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40代介護うつの女性。晩婚化、ワンオペ介護と苦悩

00:00 OP
01:40 晩婚の影響
03:31 世代ごとの価値観
06:12 自分の人生を決断する

https://youtu.be/wSn97-kpUBs

本日は「晩婚化、ワンオペ介護と苦悩」というテーマでお話ししようと思います。

40代女性の介護うつの話をしようかなと思います。
今回は半分は創作を入れますけど、ベースはABEMA TVで扱っていた人の話をしようかなと思います。

この女性の方は、A子さんとしましょうか。
僕も一回見てところどころ忘れちゃったので創作を入れて話しますけど、A子さんは、母親が38歳のときの子どもなんですよね。当時は結構遅いですよね。
今は結構普通かなという気がしますけど。

親が認知症になって14年くらい介護をしているということのようです。
介護をしていてうつっぽい状態が続いている。母親の面倒を見続けなきゃいけなくて、自分の人生を歩めなくて困っている、という話のようです。

父親も亡くなっているのかな。亡くなっていて姉もいるんだけれども、姉は母の介護の手伝いというか。資金的な援助はあるけれども、主にA子さんが母親の世話をずっとしているという感じですね。

晩婚の影響

晩婚の影響というのはどういうことなのかというと、介護の問題が早く始まるというのもありますよね。
この話題のように。

介護の問題は人によるんですけど、例えば60代くらいから病気しがちだったりすると、家族が一緒に来てくださいとか言われたりすることが結構多いんですよ。

手術が必要なので家族が一緒に来てくださいとか、入院の説明をするので家族が来てください。
入院する時の洋服とか、そういうものは家族の人が持ってきてくださいとかね。
そこから始まるので、若いときから付き添いなどで大変だったりします。
これが話の中心になります。

人間は一回病気になると、どんどん年を取るにつれて病気は増えて下り坂になってきますから、負担が多くなってきていくことになったりします。
子どもの時から結構つらかったという話をしています。

古い価値観だったということですね。
周りの子どもたちの教育よりも、親の価値観が古くてすごく支配的だったと。
母親の過干渉がすごくあったんだと。

年を取ると確かにしなやかさが減って、不安が強かったりとか、今っぽさに合わせられなかったり、リスクを恐れてしまうというのもあったりします。

世代ごとの価値観

臨床的な話ではこういうケースは珍しくないです。
ママ友ができにくくて子育てに悩んでしまう人が結構多いですね。
ひと回り下の世代だったりするので、子育て中のママさんたちが自分の相談がしにくかったりとか、聞けなかったりする。
例えば子どものSNSの扱い方や携帯の扱い方でも、「どうしよう」とわからないし、周りの人からも聞けないし、自分の価値観を押し付けちゃうことがあったりしますね。

子どもも参観日で、自分の親がおじいちゃんやおばあちゃんみたいで恥ずかしかったみたいなことがあったりします。あるみたいですね。

世代が上に行けば行くほど儒教カルチャーが強くて、子どもは親の面倒を見るべきだみたいな価値観が強い。
子どもはすごく親の教えに支配されてしまって、なかなか自分の人生を歩みにくいというのがあったりします。

アジア圏はやっぱりそうで、例えば台湾、中国、韓国、アジア系の人たちで日本で暮らしてる人もいるし、ハーフの人もいますけど、やっぱり儒教カルチャーが強くてそういうところだと親の面倒をしっかり見ろと教わっている。
いやいやと言って反発できる人はいいんだけど、反発できない子だと結構苦しい。
自分の時間を取れなくてヤングケアラーのようになってしまうこともあったりします。

認知症の親を自分一人で看て大変だったら、施設に入れたらいいんじゃないかと思うかもしれないけども、お金が足りないよね。

親の年金が厚生年金じゃなくて基礎年金だけだと6万ぐらいだったりするので、特養はなかなか入れない。
有料の老人施設だと月10~15万くらいから掛かったりしますし、入所のためのお金もあったりするからとても用意できないみたいなことがあったりします。
だから、やはり家族で面倒を見なきゃいけなくてっていうことがあったりする。これも結構ありますね。

とは言っても、晩婚が全て悪いかというとそういうわけじゃなくて、若いうちに産むと貧困の問題だったり、親の精神が未熟だったりして虐待の問題が生まれたりいろいろあったりするので、必ずしも晩婚が悪いわけじゃないんだけれども、まあそういうこともあるなということですね。

自分の人生を決断する

番組でも言ってましたけど、世帯分離して生活保護を取るのがあるんじゃないかとかコメント欄とかでもありました。

自分の人生のために世帯分離して生活保護を親に取ってもらって、その中で何とかすれば、もっと自分の時間を作れるんじゃないの、みたいなこと言っていました。
これもなかなか難しかったり、そういう決断ができない人は多くいますね。

できない背景には、多様な生き方や多様な価値観、いろいろな生き方があるということがやっぱり経験していないからわからないんですよね。
理屈ではわかるけど、なかなかできない。親の教えに支配され過ぎている。
親の過干渉に支配され過ぎちゃっていて、なかなか自分の人生を生きることを決断できないでいるということはよくあります。

「もう別にいいんですよ」「私はもうこういう人生だと諦めてますから」「親の介護が終わったらもう自殺します」みたいなこと言ってしまう人はたくさんいます。 。
だからどうしたらいいのかなと思いつつ、いろんな話をしますけどね。

結局、そういう交流の乏しさ、親も乏しかったし母子密着みたいな問題があるし、そして自分もそこに支配されていた、ヤングケアラーだったから交流を持てなくて他の生き方を学べなかったというもある。
そういうことがあるから男女関係をうまく発展させることができなくて、とかもあるだろうし。

この人の話じゃないですよ。
これは僕の臨床ケースの話をちょっと多めに喋ってますけど、後半はそういう話していますけど、あるなと思いますね。

でも、多様な生き方とか、自分の人生をどう受け入れるのかとかありますね。
でもなかなか失った時間は戻せなかったりもするので、知らない方が楽だったというケースもあるし、なかなかね難しいんですよ。ワンオペ介護の問題はね。

でもこういうことを取り上げることによって、恐らく同じような体験をしている人が見ていると思うんですよね。
そうするとコメント欄に出てくると思うので、そういう意味で交流してもらったり、自分だけじゃないんだとわかってもらいたいです。
自助会もやってますから、どういうことを考えるべきなのかは一緒に考えていけたらなと思います。

ということで、今回はワンオペ介護やうつをテーマにお話ししました。


2023.5.20

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