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PTSDと自殺

00:00 OP
00:33 PTSDとは
07:07 PTSDの問題
09:58 自分が悪いと思わなかった場合

本日は「PTSDと自殺」というテーマでお話ししようと思います。

PTSDは聞いたことない人もいるかもしれませんね。
PTSDとは何かというと、Post Traumatic Stress Disorderで、日本語で言うと「心的外傷後ストレス障害」という病気です。PTSDという名前の方が一般的かなと思いますね。

PTSDとは

どんな病気かというと、記憶の病気なんですね。
すごく嫌なこと、すごく怖いことがあった時にそれを忘れられず、常に頭のどこかに引っかかっているという病気なんですよね。

すごく嫌なこととは何かというと、死にそうになる体験、災害、性的な被害、レイプ、犯罪に巻き込まれたり、両親からの虐待とかだったりします。
それが忘れられないということですね。

頭の中ではもうこの事故は起きないんだとか、こんなことはもう起きないんだとわかっているんですね。
わかってるんだけれども、無意識では分からないんですよね。
だから常に引っかかっている感じ、常に危機感があるような感じになるということです。

僕らもありますよね。テスト前とか大事な試合前とか、仕事の大事なプレゼン前とかね。何か引っ掛かって落ち着かないじゃないですか。
休みの日であっても落ち着かないし、何かやっていても落ち着かない。
準備は随分できたしもう大丈夫なんだと言い聞かせても、常にピリピリしている。
それの100倍苦しい感じです。そういう風にイメージしてください。

具体的にはどんなことがあるかというと、フラッシュバックと呼ばれるものがあります。
あの時の嫌なことを生々しくバッと思い出す。
生々しく思い出す、映像と共に思い出すのをフラッシュバックと言うし、そうじゃなくてもその時の気持ちだけ思い出したり、その時の雰囲気を思い出したりする、悪夢として現れたりするというのも同じように侵入体験と呼ばれたりします。

あとは、常にテスト前というか、常にあるわけですよ。
だから何か覚醒している。落ち着かない感じというのがあります。
いつでも逃げられるような感じで覚醒していて、またあそこに行ったら嫌なことが起きるんじゃないかなと常に思っている。
何があそこに行くと嫌なことがありそうだな、あそこに行くと事故に遭いそうだな、あそこに行くとなんか犯罪に遭いそうだ、だから避けようとか言って、常に予防線を張って回避的に行動するような感じです。

あとは疲れちゃいますよね。そんなことやっていると。
疲れてしまっているので、心身の疲労状態になってうつっぽくなっている、落ち込んでいたり、疲れ果ててね妙にイライラしている。
こういう病気ですね。

だからめちゃくちゃ苦しいですよね。
苦しいんですよ。常にテスト前みたいな感じだからね。落ち着かないですよね。
テスト前より酷いからね。もちろんね。
常にプレゼン前というかなんかずっと落ち着かない感じで、それが10年、20年続くものだからやっぱり一般の人よりも自殺で亡くなる人は多いということです。

統計的にどれぐらい多いのかは見つけられなかったので、ハテナとさせてください。
ただPTSDという概念は比較的最近のものですし、まだまだ正しく診断されていないんじゃないかなと思います。
日本国内だけじゃなくて、海外も含めてトラウマの問題はオープンにされていないし、きちんと診断されてないと思います。
受診つながっていないケースも多いです。
もし統計が出たとしても、実際はもっと高いデータになるだろうなと思っています。

あとは、子供の時にガツンとやられてしまうので、現実検討がうまくいかない時に激しく現実感とか世界観を崩される体験をするものだから、解離と呼ばれるような症状が起きるんですよね。

解離とは、多重人格みたいに人格が変わってしまうとか、健忘、その時の記憶がごっそり抜けてしまう、記憶喪失みたいになってしまう。
あと手が動かないとか体の一部が動かないとか、そういうものだったりします。
こういう症状を伴う人の場合は、自殺率がより高いと言われています。

あとは依存症も多いんですよ。
うつ病とか他の合併症もあるんですけども、特に依存症だと自殺率が高かったりします。
依存症になぜなるかというと、落ち着かないんですよね。常に落ち着かないからお酒を飲まないと落ち着かないんですよ。例えばね。

わかりますよね。僕もそういうタイプだからわかるんですけど、仕事が終わった後も何か家に帰っても仕事しなきゃなとか、家に帰った後もYouTubeはなとか思いがちなんですよね。
お酒を飲むともうYouTubeを撮れない、仕事できないじゃないですか。
お酒飲むとリラックスできる。だから休むためにお酒を飲むしかないみたいな感じで。リラックスするためにはお酒を飲むみたいなことになるんですね。
お酒を飲んでない時間はこういう記憶に支配されてしまって苦しいので、お酒を飲むと楽になると。
だからお酒をやめられなくて依存症になってしまう。

またお酒を飲んでいると仕事ができないし、他の問題が片付かないんですね。
なので借金が膨れるようなものです。
仕事がどんどん溜まってしまう、やらなきゃいけないことがどんどん増えちゃうんですよ。
人生の負債がたまっていく。
酔っ払っている時はいいかもしれないけれど、しらふになると突然人生の負債や記憶の問題が目の前に現れてきて苦しくなっちゃう。
苦しいからまた飲む。だけどまたしらふに戻ると前回よりもさらに大きく負債は膨れ上がったりするので、にっちもさっちもいかなくなって死を選ぶことも多いです。

これは別にお酒だけじゃなくてギャンブルだったり。ギャンブルをしている間は忘れられるとか、大麻とか覚醒剤だったり、性行為や恋愛、性依存、過食嘔吐、見た目のことだけ気にしていれば他のことを考えなくて済む整形依存、買い物依存、色々あります。

僕は今、そうは言っても3年前から断酒してますからね。そろそろ4年になるのかな。
なのでご安心くださいね。

PTSDの問題

PTSDの問題を少し話しますが、やはり過小診断されているんじゃないかなと思いますね。
じゃあどういう風に診断されているかというと、うつ病、双極性障害、気分変調症、パニック障害という診断の中にPTSDが隠れているのではないかなと思います。

パニック発作だと言ってるんだけど、実はフラッシュバックだったということが結構多いんですよね。
自分で言わないんですよ。そういう体験があったとか。
過呼吸になっている時に、苦しい時に、過去の嫌なことを思い出していたとかはあんまり言わないんですよ。言えないんですよ。

性的な被害に遭っていて、その時のことを思い出した。
電車に乗ってたら突然それを思い出して苦しくなってしまったんだと、そこまで言わないんですよね。
ただ苦しいというところだけは言うんだけども、思い出してしまって苦しくなったの、思い出して、がなかなか言えないんですよね。
だからパニック障害と診断されたりとかしていることも多いのかなと思います。

あとは上司から詰められたとか、パワハラを受けたといった時に、それを思い出して過呼吸になったといっても、それをトラウマとして判定されない。
今の診断基準だと判定されず、PTSDと診断されないケースとかもあったりするのかなと思います。
でも会社によってはヤクザみたいな会社もあったり、本当に詰め寄るみたいなところもありますから、うーんとか思ったりしますけど。
でも今の診断基準ではパニック障害と診断されがちです。
芸能人はパニック障害が多いですけれども、あれは本当にパニック障害だったんですかということですよね。

あとは差別偏見です。差別偏見が多いんですよ。
トラウマの話をすると差別されるとかそういう問題もあるし、そのトラウマの内容ですよね。
災害とかそういうものであれば皆が同情してくれやすいかもしれないけれども、それが性的な被害だったり親からのものだったりとかするとなかなか言えなかったりします。
あとは会社からの圧があったりすると言えなかったりします。

あとは自己評価と世界観ですね。
PTSDの人たちの自己評価はすごく低くて、世界観もすごくネガティブで救いようがない世界観であることが多いです。
もう自殺以外考えられない。救いというものはないんじゃないかと思い込んでいるケースも多いなと思います。

自分が悪いと思わなかった場合

これはなぜかという話をします。
例えば「自分が悪い」と思わなかった場合、どうなってしまうかですよね。

トラウマがあって、自分が悪くない場合、親が悪いわけですよ。
親が100%悪いんだったら、安心できる場所がないということなんですよね。子供の時は。
安心できる場所がないわけだから、安心できる場所だと思うためには親は悪くてもそこまで悪くないと思わなきゃいけない。
悪いのは自分だと思わないと破綻しちゃうんですよね。
なので自分を悪いと思いがちだったりします。

あとは自分は悪くなくて運の問題だったんだとした場合、あまりにも理不尽じゃないかということですよね。
1万人に一人はこんなことに遭うよと思っても、いくら理屈で思おうとしても、やっぱり思えないわけですよ。
運だから仕方ないよねじゃ済まないわけですね。たった一回の人生なわけですから。

強烈な怒りを持つわけですね。
苦しめば苦しむほど、落ち込めば落ち込むほど、隠れた怒りというのは蓄積されていて、その怒りが普段は自分に向かって、自分が悪いということで抑えられているんだけど、それが本当に向かうべきところに向かった場合、社会だったり、親に向かった場合は破綻しちゃうんですよね。

だから破綻させないために自分が悪いと思っていることが結構あります。

でもこれを「そうじゃないよね」という形にした時には、やっぱりこのシステムですよね。
自分が悪いと思うことで成立していたシステムを破壊することになるので、治療はすごく難しくて難航するんですよ。

だけど、PTSDの治療を進めていくためには、「自分はそんなに悪くなかった」というところを気づかなければいけないし、受け入れなきゃいけないんですよね。
だけどシステムが破壊されてしまうので、外側からしっかり埋めつつ自分を肯定していくということになります。

理不尽な運命を受け入れるのは難しいんですよね。
昔はキリスト教の旧約聖書にあるヨブ記のように、神の信仰という言葉でその理不尽さや過酷な運命を人類は乗り越えたり、受け入れようとしてきたんですけれども、現代の日本人にはやはりなかなか神とか信仰というのはなじみがないし、理解しがたいというか受け入れがたいものだと思うので、そういう中でこの理不尽さをどう受け入れていくのか。
受け入れた上で自分の人生を生きる。
他人と比較するのではなく、自分の人生を生きられるようになるのかというのは結構難しいテーマだなと思います。

今回はPTSDと自殺というテーマでお話ししました。


2023.9.17

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