本日は、メンタルヘルス大全のⅠ部の2章「主観2.0」の続きをやっていきます。
今回は、なぜ心は整理しにくいのか、描写しにくいのか、ということをお話しします。
心や人間関係、自分、相手などは整理しにくいんですよ。
それはなぜかということです。
目に見えないものなので、具体的に手に持って移動させたりできないから扱いにくいんですよ。
扱うにあたって論理的に考えていくということはとても重要だったりします。
この論理構造を理解していくというのが結構難しいし、慣れてない人が多かったりします。
ピラミッド構造
よく使う論理構造としては、例えばピラミッド構造です。
対人不安があるときに、対人不安になった原因は何かというと、一つはトラウマがあるからだとか、自信がないからだと。
トラウマというのはどういうトラウマかというと、親子問題のトラウマだったり、いじめのトラウマだったりする。
自信がないのはなぜかというと成功体験が少ないとかです。
経験値の問題だったり、生まれつきの問題、能力の問題だったりして自信が持てない、そういう風に分けていく。
こういう風に上位概念と下位概念に分けて羅列するのを「ピラミッド構造」と言ったりします。
こういう論理的展開もするんですよ。
例えば、人間理解をするときにどういう風にするかというと、親子関係を見る、成育歴をみる、学歴を見る、そういう形で整理していくというのもピラミッド構造の一種だったりします。
漏れなく調べていく。
こういうピラミッド構造を常に理解しているか、グチャグチャになりやすいと難しかったりします。
どちらを上位概念にするか、下位概念にするかも結構ややこしいんです。
例えばラーメンで、ラーメンだとスープと麺、麺だと小麦、大麦とかわからないんですけど、そういう形だとわかりやすいんですね。
心の問題だと、どっちを先にしてどっちを後ろにするかは恣意的に決めていいんですけど、なかなかしにくかったりするというのがあります。
必要・十分条件
あとは必要条件・十分条件というのもグチャグチャになりやすいなと思います。
例えば、男の人は悪い人ばかりだと言うんだけど、男の人全てじゃないよねみたいな。悪いのはお父さんだけだったでしょう、みたいなことです。
ついつい一人の人間が全体を支配するかのような、必要条件と十分条件がグチャグチャになってしまうということが多いです。
必要条件というのは、男は父の必要条件であるということです。
父は男の十分条件です。
男の中に父がいるということですが、網羅するかしないかを必要条件・十分条件と言います。
図に書くとわかりやすいんだけど、言葉を論理展開していく中では、必要条件と十分条件がグチャグチャになったり、会話の最中ではグチャグチャになって、必要条件と十分条件が逆転することも起きたりします。
なぜこういうことが起きやすいのか、ピラミッド構造の主従が逆になってしまったり、必要条件・十分条件が逆になってしまうことがあるんですが、会話の中で変わってしまうことがあるんです。
それはなぜかというと、このシステム論的な理解をしなければいけないんです。
いや難しいね、今日の話ね。
ちょっと話半分で聞いてください。
つまり例えば人が怖いのはなぜかと言うと、自信がないからだと。
自信がないのはなぜかというと、成功体験が少ないからだと。
人が怖いのはなぜかというと、トラウマがあるからだと。
トラウマがあるから成功体験が少ないんだと。
自信がないからいじめに遭ってしまった、トラウマを生むことになってしまったと。
だからこう全部が繋がっていたりするんですよね。
こういうのをシステム論的とか複雑系と言ったりするんですけど、単純なピラミッド構造でも必要十分条件でもなくて、どこかかみ合ったり影響し合ったりして悪い循環を生んでいたりするんです。精神の問題は。
なのでわかりにくいというのもあったりするなと思います。
整理するためには文章で書くだけじゃなくて、こういう風に図を使ってみて理解していくということも結構重要だったりします。
心はなぜ整理しにくいかというと、こういうことがあるからだということです。
特にシステム論的な理解というのは、ちょっと注目してもらうという感じです。
一つを治せばいいという感じではないんです。
一個一個やっていきましょうと言っても、親子問題のトラウマをなくした、いじめの問題をなくした、成功体験を積んだ、能力を高めていった、そういう風に一個一個潰せばいいというんじゃなくて、ちょこちょこ連携し合ってるから、ちょこちょこ戻ったりしながら治していくというのが重要だったりします。
今回は、Ⅰ部2章主観2.0というのを続きです。
なぜ心は整理しにくいのかというテーマでお話ししました。
メンタルヘルス大全
2023.10.26