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主観2.0~なぜ認知が歪むのか? メンタルヘルス大全第一部第2章

00:00 OP
01:07 認知の歪みに影響するもの
05:18 知識が重要

本日はⅠ部の2章、主観2.0の続きをやっていこうと思います。

人間はあるがままの姿を見ているわけではなく、主観でものを見ているんです。
フィルターがかかっているんですよ。
フィルターがかかっているので、白黒思考だったり、被害的だったり、回避的だったりするんです。
いわゆる認知の歪みというものがあったりします。

患者さんじゃなくてもみんなそうですけど、歪んでものを見ているんですね。
歪めてモノを見ている。
特に患者さんは歪めて見た結果、歪めて見過ぎるがゆえに、色々なトラブルを引き起こしたり、ストレスがたまりやすかったり、疲れやすかったりするということです。

この認知の歪みというのは、そもそもどういうことなのか、どういうものが影響して我々はあるがままを見るのではなくて、バイアスをかけて、誤ってものを見てしまうのか、ということをお話しします。

認知の歪みに影響するもの

1つ目は体調です。
そのときの体調によって見えるものは変わるんです。

例えばお腹が空いているときにラーメンを食べたらおいしい、というのと一緒で、お腹が空いているときには食べ物がおいしそうに見えたりします。
それと同じで、疲れているときというのはネガティブにものを考えやすいし、不安を感じやすかったりします。
あとは被害的にものが見えたりしますよね。
体調というのは結構影響します。

次に知的能力です。
知的能力に応じて見える範囲が違います。
能力が高い人は色々なものが一度にバッと見えるし、知的能力が低い、もしくは問題があると、一度に見えるもの、吸収できるものは小さくなったりします。
あとは覚えていられる量も違うんです。
一度にパッと入ってきて覚えていられる量というのも、ワーキングメモリーの量も違うので、見え方が違うということです。

あとは発達障害の人だと自分の興味があるものしか目に入らなかったり、逆に聴覚情報だと混乱しやすかったり、全ての情報が入ってきて雑談をフィルタリングしにくかったりするというのもあったりします。
こういうものも関わってきます。

あとはひきこもりのようにずっと一人でいるとき、あとは宗教二世の問題とかあるように、閉鎖的な集団の中にいる場合、物事は歪んで見えます。
ずっと一人でいて誰とも交流をとらないと、何となく見え方は変わってきてしまうんです。
過度に被害的になったり、外の景色とか集団を怯えるようになってしまったりします。
閉鎖的な集団にいると、誤った常識に支配されてしまって、物事の見え方も変わったりします。

あとは知識不足です。
知識不足によって見え方が変わるということもあります。
逆に知識があると気づけることも多いんですよ。
良い例はだまし絵ですね。
だまし絵は答えを知っていると、見え方が変わるんですよ。
答えを知らない時は見え方が違ったりします。
十分に見えなかったりします。

あとは構造、哲学という構造主義の構造と呼ばれるものですね。
常識や先入観によって物事の見え方は変わる。

あとは精神分析的な意味、心理学的な意味でいう無意識ですよね。
無意識によって物事の見え方が変わります。
トラウマがあったりすると、見え方は変わる、回避的だったり、過度に被害的だったり、物事が大きく見えちゃったりするというのもある。
防衛機制ですね。自分の立場によって物事を過小評価したり、過大評価したり、嫉妬していたら過小評価することもあるし、過大評価することもあります。
色々な自分の気持ちによって物事の見え方が変わるよということです。

あとは過去の人間関係を映す転移、自分の気持ちを投影してしまう投影や、あと自分の気持ちを投影してそれを同一視する投影同一視というものが色々あったりします。
これもまた今度やろうかなと思いますけれど、そういうものもありますね。

こういうものがあるので、僕らは物事を歪んで見ている。
歪んで見てるが故に、ストレスの溜まりやすい物の考え方をしてしまったり、疲れやすかったり、合理的に解決しにくかったりするんです。

この歪みに気付くということが大事で、例えばカウンセラーと喋るとき、主治医と喋るときに「ああ、自分ってこういうところが歪んでたな」と気づける。
その結果、それでメタ認知を働かせて、それが結果的に自己理解や他者理解に繋がったりするし「こんな風に固定的に考える必要はないな」とか「もっと自由に考えた方がいいな」ということで、しなやかな思考に移ったりします。

あとは心理テストをすることで、見え方が変わって、もっと柔軟に考えられるとか、自己理解や他者理解に繋がることもあったりします。

知識が重要

ここでも話したんですけど、この認知の歪みに気づくためには、やはり知識が重要なんですよ。
なのでⅡ部の各論でやろうと思うんですけど、正しく捉えるためには知識が必要、例えば精神医学だったり、社会問題だったり、ライフステージの知識とか、この年齢ではこういう問題が起きやすいとか、こういう物の見方をしやすいということを知ると、余計な感情とか余計な不安が生まれにくくなりますから、こういう学びが大事だったりするという感じです。

精神医学を学ぶことで色々な知識が付き、物事をクリアに見ることができて、結果的に悩むことが減るということなんです。
主観2.0を進めていくためにはバイアスに気づき、そしてバイアスに気づきやすくなるためには、元々の知識を身につけていくということが重要だったりします。
その背後にある知識をしっかり理解するということが大事だったりします。


2023.10.24

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