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他人からの悪口が気になる人を解説、悪口を言う人の特徴は? どうしたら気にならない?

00:00 OP
00:58 ストレスを抱えている
05:55 相手の問題だったりする
08:52 関わらないことは不可能

本日は「悪口が気になる」というテーマで動画を撮ってみようと思います。

臨床でもよく聞く話題ですね。
「誰かに悪口言われてるんじゃないか」「誰々さんから悪口を言われた」「指導を受けた」「侮辱された」とか、それがこれから起きるんじゃないかと思って不安だったり、前に悪口を言われて傷ついたということだったり、過去に言われたことを忘れられないということだったり、いろいろあります。

実際どう考えていくべきなのか。
どういう風に嫌われたり、悪口を言われたりしたことを解消すべきなのか、ということを話をしてみようかなと思います。

ストレスを抱えている

まずなぜ人が悪口を言うかですよね。
何で相手はそんなこと言ったのかということです。

何かストレスを感じているからストレスを解消しようと思って、それを相手にぶつけるんですよね。
自分より立場が弱い人だったり、自分より弱かったり、自分の方が正しいと思って、誰かに何かをぶつけるんですよね。
だからストレスを感じている状態であるということです。

だいたいどんなストレスが多いかというと、イライラの原因は大きくこの3つに分けられるんじゃないかなと思います。

一つは思い通りにならないことです。
自分の思い通りに何かをこなせない、うまく仕事がいかない、うまくダイエットできない、うまく目標を達成できない、自分をコントロールできない感じですよね。
自分をコントロールできない、周りをコントロールできないと感じてイライラしたりします。

また、ストレスの原因としては、対人不安やトラウマの問題がありますよね。
相手に対する不安だったり、何かひどいことをされるんじゃないかとか、まさに悪口を言われるというのはその通りなんですけれども、そういうものですよね。
人間関係のストレスというのもあると思います。

あとよくあるのが劣等感です。
自分は何かができない、他の人より劣っているんじゃないか、自分は弱い人間だ、これができないんじゃないか。

この3つがよく臨床でも話題に出てきますし、大きなストレスはこのどれかなんじゃないかという気がします。

これらは相互に影響し合うんですよ。
自分は弱い、誰かより劣っている、成功できない、だから自分は駄目なんだ。だから努力しなきゃいけない。
だけど努力にも限界があるわけですよね。
自分を100%コントロールすることはできない。寝ないで努力することもできないし、食欲を抑えて自分をコントロールしようと思ってもできない。思い通りにならない。だからストレスを感じる。

「自分はダメな奴なんだ、だからまたいじめられるんじゃないか」という不安があったり。
劣等感が影響を与えるんですよね。
自分は嫌われているんだと。嫌われている自分は最低な人間なんだ。
自分は嫌われているけど他人と仲良くしたい、でもうまくいかない、思い通りにならないとか、こういうことは関係があります。

この3つは一見別のものなんだけれども、深いところではつながっていたりします。
だから劣等感だけ解決しようと思っても無理なんですよ。
自信を持ちなさいと言っても、これだけでは解決できなくて、自信を持つためには思い通りにすること、小さな成功体験が必要だし、自信を持つためには誰かから愛されたりとか、トラウマを解決していかなければいけないです。

トラウマを解決するためには、自己肯定感を増やしていく。
自分のことを愛せるようにならなければいけないし、成功体験を積まなければいけない。
でも成功体験をする、自分をコントロールして成功するためには、自分は頑張れるんだ、自分には価値があるんだ、努力するだけの意味があるんだと思わないといけない。
成功した後にはみんなに認められるとか、協力してくれる仲間がいるとか、そういうものがなければいけないんですよね。

だからこれ1個だけというわけにいかなくて、全体を見つつ、全体のレベルを少しずつ底上げしていかないと解決していかないということです。

これはよくある人間の悩みですね。
この悩みがあって、批判する人は相手に怒るわけですよ。
つまり、思い通りにならないからイライラして、自己中心的になって相手を怒る。相手に対して悪口を言う。

過去の対人関係のトラウマや嫌な思い出があるから、今回もまた起きるんじゃないかということで、見ず知らずの人や関係ない人にまで、その時の思いをぶつける。
子供の時に母親からガミガミ怒られたから同じようなことを部下にするとかね。
子供の時に身長の高い男の人にいじめられたことがあるから、新入社員の体の大きいスポーツマンの部下を怒るとかね。いじめ返してやるということをしたりします。

あとは劣等感ですね。劣等感があるから嫉妬する。
嫉妬して相手に対して意地悪なことを言ったりする。こういうのもよくありますね。
だからなんかね、一見「いやいや、嫉妬なんかせずにお前が悪いんだよ」とか言っているかもしれないけれども、よくよく話を聞いたりすると、「そんなことでそんなに怒る?」みたいなことがあるわけで。
そんなことでそんなに怒るの?と思う裏には、やっぱり嫉妬みたいなものがあったりしますね。

相手の問題だったりする

まあ、結局はですね。アドラーの嫌われる勇気じゃないですけど、まあ相手の問題ですよね。
だいたい悪口というのは自分の問題というよりは、相手の問題だったりします。

もちろん火のない所には煙が立たないように、自分にも負い目があるんですよね。
「ああ、ここが自分のダメだったところだな」とか自分の過去の記憶を思い出して、「あの時も自分ってこういう悪いところがあって、前も誰かから言われちゃったな、また今回も言われちゃったのか」とかね。
「やっぱり自分ってうまくやれてないよな」「やっぱり仕事を失敗しちゃったな」とか。

一見相手から悪口を言われているんだけど、相手の内容というよりは自分の内面や心のスイッチというか、記憶のドアを開かれるような感じで、全部話を聞いているわけじゃないですよね。
相手の話に傷ついているというよりは、自分の過去、自分の中のスイッチを押されているだけという感じもするし、相手も怒っているというよりは、自分の中のスイッチを押して相手にそれをただぶつけているという感じですね。

悪口は正しいディスカッションでもないので、まあ別にどうでもいいんじゃないかって、僕は精神科医になった今は特にそう思います。まあ、相手の問題だしなとか思っちゃいますね。

「益田ね、ヘラヘラ動画撮るなよ」「ヘラヘラ喋るな」と言われることもありますけど、まあでもそれが僕だし仕方ないじゃないかという気もします。
うーん、仕方ないよね。だって僕こんなに頑張っても文句を言われているんだから、何なんだって感じもする。
じゃあお前がやれよって言いたくもなるけれど、それも何か意地悪だしなと思ったりもするし。

早く僕以外の精神科医YouTuberがもっと人気が出て再生回数を取っていけば、相性の良い精神科医の話が聞けるんじゃないかなとか思ったりもします。
まあでも今は少なくとも僕が結構取っているので、再生回数を。
僕は頑張り続けるというかね、負ける気はないというかね、思ったりしますけどね。でもまあ、そういうことですよ。
そうやって自分のことを強く持つことは大事ですね。
でも多くの人はそうじゃなくて、そんな悪口をぶつけてくんなよみたいな、注意をこっちへ向けて欲しくないと思うんじゃないかなと思います。

「益田はね、YouTubeまでして、自分の顔を出して自分で喋って言いたいこと言ってるんだから、注意を集めているんだから、自分から注意を集めに行ってるんだから悪口は当然だろう?」とか、「そんなの言われたっていいじゃないか」と思うと思うんですよね。
「でも僕は思ってない。とにかく褒められることも欲しくないから、注意を向けてほしくないんだ」と思っている人たちも多いと思います。
たかが仕事なんだから、そんなに深く入ってきてほしくないと思っていると思うんですよ。

関わらないことは不可能

だけどこれは叶わない欲望だったりします。
本当に関わらないことはできるんですかと言うと、やっぱり人間は群れの動物なので、互いに無関心な動物ではないんですよね。
互いに関心があることで成り立っている動物なので、関わらないということは不可能なんじゃないかなという気がします。

「サピエンス全史」じゃないですけど、ホモ・サピエンスは他の人類種を駆逐してしまったんです。
他の人類種よりもコミュニケーション能力や互いに嫉妬するとか、互いに関心があるという能力が高かったみたいですね。
腕力とか頭脳では、今の僕らのホモ・サピエンスよりも優秀な人類はおそらくたくさんいたんだけども、僕らは連携することは得意だった。他の人類よりもね。

ホモサピエンスは連携するのが得意だったので、他の人類種を全滅させたという経緯があるみたいですけれど、とにかく関わらないことは不可能ですね。
じゃあ、もっと悪口を言わないように教育していくべきだと思うかもしれないけれど、そもそも人類史上そんなことなかったんだよね。

心の理解をしていくことで悪口がなくなると思うかもしれないけど、これもないんですよね。
例えば精神医学を皆が理解すれば世の中は良くなると僕は言っているし、そう思っていますけども、でも限界はありますよね。

なぜなら全員が、例えば仏教の教えを信じてたとか、理解した時期というのはないだろうし、理解していたとしても悪口がなかい時はなかったわけで。
そう考えると色々な道徳とか哲学とかを理解して、確実に全員に普及することは不可能です。

プラスそれが何て言うのかな、普及したところでというのもあるんじゃないかなと思います。
こうだったらな、こういう風にしたらいいのになとか、悪口を言う人がいなくなればいいのにな、ということを考えても、考えたりするのは大事なんだけども、まあ限界はあるよねという気がします。

だからどちらかと言うと、僕らが考えるべきことというのは、臨床として考えるべきことはどうやってこの人たちと付き合っていくのかとか、どうやってすり抜けていくかということなんですよね。
意地悪な言い方かもしれないけれど、周りは雨に濡れても自分たちは傘をさせるようなものを作っておけばいいんですよ。

悪口を言われないように身をかわす術や、悪口を一方的に言われないように牽制する方法とか、そういうことを覚えていく。
そして、相手と距離を取ることを覚えていくというのが重要だと思いますね。

精神科の患者さんとか悩んでいる人たちが、社会全体を変えようとまで思う必要は、思うのは大事だと思いますし、皆で変えていこうってのは大事なんだけれども、一方で自分自身のことだけを考えて、とにかく自分で身を守る。

全体を変えていこうとか、根本的に変えていこうというよりは、とにかくまず自分が傘をさせるように治していくということもとても重要です。

そして「傘」とは何かというと、こういうメカニズムを知っておくこと。
だからどうしたんだ、お前の問題だろうという感じで切り返していける。
何言ってるんだこいつは、と思える。
お前の嫉妬だろう、とかね。
お前のトラウマに付き合うつもりはないよ、みたいな。
なんで思い通りしようとしているんだよ、とか。
そういう風に面従腹背で思えればいいんじゃないかなと思います。

今回は、悪口が気になる、をテーマに動画を撮りました。


2023.8.1

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