本日は、メンタルヘルス大全Ⅱ部の第1章『精神疾患』ということで、精神疾患全部、とりあえず挙げてみます。
精神科の病気ってたくさんありますよね。
たくさんあるんだけれど、無限ではない。当たり前ですね。
一人の人間の脳ミソに入ってるくらいですからね。
細かいことを言ったら今回説明する以外にもマイナーな病名があるんですが、メジャーなものを今回は取り上げようかなと思います。
何でこうするかと言うと、一つ一つの病気を覚えていくというよりも、一度全体像を捉えた方が勉強はしやすいんですね。
だから大雑把に全体を説明して、精神疾患はこんなのがあるんだな、ということをイメージしてもらえたらなと思います。
コンテンツ
器質性精神病(外因性疾患)
まず、器質性精神病というのがあるんですよ。
身体の病気が原因で精神に異常をきたしている状態です。
例えば有名なのは「脳炎」や「感染症」です。
脳に細菌やウイルスが感染することによって精神異常を起こしている。
あと有名どころでいうと、「甲状腺機能低下症」。
甲状腺という元気を出させるホルモンがあるんですよ。
この機能が落ちると甲状腺機能低下症と言って、うつっぽくなったりすることがあります。
あとは有名どころでいうと、「ステロイド精神病」とかかな。
ステロイドの治療中にうつっぽくなってしまう。
あとは術後せん妄と言われる「せん妄」ですね。
身体の調子が悪いので、朦朧としておかしなことを言ってしまって、おかしなものが見えたり、障害が起きることをせん妄と言ったりします。
これはちょっと頭の隅に入れておいてもらえば、ということです。
身体が原因でおかしくなっているとわかりやすいんだけど、何かよくわからないのが多いですね。
内因性疾患
例えばドパミン系の異常から来る「統合失調症」、幻覚妄想が出る統合失調症。
すごく元気な時とすごく落ち込んだ時がある「双極性障害」というのがあったりしますね。
これは症状が重い軽いに合わせてⅠ型、Ⅱ型と言ったりします。
次に、慢性的なストレスや炎症の結果落ち込む時期がある病気を「うつ病」と言ったりします。
うつ病というのは狭い意味で言うと、原因不明の落ち込みを繰り返すものを言ったりするし、広義のうつ病だと落ち込んでいる状態、うつ症状があるものを全部うつ病と言ったりします。
これはちょっとややこしいんで、また後日説明しようと思います。
うつ病というのは範囲が広いよということですね。
この3つを合わせて、薬が効く病気なので、「内因性疾患」と言ったりします。
身体が病気の原因で起きる病気(器質性精神病)を「外因性」と言ったりします。
それ以外のものを「心因性」と言ったりするんですけど、これは今では使わない言葉なので、あんまり覚えなくてもいいです。
とにかく統合失調症と双極性障害(躁うつ病)とうつ病は内因性疾患と呼ぶということです。
心因性疾患ほか
うつ病の仲間として産後に起きる「産後うつ」。
生理前にうつっぽくなる、黄体ホルモンの変化によってうつになる「PMDD」というものがあったりします。
あとは「季節型うつ」とか、うつは結構パターンが多いんですよね。
「新型うつ病」。鉛のような重さとか、過食に転じやすいとか、そういうのもあったりします。
うつ病と似ているんだけれど、ちょっと違うのが「適応障害」です。
一つ以上のストレスが原因でうつっぽくなってしまうものを適応障害と言ったりします。
ただ、うつ病と同じように症状が揃っていればうつ病と言ったりすることもあるし、繰り返すというよりは原因がはっきりしているときには適応障害と言ったりすることもあります。
厳密に言えば違うんですけれど、臨床的にはそういう言い方をしたりします。
これもややこしいです。
ストレスが原因で、記憶から嫌な出来事が抜けていかない、忘れられないものを「PTSD」と言ったりします。
フラッシュバックが起きたりするもの。
子供のときからの虐待などが忘れられないのが「複雑性PTSD」と言ったりします。
子供の場合は「愛着障害」と言ったりしますけど、大人の場合は愛着障害と言わずに「複雑性PTSD」ということになるのかなと思います。
不安を感じる臓器は、扁桃体と呼ばれる脳の一部ですね。
扁桃体に関係する領域として、「うつ病」と「不安障害」があったりするんですね。
不安障害には色々なパターンがあって「全般性不安障害」「パニック障害」「社交不安障害」と呼ばれたりします。
全般性障害というのは全般的に不安、何でも不安。
パニック障害というのはある特定の場所が苦手で、また発作が起きるんじゃないかということを恐れてしまう不安障害のことです。
発作は「パニック発作」と呼ばれるもので過呼吸や手足の震え、冷や汗、死んでしまうんじゃないかという恐怖感を伴ったりします。
PTSDのフラッシュバックとは基本的に違うものだったりしますが、最近だと僕も臨床していて思いますけど、パニック障害と診断されているんだけど実はPTSDだった、PTSDの診断基準に満たないからパニック障害と言われていたというパターンもあって、ここはちょっとややこしいです。
トラウマは過小診断されていることが多いんですけど、ここは一つのポイントかなという気がします。
あと急に意識を失ってしまう、記憶を失ってしまうというのを「ヒステリー」と言ったりします。
解離性障害とか多重人格とかですね。
あとストレスを感じていて、だけどそのストレスを心で味わえない場合、それが身体に出てくる場合を「転換性障害」と言ったりして、手足が動かない、目が見えないとかいうのがあります。
「アルプスの少女ハイジ」のクララですね、みたいなものもあります。
不安障害に似ている仲間としては「強迫性障害」です。
手洗いがやめられない、確認がやめられない、鍵の開け締め、火元の確認がやめられないという強迫性障害というのがあるし。
強迫性障害の仲間として「溜め込み症」というのがあります。
ごみ屋敷みたいなもので、ごみを捨てられないんですね。
ものを捨てられないのを溜め込み症と言ったりします。
これは脳の報酬系に関係しているんじゃないかと言われているんですね、強迫性障害は。
報酬系に関係する病気として有名なのは「依存症」です。
アルコール、違法薬物、覚醒剤、大麻、ギャンブル、買い物、性依存ですね。
性行為をやめられない、風俗をやめられない、浮気をやめられない性依存、万引きをやめられないクレプトマニア、あとはゲーム、ネット依存かな。
摂食障害も同じような仲間という風に言われてますね。
そして自傷ですね。リストカットも仲間だったりします。
結構依存症というといっぱいありますね。
あとは「人格障害」ですね。
A群、B群、C群とあって、A群は統合失調症に似ているやつです。
妄想性パーソナリティ症、スキゾイドパーソナリティ症、統合失調症型パーソナリティー症。
統合失調症に似たような性格のパーソナリティ障害ですね。幻覚妄想がはっきりしないタイプです。
あとB群は反社会性パーソナリティ障害とか演技性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害、境界性パーソナリティ障害、と。
C群が回避性パーソナリティ障害、自信がない感じですね。
依存性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害というのがあります。
これもちょっとややこしいんでまたやりますね。
A群が統合失調症。
C群がちょっと逃げちゃうような感じ、不安が強いタイプ。
B群が真ん中で、色々変な行動をする、攻撃的、アクティブな感じのイメージです。
あとは「発達障害」。
発達障害と人格障害は被りがあるんじゃないかとよく言われてます。
あとは「知的障害」。
最近では精神発達遅滞と言いますけど、知的障害、境界知能とか呼ばれるものです。
あとは「認知症」ですね。
アルツハイマー型、FTD(前頭側頭型認知症)、DLB(レビー小体型認知症)が有名ですかね。
まとめ
全体としてこんな感じなんですよね。
器質のものがあって、内因性疾患として統合失調症、双極性障害、うつ病がある。うつ病には色々なタイプがある。言っていないものだと持続型とか気分変調症とかいうのがあったりします。
ストレスが原因でうつ病のようになってしまうことを適応障害と言ったりしますよと。
ストレスを忘れられない、記憶の障害として残る場合はPTSDや複雑性PTSDと言ったりしますよと。
不安がずっと取れない、扁桃体の病気として不安障害があって、全般性、パニック、社交不安障害。
不安を心で感じられず身体や記憶の障害として出てくるものをヒステリーと呼ぶ。
記憶の障害としては、多重人格みたいな形で起きてしまうのが解離性障害。
記憶をなくしてしまう解離性健忘、あと解離性遁走、フーグとか言ったりして、どこか行っちゃうというのもあったりします。
あとは身体症状として転換性障害とか身体の方に出てくるパターンもあります。
線維筋痛症も仲間なのかなと個人的には思いますけど、ちょっと余談です。
不安障害に近い仲間として報酬系の異常として強迫性障害があったり、ごみを捨てられない溜め込み症があったりします。
同じ報酬系の中で、やめたくてもやめられない依存症というのがあって、依存症には色んな種類の依存性があります。
アルコール、覚せい剤、大麻、薬物、ギャンブル、買い物、性、万引き、ゲーム、ネット、摂食障害、自傷行為とかあったりします。
最後に知的な問題として、精神発達遅滞、発達障害(ASD、ADHD)や学習障害(LD)。
人格障害として、A群だとパラノイア、スキゾイド、それと統合失調症型パーソナリティ症かな。
B群としては反社会性パーソナリティ症、境界性、演技性、自己愛性がある、と。
C群としては回避性、依存性、強迫性パーソナリティ症があったりします。
あとは認知症ですね。認知症の問題もありますよ、と。
アルツハイマー型、FTD、DLBがあったりするということです。
たくさんあるような感じもするし、案外こんなものかなという感じもしますね。
発達障害グレーはどうやって診断しますかと言うと、除外診断でもあるんですね。
うつ病のせいでマルチタスクができない、双極性障害のせいで不注意が増えている、アルコール依存のせいで不注意が増えているのではなく、他の病気では考えられず、やはり発達障害かなという風にわかる。
でも障害というにはあまりにも症状が軽いなとなると、発達障害グレーゾーンと言ったりしますけど。ここら辺も何て言うのかね、全体を見つつという感じです。
もちろん合併することもありますから、確かに診断も難しいと言えば難しいかもしれないですね。でも、こんなものです。
今回は、精神疾患にはどんなものがあるかということを全体的に解説しました。
メンタルヘルス大全
2023.10.29