本日は「第1部セルフケアを振り返って」というテーマでお話ししようと思います。
セルフケアとはどういうものなのか、これまでのまとめを話してみようと思います。
セルフケアを日々やっていくことが大事ですよとか、生活の中でセルフケアを取り入れて日々成長していくことが重要ですよということを最近の動画の中で説明してきました。
人それぞれ色々な見方があると思うんですね。
人生とはどういうものなのか、生活はどうしたらいいのか、良く生きるためにはどうしたらいいのか、色々な考え方があると思いますけど、僕はやはり男の子というか格闘技が好きなので、武道とかそういうものに例えますね
人生というのはそういうものであると。
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基本姿勢に戻る
基本の姿勢があって、構えですよね、基本の構えをまず作る。
その構えに合わせて行動したりする、問題解決に向かうんだけど、その時に一回フォームって崩れるんですね。
崩れるけども元に戻すということを意識している感じです。
だからテニスや卓球もそうですけど、真ん中のポジションに戻るじゃないですか。サッカーだったらフォーメーションを戻すじゃないですか。
基本姿勢を作って、その上で体勢を崩しながら何かをやる。だけど、また元の姿勢に戻るということを意識しているという感じです。
僕も少年ジャンプとかドラゴンボールが好きですけど、よく学び、よく遊び、よく休めみたいなことを言いますよね。
武道の精神のそういうのが好きなので、日々のトレーニング、規則正しい、心の安定を保ちながら体を鍛えていくイメージで精神科臨床を捉えていたりします。
これは人によって様々かなと思います。
まず基本姿勢をしっかり作る。
セルフモニタリングをしていく。しっかりフォームを作って、今の自分の脳の疲労具合を確認する。
今、自分はどんな問題を抱えているのか、自分は将来どうなりたいのか、目標・目的を確認し、今の問題を優先順位をつけて1個ずつ解決していくという感じです。
でも1個の問題に取り掛かり過ぎるとフォームが崩れてしまって、問題Bや問題Cにやられてしまう。
Aを弾いた後にまた戻ってBを片付けてというのが人生なのかなと僕は思っています。
目の前の問題から目を背けない
日々の問題を解決していけば自ずと成長していくので、何も特殊な事をする必要はないんです。
精神疾患だから何か特別なことをしなきゃいけないということは全くなくて、特別な何とか療法とか特別な治療とか、特別なサプリとか飲む必要はなくて、今目の前にある問題をきちんと目を背けずに、一個一個やり続けることが結果的に一番の成長になります。
よく患者さんは、「私は何とか療法をした方がいいんでしょうか」「森田療法した方がいいんでしょうか」「認知行動療法をしたらいいんでしょうか」と言います。
今の治療を中断して、何か別のことをやろうとするんですけども、僕はそれは勧めていません。
もし必要だったら僕は言いますから。
そうじゃなくて、まずちょっと腰を落ち着けなさいよと。
あなた今落ち着いて自分の状態を見なさい、呼吸を整えて今の自分の疲労具合を確認し、問題を確認してどうしたいのかをもう一回振り返りましょうと言います。
その上で、もし認知行動療法をプラスαした方がいいならやった方がいいし、そうじゃなくて、やはり今の目の前にある問題を解決することを優先すべきだったら、そっちをやりましょうということを言います。
それが第1部の第1章です。
解決能力を高めるために
問題解決能力を高めていくために、日々「主観2.0」や感情コントロールもマスターしていきましょうということです。
主観2.0というのは何かというと、世界の見方ですね。
世界を見る上で、僕らはあるがままの姿を見ているわけでなくて、主観に支配されたものを見ている。
そして、僕らは問題をあるがままに見ずに、問題を過大視したりとか、変に不安になったり、変に感情的になったり、嫉妬とか怒りとかで問題を大きくしたり、ややこしくしたりしているんですよね。
そうじゃなくて、もっと冷静に見れば、もちろん問題はなくなることはないのですが、問題はあなたが今考えているよりは小さくなるんですね。
小さくなれば疲れにくくなるし、ストレスも感じにくくなるので、そういう上で考え方を変えましょうよ、バージョンアップしましょうよということで、2.0という言葉を使っています。
これを理解していくためには、メタ認知が必要だったり、知識が必要なんですよね。
僕らが何かを見ている時に先入観で見たり、感情に支配されて見たりする時に、これは歪んでいるんだと気づくためには知識が必要なんですよ。
だから「だまし絵」一緒で、だまし絵も知識があれば答えに気付きやすいですよね。
自分で見つけることももちろんできるかもしれないけれども、先人たちがもう既に見つけてくれたものが大量にあるわけですよね。
寿命が1万年とか10万年あるならいいんだけども、そうじゃなくて僕らの人生は短いですから、やはり先人たちが考えてきたものを効率よく吸収して、効率よく今に活かした方がいい。
その上で精神医学、哲学、社会問題の理解は大事だということで、次の各論の話に移るんですけども、学んでいってくださいということになります。
と言っても一気にやろうとすると大変なので、日々の生活の中で気になったことをちょこちょこ吸収していくだけでいいと思います。
僕も精神科医として10年以上やってますけど、やっぱり日々臨床の中で疑問に思ったことを調べながら覚えていったりとか理論を学んできたこともありますから、皆さんもそれでいいんじゃないかなと思います。
あとは感情コントロールですね。
感情に支配されないということを意識して生活する。感情にコントロールされず、自分のフラットな状態に戻る。
そういう体のトレーニングも必要だったりします。
マインドフルネスや座禅だったりしますけれども、こういうものを身につけていきましょうということは3章でやりました、と。
フラットな感情になることを意識することで、今後また主観2.0、自分の認知のゆがみ気づきやすくなります。
感情的にならなければ、冷静な頭だったら問題解決能力も高まってきます。
そういう意味で感情コントロールのテクニックは少しずつレベルを上げていってもらえたらなと思います。
今回は第I部、セルフケアを振り返ってということで、もう一度どんなものかということをお話ししてみました。
メンタルヘルス大全
2023.10.28