東西線「早稲田駅」徒歩1分。夜間・土曜も診療。心療内科・精神科。自立支援対応

WEB予約はこちら

再診患者専用

03-6233-9538

予約制:木・日・祝休診

0362339538
初診WEB予約

  

再診患者専用TEL

03-6233-9538

うつ病と希死念慮

00:00 OP
00:47 うつ病とは
02:59 時間と薬だけでは良くならないもの
04:30 どうすれば良いのか

本日は「うつ病と希死念慮」というテーマでお話しします。

毎週日曜日は「死」、英語でいうdeathなんですけど、死をテーマに扱っているのですが、今週から病気ごとに希死念慮、死にたいという気持ちを扱ってみようかなと思います。

第一弾はうつ病です。
うつ病と希死念慮というテーマでお話しします。

うつ病とは

うつ病はどんな病気か簡単に言うと、ストレスなどの慢性的な脳への負担、炎症、疲労によって常に落ち込んでしまうような状態になってしまう病気です。
エネルギーが出なくなる感じです。
薬を使いながらしっかり休めば3ヶ月、半年で良くなっていくんですけど、そういう病気です。

ただ、繰り返すんですよね。
良くなったなと思ったらまた落ち込む、そういう病気です。

「死にたいな」という気持ちに支配されてしまうんです。
これは病気が重くなればなるほど、うつがひどくなると、そういう風になってしまうということです。
これはうつ病の症状だったりします。

じゃあどうして死にたいんですか、と聞くと、「元気が出ないから死にたいんです」「これがずっと続くんじゃないかと思ってます」「集中力、意欲が出ないから死にたいんです」「食欲が出ないから死にたいです」「寝れないから死にたいです」「自分は仕事ができないんじゃないか」「自分は価値がないんじゃないかという自責感を持ってしまい死にたいです」とかあります。

これらは基本的にうつの症状です。うつ病の症状なので良くなります。
時間と薬によって良くなるので、少し今は待ってくださいみたいなことを言います。
そうするとこの希死念慮も改善していきます。

うつ病の症状で、なかなか時間や薬だけでは良くならないものとしては、例えば痛みとかありますね。
痛みを感じるタイプのうつ病の人もいるんですよ。
痛みはなかなか時間と薬だけでは良くならないこともあります。
もちろん休養と薬物療法によって痛みが取れることも多いんですが、なかなか取れないタイプのうつ病もあったりしますよということです。

■時間と薬だけでは良くならないもの

時間と薬だけでは良くならないものは、どういうことかというお話しをします。

例えば親子問題です。
親が自分のことを愛してくれない、親が自分のことを否定し続けてくる、そういう親子問題、大人になってもなおトラウマに支配されてしまうという問題。

夫婦問題ですよね。
夫からのDV、夫の発達障害の問題で共感してくれない、理解してくれないという問題。

子育ての問題。
子供に障害がある、疾患がある。発達障害の問題があって自分の衝動性をコントロールできない、育てにくいとか。
お金の問題も絡んできますかね。
なかなかお金がないとか、ないから育てるのが大変だとか。
あとは自分の時間を持てない、体力的な問題ですね。
こちらの体力的な問題で仕事と子育てを両立できない、子供にエネルギーを吸われて十分にできない、他の人よりも自分は体力がなくて、子育ての負担が大きすぎるなどあったり。

仕事・能力問題ですね。
自分は他よりできない。
現実的に仕事が得意じゃない人もたくさんいるので、そういう問題を抱えているとかあったりします。

これらはもちろん時間と薬だけでは良くならないです。

どうすれば良いのか

こういう問題に対して、じゃあどうしていくのかということです。
こういう問題があるから死んでしまいたい、自分のうつは良くならないと思っている場合、実際良くならない場合はどうしていけばいいのかというと、本人が持っている行動パターン、世界観、考え方、価値観、環境、今本人の周りにある現実的な環境を変えてあげる必要があります。

そうしないとやはり思い悩んでしまうんです。
同じ問題を抱えていても、僕だったら悩まないなということもあるんですね。
その人だから、白黒思考だったり、完璧主義だったりして悩んでしまう。

別に僕は医師免許を持っているから悩まないとか、僕は男だから悩まないとかじゃなくて、考え方一つでその問題についてそこまで悩まなかったり、受け入れられたり、そんなもんやろな、みたいな形で問題を切り離すことができるわけなんです。

実際にそういうことは結構多いですよ。
やはり臨床していて、もし同じ立場で同じことがあっても、僕だったらそこには悩まないなということもありますから。
そういうものというのはやはり世界観ないし価値観だったり、考え方がちょっと極端だったりしますね。
いわゆる認知のゆがみがあるという言い方をしますが、それを修正していってあげる必要があります。
白黒思考とか完璧主義は直していく必要がある。

なので時間や薬だけじゃなく認知行動療法をしたり、マインドフルネス、自分の感情や自分の心の中に浮かんでくるもの、自分自身を見つめる、瞑想とか祈りのようなことです、ある種の宗教的な儀式にも似ているんですけれど、そういうものを通じて自分の脳の中で起きている自己というものを観察するテクニック、それを眺める、そこから自分を理解するというテクニックを身につけてもらう。

そうすることで、これらの問題を別の見方で捉えることができます。
同じような問題があっても、別の見方ができるようなる。
別の見方ができるようになると別のアプローチを取れるようになりますので、そうすると今抱えている問題も小さくすることができると期待します。
結果的にうつが良くなるということもあったりしますし、死にたいという気持ちもなくなっていくということですね。

色々なものがありますし、色々なタイプの絶望があるとは思います。
それは別に、お前はそんなことを言うかもしれないけれど、お前だって私たちと同じ立場だったらどうなんだとおっしゃるのもよく分かりますが、一方で、僕だったらこうだな、と思うこともたくさんあるので、なぜそう思えるようになったのか、なぜ僕はそう思うようになったのかというのは、精神医学だったり医学を勉強してきたわけで。

でもそれが勉強できてきたというのはまあ、そういう運ですね、幸運に恵まれてきたからというのもあるし、医師として仕事をできてきたからというのもありますから、別に自分が偉いというわけではないとは思いますけど、だからそのエッセンスを皆さんに伝えることで、皆さんも自分の考え、価値観、世界観を少し変えてあげる。
そして行動パターンとか環境を変えてあげる。
そしたらもっと楽になりますから、そういう風なことをやってもらえたらなと思います。

今回は、うつ病と希死念慮というテーマでお話ししました。


2023.8.20

© 2018 早稲田メンタルクリニック All Rights Reserved.