益:今日も引き続き、池口さんとの打ち合わせ光景からYouTubeを撮っていこうと思っております。
メンタルヘルス大全を作るというか、その話をします。
前回ぐらいまでメンタルヘルスの第1部の話をしていたと思うんですけど、また繰り返しになるんですけど、同じような話をしますのでご了承ください。
池:よろしくお願いします。
益:池口さんは精神科の本って作ったことありますか?
池:精神科の本はないですね。メンタル系の本のライティングとかはしたことはあります。自己啓発的なものとか。
益:ガッツリね、精神科の患者さんが僕のYouTubeを見てくれているんです。
患者さんが多いんですけど、あと患者さんの家族とか。
ただ一般の人の悩みとそんなに変わらないんですよね、実は。
ちょっと違うところもありますけど、ちょっと応用編もありますけど。でもまあ基本は一緒なので。特に第1部のところは同じなので、そういう風に理解してもらったらなと思います。
いろいろお手紙をもらったりですね。聞くとびっくりすると思うんですけど、僕そろそろ4年になるんですけど、4年間毎日YouTubeを上げているじゃないですか。ほとんど全てのコメントを全部チェックしてるんですよ、実は。
池:すごい。
益:毎日外来の患者さんを診ていて。だから1日、本当に何百人と接しているんですよね。濃い薄いは別として。お手紙をもらったりしていて、どんなのが求められているのか日々やっているんですけど。
たぶん歴史上そんな精神科医っていないと思うんですよ。
池:YouTubeがここまで普及しているのが今ですから。
益:歴史上たぶんそんな人いないと思うんですよね。
でも次の時代にとっては当たり前になるかもしれないですけど、今のところそういう感じで。
悩みごと5つ
益:だいたいこの5つなんじゃないかなと僕は思ってて、悩み事っていうのが。
私は何者かっていうことと、感情に支配されちゃっている。不安とか恐怖とか混乱とか怒りとかに支配されちゃってうまく生きれない。
あとどう生きたらいいかよくわからない、あと周囲から誤解されていて悲しい、あと孤独感を感じているというこの5つの悩みがメインで、動画を見ることで何者かがちょっとわかったよとか、支配されない方法がわかったよとか、こういう風に生きる道もあるんだねという生き方のバリエーションを知ったりとか。
あと家族が見て誤解が解けましたとか、自助会とかを通じて孤独が消えたとか、コメント欄を通じて孤独が癒えました、ありがとうございますみたいなコメントをいただく。
何のためにやってるかっていうのは最初はよくわかんなかったんですけど、やっているうちにこの5つの問題を解決することなのかなという風に思ってきたって感じなんですよね。
方針として「メンタルヘルス大全」というのを作っていくんですけど、第1部はセルフケアなんですよね。
セルフケアっていうのはここら辺の領域なんですよ。第1部でやろうと思ってます。
私は何者かとかは2部以降にやろうと思ってます。
各論で、精神疾患のこととか、社会のこととかをやろうと思って。
周囲から誤解されるというのはなかなか難しいのであれですけど。
孤独であるというのは自助会とかでやっていこうかなと。患者家族会でやっていく予定ですね。
メンタルヘルス大全というのは1部が総論で、2部で各論をやって、疾患の話とか社会問題とか。あとライフステージですね。この年齢でこんな問題が起きるってことを話をして。
第3部でコミュニケーションとか集団心理を扱っていると思うんですよね。
池:リーダーシップとか。
益:リーダーシップとか。周囲からどうして誤解されるかっていう解説をして、第4部がその背景理論でしたっけ。
池:はい。
益:ベースになるやつを話して、第5部がちょっと答えられない内容を話す。治療積極性をどうやって獲得するのかとか、働かない人の価値はどういうことなのかというちょっと踏み込んだ話題は5部以降やるという感じですね。
基本的には今回、第1部を扱うということになります。
精神医学はベースが脳の話なんですよね。
池:はい。
益:人間は脳を中心とした物理的な存在ではあるんですけど、池口さんご存知のとおり、僕らって脳だけで生きているわけじゃなくて、やっぱり無意識というか構造と呼ばれるものの中に生きているじゃないですか。
つまり常識だったり、社会の文化だったり。
そういう構造とか無意識と呼ばれるものの上に、意識というか、自由意志が乗っかっているっていう。ここらへんに僕らっているっていうイメージなんですよね。
だから第2部で扱う「私とは何者か」っていうものを押さえるには、脳科学としての人間と社会問題としての人間を両方押さえないと、結局精神医学とか見えてこないんで、そういうことをやっているということなんですよ。
だから「生きる意味ってそもそもないよね」って言われたら、こういう水準で見たら、動物としての物理的な存在として見たら生きる意味ってそもそもないんですけど。
でも僕らって結局こっちじゃないと思ってて、自分たちのことこっちだと思ってるんですよね。
池:確かに
益:社会の上に乗っかっている情報の中を行き来する。
身体はベースなんだけど、そこに出てくる情報集合体としての自分の方に重きを置いているので、そういう意味では意味ってあるわけだから。
まあ意味ないよねって言われても仕方ないよね。
意味がないと情報集合体としての価値を持たないので、こういう要素っていうのが精神医学なんですけど、ということですけど。
セルフケア
益:セルフケアの話をしますね。
これをうまく文章にまとめていただけると。
池:でも図はめちゃめちゃわかりやすいです。
益:これも某宮台真司さんに褒められたんですけど、脳科学と社会学とか哲学とかのいい感じの臨床的な落としどころっていうものを喋れる人が少なかったというか、あんまりいなかったみたいなんですよね。実際どうなんだろうね、みたいな。
あと福祉とか臨床というか、手垢がついたような状態のものを知らなかったみたいな感じを言っていて。そこが僕褒められたんですよ。
池:確かにその脳科学的な事実とかっていうのは、我々からするとそれはそうだけど、現実問題の自分との乖離ってやっぱりあると思って。
益:そう、分断されちゃっててよくわかんなかったりとか。
あと街録チャンネルのディレクターの人にも褒められたんですけど。自分たちが見ているアングラの世界と精神医学がどう結びつくのかがよくわからなかったとか。
ここら辺の連携具合が精神科医にとっては普通のことだし、精神科の医局とかではこういう話はよくしてるんですよね。もっと言ってるんですよ。あの人ああだよねとか言っちゃってるんですけど。
でもそういうのは皆さんの耳に入らなかったりとか、今までメディアの中では取り扱われなかったし、あとマスコミの人たちも地味すぎてたぶん面白味がないからってことで出版されなかったりしてたのかなと思うんですけど。YouTubeというものができたことでわかるようになってきたって感じですね。
ここら辺はいい感じでまとめてください。
池:わかりました。
メンタルヘルス大全
2023.11.1