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ODが流行しているのはなぜ? メンタルヘルス大全第Ⅱ部第2章 社会問題

00:00 OP
03:35 なぜやるのか
07:46 どんな病気の人が多いか
11:40 規制は難しい

益:メンタルヘルス大全の第Ⅱ部ですね。第Ⅱ部の話も進めていかなきゃいけないので、1本だけやります。
ODが流行ってるって知ってますか?

池:OD?

益:社会問題。メンタルヘルス大全の第Ⅱ部2章になってますけど、Ⅱ部は各論じゃないですか。
精神疾患が第1章で、第2章が社会問題編ということにしているので。
今は社会問題からこの病気を理解していこうとか、今の現象や人間を理解していこうということになるんですけど。
今、社会問題としてODが流行しているのを知ってますか?

池:いや、わからないです。

益:ODって何の略か知ってますか?

池:いいえ。

益:オーバードーズです。

池:ああ!

益:natoriという人が歌にまでしちゃって、若者が。

池:オーバードーズは、はい。流行してるんですか? 海外っぽいイメージありますけど。

益:海外もやばいんですよ、今。海外もODが流行ってるじゃないですか。
今世界的にも流行して、日本でも。

池:日本でも結構話題になってますね。

益:オーバードーズ、流行ってるみたいだね。市販薬のODが今流行っていたりして。風邪薬でも何でも。

池:めちゃめちゃ大問題ですね。

益:そうそうそう。この話をしていこうかな。
各論はこの順番でやっていくのがいいかなと思っていて。
「私は何者か?」精神科で解決できるものはこの順番で解決できますよ、この5つですよということなので、これに当てはめてやっていくと、メンタルヘルス大全も理解がしやすいのかなと思います。
僕もまだこのオーバードーズの話は全然何も考えずに、朝電車の中で流行っているなと思っていただけなんです。

僕、専門家じゃないんですよ、そもそも。
専門家じゃないから、一番は依存症の先生が詳しかったりするんですけど、一応僕の知ってる範囲で医者の端くれとして説明します。

■なぜやるのか

意識をスッと失わせるというのがわりと気持ちがいいとか、自傷行為をやっちゃうんですね。
昔はシンナー吸うみたいなこと。
ヤニクラとか。

池:ヤニクラ?

益:タバコをたくさん吸ってクラッとする感じ。あとはアルコール中毒、アル中になっちゃうとか。
こういう意識を失うというのは、独特の快感というか依存性があるってことですよね、人間にとって。だから気持ちがいい。

あと、ちょっと悪いことをしたいんですよね。
大人がやらないことをしたいとか。
だからODするぐらいだったらお酒飲めばいいじゃんと大人は言うんですけど、それはやりたくないんですよね。

池:なるほど。

益:例えば暴走族とかもそうじゃないですか。大人がやっちゃいけないということをしたいんですよね。
10代~20代の人の衝動性の問題。脳科学的にはそういうことをしたいから。
反抗の一種でもあるし。
そういう悪いことを通じて仲間を作る儀式でもあるんだよね。

大麻、違法薬物、夜遊び、さっき言ってた暴走族はもう廃れているけれど、暴走行為とか。
だからこうドパミンが大量に出るじゃないですか。あのドパミンが気持ちいいみたいですね。危険な行為とか暴走行為とか。
危険なスポーツ、Xスポーツとか。
昔だとネトゲとかね。今はもう何かちょっとオープンになりすぎちゃって仲間を作る作業ではなくなってますけど。

あとギャンブル。昔で言うところの性的乱行とか。
こういうのも同じ一種だなと思いますね。あとSM的な性的倒錯とかあります。

もっと昔の話をすれば歌舞伎とか、賭博とか。
心中ものを観るっていうのは最大の親不孝だとか言ったりして。

池:江戸時代の人は。

益:心中ものを観に行くのは凄い悪い遊びだったんだよね。

池:今じゃ考えられないけど。

益:今じゃ考えられないけど。あの当時は歌舞伎ってそうなんですよね。
川を越えなきゃいけないですもんね。

池:そうなんですね。

益:確か。日本橋を越えなきゃいけない。江戸から出て錦糸町や両国あたりに悪いことをしに行くとか。

あと結局、他のことでやればいいじゃないかって言うんだけど、やっぱりこういうODで繋がる仲間は言葉にするの苦手だったりするよね。
あと自虐的だから、自殺サークルとかもありますけど。海外とかだと。
社会的弱者の人が多いなというのが印象としてあるんですよね。

■どんな病気の人が多いか

益:精神科の中ではどんな病気の人が多いかというと、うつ、統合失調症、発達障害、あとは境界知能や知的障害、不安障害、あと虐待だね、PTSDとか。
そういう子たちが多いなと思います。

池:なるほど。

益:たまたま最近ちょっと外来で診ていて思いましたけど。
若い子が多くて、今の流行っていることとしては医者を騙して薬をもらう方法とか、何か色々そういうのもあるみたいだよね。
ネットの中で繋がって共通の悪いことをするというのは結構あるんだよね。

あとポケモンのカード、ポケカの違法転売をするとか、買い占めをするとかも。そういう何かちょっと悪いことをする。
自分たちは儲けると楽しいとか、そういうのがあったりしますね。

池:依存性も一つのあれなんですか?
大麻とかもそうですけど、やっぱりまたやりたいと思うのかとか

益:最初は心理的依存なんですよね。心理的依存で、だんだんやっていく間に身体的依存にもなっていく。最初はお酒を飲むというのもみんな飲みたくないんですよ。
だけど、飲み会が楽しいとか。それがだんだん。

普通の人はそこで収まるんだけど、だんだんお酒依存になっていって、好きじゃないけれど朝から飲むようになって欲しくなっちゃう。

池:なるほど。

益:だいたいそういう人が多いですよね。
アルコール依存とかもそうですけれども、お酒飲んでみんなで遊ぼうよみたいな陽キャの人が依存症になることはないんですよ。
依存症になる人ってだいたい最初はお酒飲むのが好きでもないけれど、お酒飲む時だけ友達が増えるとか。それでだんだんはまっていって、友達はそんなに飲んでいられないって抜けていくけど、自分だけ残って。
それで依存症というか、お酒だけが好きな人多いです。

治療というかメカニズムとしてはそうだよね。
意識を失うのが気持ちいい。10代特有のカルチャーであるし、そういうものはあるよね。
脳科学的にもあるし。
あとドパミンに依存するとか衝動性があるとか、仲間を作りたいという衝動が強いという10代特有の脳の機能も関係しています。

それが抜け出せる人もいれば抜け出せない人もいる。
結構複雑なんで、僕がこうやって動画を撮ったりすると、「いや、お前わかった気になるなよ」とか言ったりするんですけど、わかった気にはなってなくて、ただシンプルにしないと伝わらないのでシンプルにしているだけで本当はもっと複雑ですけど。そんな感じですかね。

治療法としてはどうするかということですけども、個別の治療、うつ病だったらうつ病、発達障害だったら発達の、トラウマだったらトラウマの治療をしていくというのはありますし、ある程度見守るというのも大事なんですよね。

■規制は難しい

規制をどうするかというと難しいんですよね。
親が一人じゃできないから行政サイドも動かなきゃいけないとか。暴走行為を止めるみたいな形で、暴走族がだんだん廃れていくみたいな形もあるし。

でもあとは廃れるというのもありますけどね。ポップカルチャーというかヤングカルチャーだから。
その世代が溜まってくると、今度は自分たちの上の世代が多すぎるから、そんなのやってらんないよみたいな感じ。
今はそういう流れでODが流行ってるということになりますね。
うん、困っちゃうよね。ネットでもあるし。

池:行政が例えば締め付けると地下に潜っちゃうこともありますよね。

益:面倒くさくさせるのがいいと思うんですね。ゼロにしなくて。

池:なるほど。

益:買うのが面倒くさい、もらうのが面倒くさい。

池:たばこも買えなくなりましたもんね、いつの間にか。

益:でも止めてはないんですよね。
面倒くさいっていうのが結局数を減らして衰退させることになるんで。

池:禁止ではなく。

益:禁止しちゃうと確かに地下に潜るっていう危険な要素もあるんで。
どうしても悪いことを通じて仲間を作るとか、互いに悪さをすることで絆を作るというカルチャーがあるので。
乱行とかもそうですよね。本当はあっちゃいけないんだけど、そういうのはあるなと思いますけどね。

池:年齢的なものは10代、20代の話が多かったですけど、オーバードーズというのは全年齢の話ではあるんですよね?

益:でもやるのは若い子が多いね、圧倒的に。
大人になってくるとオーバードーズというよりは、むしろ本当に自殺を計画してやる人が多くなってくるから。
オーバードーズはあってもたまにって言うか。

池:やっぱり若年層。

益:感情に支配されやすくて衝動的。そういう時にやっちゃう。
どうするべきかというと、個別に治療するとか規制とのバランスだったりもするし。

充分新しい情報入ってますね、皆さんの理解を増やす。
あと境界性パーソナリティ症もあるか。

依存になっちゃうんですよね、でも本当に。確かに特に自傷もそうなんですけど、リストカット。
その話をしなかったですね。

ストレスが溜まる、ODしたい、ODする。
過食嘔吐とも似ていて罪悪感が出て、またストレスだけれど、ストレスが溜まるとやっちゃうという悪循環が生まれる。

お酒と似ていて、仕事終わって酒飲みたいなとなってコンビニに行って、夜酒買って帰ろうと思って帰って、コンビニに寄って買って、家帰ってピシッと開けるみたいなのって。
その時の頭の真っ白加減と結構似てると言われたりしますね。
翌日、飲むんじゃなかったとか、酒飲んで仕事ができるわけないのに何でできると思っちゃったんだろうとか、週末まで我慢しておけばよかったのにとか、太っちゃうとかあるんだけど、またやっぱり疲れちゃうとやっちゃうという負のサイクル。

ここにブームがあると仲間もいるからということで、罪悪感も軽減されるしっていうのがあるのかなと。
これはODだけじゃなくて万引きもそうだし、色々あります。ギャンブル好きで一緒に悪いことする。

ダメさを共有するって簡単なんですよね。成功を共有するよりも。
ついついそうなっちゃうし、孤独が耐えられないから若者って。そういうことになりますと。
これは依存のメカニズムという話ですね。
はい、では終わります。


2023.11.20

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