東西線「早稲田駅」徒歩1分。夜間・土曜も診療。心療内科・精神科。自立支援対応

WEB予約はこちら

再診患者専用

03-6233-9538

予約制:木・日・祝休診

0362339538
初診WEB予約

  

再診患者専用TEL

03-6233-9538

統合失調症と自殺

00:00 OP
00:28 自殺リスク
01:31 統合失調症とは
04:05 なぜ自殺を考えてしまうのか

本日は「統合失調症と自殺」というテーマでお話しします。
毎週日曜日は自殺や死をテーマに動画を撮っているんですが、本日は統合失調症という疾患と自殺の関係性を深掘りします。

自殺リスク

統合失調症は、一般の人たちと比べて自殺リスク高く、おおよそ4倍だと言われています。
普通の人が自殺で亡くなるよりも4倍のリスクがあるということです。

統合失調症を発症した人の中で約5%が自殺で亡くなるんです。
一般人口の1%強が自殺で亡くなるので、その4倍だということで5%ぐらいが亡くなるということなので、まあそういうことです。

全自殺者の10%が統合失調症みたいな記載もありました。
統計データの取り方によってちょっと変わるのだと思いますが、そういうことになりますね。

これはUpToDateから引っ張ってきました。
UpToDateはアメリカの教科書、ネットの教科書なんですが、そこから引用させてもらったという感じです。

統合失調症とは

そもそも統合失調症はどういう病気かということから振り返って話したいと思うんですが、統合失調症は脳の病気で、主に脳内のドパミン系に異常がある病気と考えられています。
ドパミンをよく使う神経系に異常が起きて、その結果、幻覚妄想が出現したり、うつっぽくなったりする病気です。

およそ10代、20代の発症が多いんです。
男性の方がちょっと若くして発症して、女性の方が20代後半とか30代で発症が多かったりするんですけど、基本的には若い時に発症するものです。

人口の1%くらいが発症する病気で、珍しくないんですよ。
防衛医大で僕も寮生活してたので分かるんですけど、やはり1%ぐらいの人、2学年に1人ぐらいは統合失調症を患ってたかな、という気がします。
在学中に発症してしまう人も珍しくなかったという感じです。

どういうものがあると統合失調症を発症しやすくなるかというと、感染症です。
インフルエンザとか色んな各種感染症に罹ることでリスクが上がる、と言われてます。
妊娠中とか赤ん坊の時とかですね。

あとは大麻とかタバコとかは発症のリスクを上げると言われてます。
母親が妊娠中にそういうものを使用している、彼らが10代、20代の時、若い時にこういうものを使ってしまうと発症リスクが高くなってしまうと言われてます。

あとは幼少期の虐待ですね。
虐待によって強いストレスを感じていると、その後、統合失調症発症率が上がってしまうと言われています。

あとですね、UpToDateからちょっと面白いものを引っ張ってきたんですが、2011年のアメリカでは若者の13%ぐらいが自殺を計画したことがあって、実際8%位が自殺を試みたことがあるみたいです。自殺ってやはり多いんですね。
自殺を考えたり行動に移そうという人が多いということです。

なぜ自殺を考えてしまうのか

統合失調症と自殺というテーマなんですけど、じゃあなぜ統合失調症の人が自殺を考えてしまうのか、試みるのか、ということをお話しします。

まずは幻覚妄想という病気の症状から、そのような行動をしてしまうパターンですね。
ずっとうるさいんですよ、幻聴って。
「死ね」とか「殺す」とか、そういう声が聞こえてきて、耐えかねて殺される前に自分で死んでやろうと思って自殺するパターンですね。

あと被害妄想です。
「お前を殺しに行くからな」とかそういう妄想に支配されてしまって、自分でやってしまうということがあったりします。
後は家族に毒を盛られているんじゃないかと、そういう風に怖くなっていくんですよ。
そういう被害妄想に支配されるようになってしまうことが多いです。

あとはその幻覚妄想が薬物治療によって落ち着いたあと、うつっぽくなるんです、陰性症状といって。
うつっぽさや不安から不安障害のようになったり合併したりするんですけど、これらから自殺を考えてしまう、落ち込んでしまい、死にたくなってしまって、行動を起こしてしまうというパターンもあります。

あとは依存症など合併症の影響で死にたくなってしまう。
例えばギャンブル依存だったり、アルコール依存だったり、違法薬物の薬物依存だったり、それらの影響で自殺を考えてしまうことも多いようです。

あと偏見や差別ですね。
統合失調症の人に対する偏見や差別から、なかなか社会に居場所がなくて自殺を考える。

後は居場所がなくて家にこもるパターンですね。
ひきこもりとか孤独で苦しみ、自殺を考えるというパターンがあったり。

抗精神病薬はドパミンをブロックするんですが、その影響で足がムズムズするという症状が出ることがあるんです。
これアカシジアというんですけど、このアカシジアの症状がひどくて、そのムズムズに耐えかねて自殺を考えてしまうということも多いようです。

適切に治療をしていく、適切にカウンセリングとか心理療法をすることで、これらは減らせますし、デイケアとか、そういう福祉を導入していく、作業療法などを導入することで、孤独を癒すとか色んなやり方がありますから、そういう治療をしっかり入れる、しっかり治療に乗せることで、これらの自殺は防げるのかなと思います。

本日は、統合失調症と自殺、というテーマでお話ししました。


2023.9.3

© 2018 早稲田メンタルクリニック All Rights Reserved.