければ、お金持ちになりたければ、僕の言うことを聞くんだよ。
僕から嫌われたらスターになれないよ、ということを暗に示していた。忖度させていた実情がある。

あまりにもパワーが強かったので、テレビ局とかいろいろなマスメディアまで、ジャニー喜多川氏に対して忖度していたんですね。
その結果、彼の性加害は止まらなかったということです。

グルーミングというのは、アメとムチを使い分けられているので、相手を恨めない状況になっていることです。
そういうタレントさんが多かったということを報道しました。

4月12日に、被害を受けていた男性が記者会見を行うんです。
日本のマスメディアの前ではなく、日本にいる海外メディアの人に向けて会見を行った。
さすがに日本のテレビは良くないよね、BBCでこういうのが取り上げられているのを誰もニュースにしていないのはおかしいよねということで、インターネットに取り上げられた。
僕もYouTubeで取り上げたりしました。

それで今日ですね、4月22日に事務所側から今回の件を受けてこういう風に対応しますよということを、マスコミにFAXしたのかな、連絡が行ったということのようです。

事務所の対応

ジャニーズ事務所が言っていたのは大きく3点です。

今回の件は真摯に受け止めますよ、と。
タレント及び社員に対して会見前にもヒアリングをしたし、会見後にもう一度ヒアリングをし直しました。その結果、事件性のあるものは今のところ確認できていませんということです。

ただ、なかなか言い出せない人がいる。
こういう性的なトラウマに関することなので、言い出せない人もいるということがわかっているので、社内向けおよび退所された人に向けて、wしますということのようです。
相談窓口は、第三者による相談窓口を用意しますということでした。

そして、一人にパワーが集まり過ぎないように、社外取締役も置くようにしていきます、という形で連絡が入ったそうです。
もうちょっとことが明らかになっていったら、また連絡します、と。
そういうメッセージを送られたことのようです。

やれることはやり始めましたということのようです。
批判だけで終わるのではなく、こういう対応をしましたよということも動画にしていかないとフェアじゃないと思ったので、こういうニュースが出たので動画を撮りました。

性被害の実際

実際、性被害はどれくらいの人が遭っているのだろうということを見ると、正確なデータは出ないんですけれど、3割強の人は受けているんじゃないかなと思います。

女性だけじゃなくて、男性も含めてです。性的マイノリティの人も含めて3割ぐらい。
もしかしたらもっといるかもしれないですね。

実際、そこからうつになってしまうとか、PTSDのようになってしまう。傷がない人たちと言わないですよ、傷はあるんだけれども自分でコントロールできる人と、傷があった結果自分でコントロールできなくなるぐらいまで傷ついてしまう人というのは、ここから1割ぐらいなのかなと。

2~3%くらいの人は、PTSDとかそれに類するような形、うつ病だったりで苦しんでしまうということなのかなと思います。

僕もデータを見ていてよく思うのですが、この1割っていうのがミソだなと思います。
ミソというか、差別偏見がなくならないとか、理解が広がっていかないことのミソな気がします。

うつ病になる人も人口の1割ぐらいと言うじゃないですか。
1割ぐらいの人が苦しい思いをしている。だけど、残りの9割の人はなんとか我慢できたり、苦しんでいない。
こういう状況だと本当にこの1割の人たちの声は無視されがちですよね。

被害に遭っても、トラウマを呼び戻さないためにその人たちを批判するというのもあるんですよ。
被害を受けた人たちが、傷ついている人たちを見たくないがために否定したりすることがあるんですよね。

「お前は嘘をついている」「お前は我慢しろ」「俺だって我慢したんだから」「私たちだって我慢した」「お前らは苦しんでるふりをするな」と言ったりするんです。
それは自分を守るために否定していたりもする。

良くないけれど、そういう人間の本能というか、心のメカニズムはあるということを知ってもらいたい。
実際PTSDの人たちの否認というのもあります。

そして被害を受けた側が混乱して、混乱の中で、10代とか20代だと性的行為をすることも多いんですね。
その時には加害者にもなり得るわけで、なかなか複雑なメカニズムがあります。

相談、治療

治療としては、周りの人はその人を責めるのではなく、「あなたは悪くないんだ」ということをしっかり伝えることが重要です。

相談窓口もきちんとあるので、そこに連絡するのがいいですね。

性被害ワンストップ
#8891
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行政機関がいろいろ設置してくれているので、こういうのを利用するのがいいと思います。
警察に直接言っても、人によっては対応が難しい人たちもいるんですよね。

専門的知識がない人もたくさんいるし、性被害の問題がよくわからない人はまだまだたくさんいるので、専門窓口を利用するのがいいんじゃないかなと思います。

精神科の患者さんで性被害に遭う人は結構多いです。
例えば、発達障害の人で暗黙のルールがわからずに、ついつい危ないところへ行ってしまって性被害に遭ってしまう。
そんなつもりはないのに性被害に遭ってしまう。
相手はOKしたと思ってしまって性被害を受ける。

あとは、HSPというか不安障害の人ですよね。こういう人たちも性被害に遭いやすいです。
強くNOと言えないんですよね。強くNOと言えないので、周りはOKと判断してしまって被害を受けてしまうとかあるんですよね。

直接的なことは言えないんですよね、HSP傾向がある人たちは。
社交不安の人とか回避性パーソナリティー障害の人は嫌って言えないんですよ。
「嫌かもしれません…」みたいな感じで濁しちゃうんですよね。
でもわかってよという感じで言うんだけど、直接的な表現を使わないとわからないことは人間多いですから。
それで被害になってしまうこともあったりします。

でもそれは、あなたが発達障害だからダメとか回避性とか社交不安障害だからダメとかそういうわけじゃない。
でも、そういうことがあるよということです。

じゃあ何が言いたいんだという感じがするかもしれないですけれど、世の中というのは歯切れの悪いものになりがちですね。
複雑な問題なので、それを複雑な状態で扱わなきゃいけないと、歯切れが悪くなったりします。
これが問題だというのは結構わかりやすいんだけども、そこからどうやって立て直していくのか、どうやって良くしていくのかはなかなか直感的にはわかりにくかったり、スッと来なかったりします。

でもこういう相談窓口を設けるとか、国だって相談窓口を用意しているとかありますから、上手く利用して、被害を受けた人の心のケアをしていく。

加害者にはきちんと罰だったり、教育を受けてもらう。そして我々は知識をつけていくということが重要なのかなと思います。

今回は、ジャニーズの対応というテーマでお話ししました。


2023.4.22

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