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ひきこもりの家族対応について

00:00 OP
04:09 ひきこもりとは
11:25 ひきこもりの心理と治療
26:54 家族の心理

本日はひきこもりの家族に向けて動画を撮ってみようと思います。
池口さんよろしくお願いします。
どれぐらい話すかが悩みどころなんですけど。
時間の許す限り話してみようかなと思います。

今日話す内容は、そもそもひきこもりとは何かということ。

ひきこもりというのは色々な定義があります。
どこからがひきこもりでどこからがひきこもりじゃないですかとかよく聞かれるんですけど、僕はあんまりその質問に意味はないと思っていて、とにかく本人が生きづらくて社会に参加できていない状態だったらひきこもりと言っていいんじゃないかなと思います。

ほとんど人と会話せずに週に何回かバイトに行けている状態で、本人も家族も苦しんでいるのであったら、それもひきこもりなのかなっていう。それぐらい広く僕は捉えています。

ひきこもりの心理とその治療法。家族の心理、対応方法です。
いわゆる家族病理も考えなきゃいけないんですね。
ひきこもりの人たちは自分が悪いと思っているかもしれないし、自分じゃなくて家族が悪いと思っているかもしれない。
家族もひきこもりのその人が悪いと思っているかもしれないし、逆に自分たちが悪いと思っているかもしれない。
どっちかが悪いという問題ではなくて、家族病理として考えることも大事で、チームの病なんだという風に考える必要もあるんですよね。なのでその話も含めてお話ししようかなと思います。
これが大きなテーマです。

何かありますか? 今ある質問とか。

池:日本では146万人ですか、かなりの数いらっしゃるということですね。

益:そうです。146万人もいて。内閣の推定ですよ。
内閣が推定するところなので、社会参加していない人たちだけで言うと、146万人いるということだと思うんですね。
僕がさっき言った広義のひきこもりということだともっと広くいるんじゃないかなと思います。孤独で苦しんでいる人もいるし、仕事には行ってるけど、プライベートで交流がない人たちもいる。まあ結構似た心理はあると思います。
146万人いて、家族×2~4とするとすごく多くの人が悩んでいるなという気がしますね。

というのがひきこもりということですね。

ひきこもりとは

ひきこもりというのは病気じゃないよと語られることが多いと思うんですね。
これは誰でも起きることなんだよと言うことがあるんですけれども、もちろんそういう見方もあっていいと思うんですけど、僕は精神科医なので、やはり何かしらの病気があるんじゃないかと考えます。

例えば背景にはうつ病とかそういう病気があったり、双極性障害という病気だったりとか。気分に波があるタイプですね。
うつ病というのは落ち込み繰り返す病気で、双極性障害は落ち込んだり、時々元気になるような病気。
統合失調症は幻覚・妄想があるせいで外に出られないとか。
あとは強迫性障害。手洗いしないととか不潔だから外に出られないという強迫性障害の人。
アルコールとかいろいろな依存症ですね。各種依存症のせいで外に出られない。過食嘔吐、摂食障害も含みます。

というのもあったり、あとは自閉症、発達障害とか自閉スペクトラム症と呼ばれる人たち。
あとは知的障害、境界知能や軽度知的障害、精神発達遅滞と最近言いますけどね、とかがあるかなと。
あとは人格障害。回避性パーソナリティ障害とか。避けてしまうんだよね。パーソナリティー障害とか。
あとPTSD、トラウマのせいで出れない。
そういう人たちがいろいろいるんじゃないかなと思います。

そういうものをまず疑うのは大事なんじゃないかなと思いますね。
ある報告によれば、9割くらいは精神疾患があるんじゃないか、特に統合失調症、発達障害、うつ病、回避性パーソナリティー障害が多いんじゃないかと言われています。
ここら辺が見逃されてることも結構多いと思いますけどね、虐待とかね。
でもまあそういうことかなと思います。
でも、何かしらの病名が付くんじゃないかなと僕は考えています。

病気と診断されることを嫌がる親御さんとか本人はいるし、ひきこもりだから助けてくれと行政に訴えかけるのも悪くはないと思うんですけれども、やはりそれだと即効性がなくて繋がる支援も繋がらなかったりするので、既存の枠組みで考えてあげることもとても重要かなと思っていますね。

池:既存の枠組みというのは、精神科に通ってみたりとか、そういうことですか?

益:そうそう。今ある社会福祉につながるためには、一回病名が付かないと使いにくいことが多いんですよね。
これは精神の病気なんだよと。

やはり社会でうまく生きられない、苦しんでいる人には何かしらの病名がつくんですよ、精神科というのは。こういう病気なんじゃないかと考えたりするんですね。
つまり、人間て脳なんで。脳ですよね。

脳の何かしらの病気があるんじゃないかと考えるんですよね。
脳というのは何かというと、遺伝子を元に作られたものであるし、そのハードウェアに対して記憶、知識や経験というもので、動いている。
あと周囲の状況によって動く。外部情報によっても変わるんですけど、そのどこかに異常を来たしているからひきこもってしまっていると思うんですよね。

例えば別にDNA的に問題がなくても、例えばひきこもっているという状態は無人島に住んでいるようなものなので、そこでちょっとノイローゼ気味になって自尊心が低下している。
自分は駄目なんだという思い込み。そういう知識がまたノイローゼを生んでという悪循環でひきこもっている場合もあるんですよね。これは普通の人でも起きるんですけれども、やはりその状態は特殊な状況になってしまってて、正常判断ができにくくなっているので、やっぱり病名が付く。回避性パーソナリティ、うつ病とか病名が付くことになります。
そういうノイローゼ状態ですからね。

池:うつ病だったり統合失調症だったり自閉症だったり、いろんな可能性があるので行ってみないとわからない。

益:そうですね。まあ、うつ病とかいろんな疾患があるんですけど、それはまた別の動画を撮っているので、もし良かったらそれを見てほしいです。
たくさん動画があるので、1700本くらい動画があるので、見つけにくいと思います。「病名 早稲田メンタルクリニック」で検索すると出てくると思います。

精神科医は心の問題というよりは、動物的に考えるんですよ。
人間のことも動物と思って考えるので、そういうのを唯物論と言うんですけれども。
僕らがそういう風に考えるので、その視点は結構大事なんですよね。

これは自分の子供だから、自分だから、心の問題とか甘えとかじゃなくて、もっと客観的に他人事のように自分の心を見るということはとても大事だったりします。
ひきこもりというのはだいたいそんな感じです。

逆にしっかり適切な病名がついて、ちゃんと薬とかカウンセリングとか既存の枠組みでやっていくことで治療は進んでいくので、まず受診をしてもらうのがいいんじゃないかなと思います。

ひきこもりの心理

ひきこもりの子たちはどんなことを今考えてるんだろうと家族は思うので、その話をします。
これもやはり病名によって結構違うんですよ。病気によって。

外出できない、自分はダメだと思う、働いてないから自分はダメだと思う、他人や社会が怖くなって外出できない、この悪循環がずっとある感じです。

このサイクルを回すためには、外出する、成功体験を積む、外に出る、交流する、成功体験を積む、自己肯定感が上がるという逆サイクルを生まなきゃいけないんですけど、良くなるためには。
それがうまくいかないということですね。
一回こっちのループに入っちゃうと、なかなか逆のサイクルに戻らないということですよね。

怖いとかそういうものは扁桃体の問題なんですよ。
脳の扁桃体が不安を感じたりしているんですよね。

脳は精神科で重要なところを言うと、不安を感じる「扁桃体」と呼ばれるところと、報酬系、快楽を求める、やめたくてもやめられない依存に関係する側坐核と、記憶に関係する海馬と理性でものを考える前頭葉前野というところのこの4つを考えればいいんですよね。

脳は3層構造になっていて、呼吸などに関係する脳幹と感情や本能に関係する大脳辺縁系、理性を考える前頭葉、大脳皮質と呼ばれる3層構造になっているんですけれども、ここの本能のところ、感情のところに支配されてしまっている。
ここについては扁桃体が活動しているからうつ病だったり、不安障害、回避性パーソナリティが悪化しているので、ここに対しては薬物が効くんですよね。
だからここに対して抗うつ薬を入れましょうよということになりますね。

ここが安定してくると、他の記憶やトラウマも結構良くなったり、前頭葉から抑えが効くようになるんですよね。
扁桃体の活動が強すぎると他の部分も支配してしまうんですよね。
ここをしっかり薬でおさえてあげるのが良かったりします。

池:ひきこもりというのは、例えば不登校も含めてでしたっけ?

益:そうですね。不登校の子たちもだいたいは不安があって、やっぱり自分は駄目だと思って、だんだんストレスでうつっぽくなっていって、扁桃体が過活動になっています。
なので外に出られなくなっている。
だからゆっくり休んでこの活動を落としてあげて、薬で補ってあげるとわりと良くなっていくというのがあります。

ただ例えば記憶に関係するところは薬じゃ良くならないんですよ。なので記憶に問題がある場合は、成功体験という新しい記憶を足してあげなきゃいけない。
そこはカウンセリングとか交流だったり必要になってくるという感じです。

あとは側坐核。依存症ですよね。
例えば怖い、怖いからゲームをする、ゲームをすると安心する、だけどゲームをやめるとまた不安になる。これで依存のサイクルが出来上がるんですよ。
ゲームする、リラックスする、またやっぱり不安になる、不安だからゲームする、このサイクルが依存症サイクルです。

ここについては薬で補ってあげるのもあるんだけども、基本的にはこのサイクルを断ち切らなきゃいけないので、カウンセリングを使ったりして前頭葉で抑え込んであげるとか、このメカニズムを理解した上で自分を客観視して抑え込むという治療の方が有効だったりします。
これは認知行動療法と言ったりするんですけど。
ひきこもりの治療はいろいろなものを重ね合わせないとうまくいかないというのがあります。

池:ちょっと気になったんですが、脳って子供から大人になって完成していくイメージがあるんですけど、子供のひきこもりと成人のひきこもりは基本的なアプローチは変わらない?

益:基本的には変わらないですね。ただ、子供の脳の場合は完成していない分、大脳辺縁系の活動が活発なんですよ。
だから刺激に弱いし、楽しいことが好きだし、すぐ不安になっちゃう。
あと性ホルモンの影響も受けやすいので、女の人だったら情緒不安定になりやすかったり、生理周期の影響を受けたり。男の人はちょっと攻撃的になったりとか、親に対してうわーっとなったりとかはありますけどね。

ただ、大人に近付くにつれてここら辺の活動が落ち着いてくるんですよね。
そうすると知識もついてくるので、前頭葉によって抑え込みが効きやすくなるので、若い人のひきこもりっていうのはわりと年齢とともに回復しやすい。
不登校の子はまずは生き延びていれば良くなっていくよとか言ったりするのはそのためですね。
逆に大人の場合はわりと脳が完成してしまっているので、時間が経つだけだとあまり良くなっていかない。
どうやって前頭葉前野を鍛えていくのか、海馬の方に良い情報を入れていくのかということがポイントになってくるということになります。

あとは発達障害の問題も結構重要で、他の人と同じことができなかったりするんですよね。
いわゆる空気を読むってことが苦手だったり、相手の立場で考えることが苦手だったり、忘れ物が多かったり、朝どうしても起きられないですとか。

体内時計の調整がうまくいかない人たちが多いので、そのため普通の一般社会生活ができない。だけど、人からは「怠けてる」とか言われて自信を失っているパターンもあるので、これもちゃんと特性を理解した上で、社会との折り合いをつけられるポイント、妥協点を一緒に探してあげる必要があるということになります。

でも、発達障害の人は逆にスイッチが切り替わるみたいに、一回悟るとひきこもりが治りやすいんですよね「ああ、そういうものなんですね、わかりました」と言って、すぐ次のことを受け入れるのも発達障害の人の特徴だったりするので、まあそれも良いのかなと思います。

回避性パーソナリティーの人だと避けちゃうんですよね。
何でもかんでも避けちゃう。外来でも治療していますけど、やっぱり初診で終わってしまう人とか、最初は通院しているけれど途中で来なくなっちゃうのもこの人たちの特徴です。

僕ら外来で診ている医師は、そういう点ではよく知ってるとも言えるし、ある意味無責任と言えば無責任ですね。
家族はずっと見ているので大変だろうなと思ったりします。僕らは外来に来なくなったらこういう人たちを治療しきれないので。

ひきこもりの患者さんの心理はこういうサイクルだったり、依存のサイクルだったり、色々あります。
それに合わせて薬だったり、カウンセリングだったりアプローチをしていくということになります。

障害者手帳と障害年金っていうのがあってですね。
よく使う制度としては手帳・年金というのがあります。

初診から半年通院していれば、基本的には手帳が取れます。
手帳を取ることで、1級、2級、3級とありますが、税金が安くなったり自治体によってはサービスを受けられるので、まあと取ると生きやすくなるのかなと思います。

年金は初診から1年半経った後に取れるんですね。
いわゆる高齢者になった時に貰える年金と同じやつです。
病気になったから働けないので、労働に制限があるのでもらえるというのが年金です。
これまで払っていた年金の額によってもちょっと変わるんですけど、これも取れます。
通院し続けないと診断書を書けないので、何とか通院し続けてもらうのがいいかなと思います。

基本的には治療の経過は、まず通院をして、診断、薬物治療などをやっていき、これがうまくいったら次に就労移行支援とか職業訓練ですね。
デイケアやリワークプログラムとか、こういうところに参加して福祉の現場で職業訓練した後にアルバイトとか障害者枠で働く、正社員とか。
あとA型、B型就労継続支援、昔は作業所と言ってましたけど、今は就労継続支援で働くなどの道があるというのが治療の流れです。
ここら辺が大雑把な流れになりますね。

池:ご家族やご本人もそうかもしれませんが、なかなか通院までたどり着かない人もいらっしゃるんじゃないかなと思います。
もちろん精神的な病気じゃない可能性もあるけれども。
変に悩むよりも、心は脳だということで客観的に診断してもらった方が早く楽になる可能性が上がるという感じですか?

益:ただこの問題があって、病院によっては「いや、君病気じゃないよ」と追い返す病院があったりするんだよね。
発達障害もあまり知識がなくて、いわゆる発達障害というよりは、軽度発達障害、グレーゾーンだったりすると追い返されてしまうとか。
回避性パーソナリティ障害だと追い返されてしまうとか。
パーソナリティ障害の診断がよくわからない医者も時々います。

うつ病も軽度だと「それは甘えだ」と言うこともあるし、統合失調症も幻覚・妄想が明らかじゃないとわからないとか。
あとここですよね、トラウマは初回から言う人はあまりいないですから、トラウマの存在を気づかずに無視してしまうとか。

アルコールの問題があっても、患者さんはアルコールの量を少なめで言うので、医者も大酒飲みだったりするから、それくらい普通だよとか言って1日に2リットルくらいビールを飲んでいても追い返しちゃうとか、そういうのはあったりします。
そうすると家族もげんなりしてしまうことがあります。
そういう問題はもちろんありますけど。

保健所に聞くといいんですよ。
保健所に聞くとそういうことも含めて教えてくれるところがあります。
ひきこもりの専門の先生はここですよとか、地域の精神医療センターに聞くと、今はいろいろあるのかなと思います。

家族の心理

家族もいろいろなパターンがあると思うんですよね。
家族の心理に移ります。

やはり感情的負担がすごくあるんですよね。こういうひきこもりの人たちが家にいると注意しなければいけないし、この子大丈夫かなというプレッシャーを常に感じ続けるし、メチャ疲れるんですよ。
会話をするにしても、気軽に喋っちゃいけないし、怒り出すかもしれない。
わりと言葉を選ばなきゃいけないからリラックスして喋れないですよね。
基本すごく疲れている。

プラス、そこには責任感もあるんだよね。
場合によっては、「もううちの子なんか知らない」と言って無責任になってしまうお母さんとかお父さんもいますけど、どっちかがやっぱり責任感を持ったりして。
責任感があるからこそ高め合ってしまうみたいのがありますよね、互いに。

ひきこもりの問題は結構難しいんですよ。
心の問題は難解なので。
これという正解がないし、ケースバイケースみたいなことが多いので、誰に相談したらいいかわからないですよね。複雑だし。
色々な家族がいますけど、理解は難しいんじゃないかなと、とても難解ですね。
頭を使うからすごく疲れるというものもある。

あと限界もあるんだよね。
それは医療の限界でもあるし、家族の限界もあるし、物・金・人・時間、全て足りないので。
だからこの子たちを良くしてあげようと思っても足りないんだよね。

よくひきこもりの子供にもっとやってくれたらとか言うんだけども、それは終わりがないので。
絶対足りることはないから、これも結構苦しいですよね。
医師がカウンセリングしてくれたらとか、カウンセラーがいたらと言うんだけれども、そんなのいないし限界がありますから、それは満たされることはないですよね。

じゃあ報われるかというと報われないこともあるんですね。
相手の無理解というのがあって、子供に発達の傾向があったりすると、親がいくら頑張ってもずっと無理解のままということもあるし。
子供によっては良くなって自分がアルバイトするようになって独り立ちした後、親を憎んでいたりしますからね。

最初から最後まで親のおかげで出れたじゃんと周りは思うんだけれども、本人は全然思わないというパターンもあるので、それも結構疲れます。
まあ親ってそういう感じなのかなと思います。

こういうストレスが溜まっている状況だからこそ、子供に対してキレてしまうんですね。
「いい加減にしろ」と。
滅多にないかもしれないし、月に一回くらいかもしれないけれど、子供はそれをずっと覚えているんですよ。
新しい情報がないから1ヶ月前でもそれをずっと覚えていたりする。
発達の傾向があると忘れないのでマイナス方式になっちゃうというか。
そういう疲れがあるなと思いますね。

池:限界を知るって難しいですね。
責任感があるともっとこうしたいとか、自分がいなくなったらどうするんだろうとか。

益:ここも結構難しいんですよね。
唯物論の話に戻るんですけど、人間はたくさんいるので、皆が普通になることはないですからね。
そもそも能力が高い子もいれば、能力が低い子もいるし、能力があってもバイタリティがある子もいれば、そもそも体力が全然ない子もいるわけですよ。
虚弱な人ということですよね。焼肉食べただけで1週間ぐらい体調悪いみたいな子もいれば。
焼肉を食べると普通は元気になりますよね。
翌日から「よし、頑張るぞ」となるところが焼肉を食べたら1週間ぐらいお腹を壊したり、体調悪いと言っている子もいるので、そういうことですよね、限界って。
メダカを100匹くらい買ってくれば、活きが良いのもいれば悪いのもいる。自分の子供がたまたま活きの悪いメダカだったということなんですけど、言葉を選ばずに言えば。
それがなかなか受け入れられないし、本当に活きが悪いのか判定しにくい。
バイタリティの問題や体力は採血などではわからなくて、現代の医学においてもなんかこの人バイタリティないなと僕ら医師は臨床感覚では知っているんだけれども、それを医学に落とし込めていないんだよね。論文にもしきれてない。

なんでこの人は寝れないんだろう、いや、寝る体力がないからという、日常の感覚では僕らはわかっているし、世間の人も知っているじゃないですか。
だけどなんか妙にそこはまだ医学の中で落とし込めていないので、ここら辺のところを線引きするのは結構難しいですね。
なのでたくさん数を診ている医者じゃないとその妥協ラインがわからないんですよ。
医師も一回診ただけじゃわからなくて、長期に渡らないとその人の限界が見えてこなかったりするんですね。
だから診断よりも限界を知る方が難しくて、それは医師の経験年数とか医師のセンスとかもあるんですけど、これは難しいですね。
いい質問をありがとうございます。

池:お医者さんにかかること以外、長いじゃないですか。
お医者さんにかかりつつ、さっきの手帳とか福祉と連携して働き始めるとか、そういうパッケージで考えていくということですかね?

益:そうですね。治療というのはチーム戦なので、子供だけの治療じゃなくて、家族のメンタルケアも必要です。
家族がバテないようにしなきゃいけなくて。
どちらかというとよくある質問は、どんな言葉をかけたらいいんですかとか、どういう風に話しかけたらいいんですかとか、どういう風にケアしてあげたらいいんでしょうと言うんですけど、そういう攻めは正解がないし、ケースバイケースなのであまり意識する必要はないし、疲れちゃうんでいいと思うんですよ。

大事なのは守りの方で、こちらが疲れないように、こちらが感情的にならないで、だけど聞く姿勢は常に持っておく。
自分の意見を言いたくなるかもしれないけど、聞く姿勢を保ち続けることが重要だから、攻めより守りの方が大事なんですよね。

臨床はそうなんですよ。精神科臨床は医師が疲れない、カウンセラーが疲れない、淡々とできることが重要で。
いい言葉を出すとか、金言を出すとか相性がいいとか、そういう攻めは目立つしよくネットでもありますけど、あまりそれは重要じゃなくて。
どちらかというと守りの方が大事という感じですね。

僕がお勧めするのは通院ですよね。
診断に応じて薬をしっかり使う。
カウンセリング、いわゆる精神療法。これは医師の5分診療でやるのか、自費でカウンセラーが45分やるのか、福祉施設でやるのかなど色々あると思います。
あとは福祉を導入する。手帳とか年金とかね。
この3本柱が大事ですね。
プラス家族や周りの人のサポートが大事だと思います。

この問題だと本人が通院できないじゃないかとかあったり、薬が必要なレベルじゃないよと医師に言われたとか、かえって副作用が多いと言われたとか、カウンセリングは高いよとか、自費だから45分一回1万円とかすると、月何回行けるんですかとかなると、やっぱり治療のスピードも遅れてしまうんですよね。

なのでどうしたらいいかということで、 YouTubeを僕が今やっているので、YouTubeを見てもらう。
コメント欄もあるので、YouTubeを見ながらコメントするというのが一つの治療でもあると思うので、それをやってもらって知識をつけながら前頭葉を鍛えてもらったりすると見通しが立てて、自分の感情をコントロールしやすいんじゃないかなと思います。
これは家族も同様ですよね。
家族も同様ということなので見てもらうのがいいと思います。

自分の宣伝ですけど、あとYouTubeはタダですからね。
プラス、メンバーシップという形で家族会もやっているんですよ。
家族会と患者会もやっていて、YouTubeのメンバーシップの2,990円のプランに入ってもらうとできます。

iPhoneのYouTubeアプリから入ると、プラス1,000円かかるので、SafariやGoogle Chromeなどのブラウザから入ってもらえたらと思います。
メンバーシップに入れば同じようなひきこもりの人の家族がいるので、匿名でいるので、Slackというテキストで会話をしたりとかできます。
Zoomを使ってお喋りをしてみるとか。
イベントも時々やっているので、リアルイベントで交流すると色々な知識も身に付くし、自分の心や体験をシェアすることで気持ちが楽になることもあると思うのでいいのかなと思います。

Safariから

Google Chromeから

だいたい精神科は、どんな診断やどんな治療であっても基本はやることは一緒なので。
ケースバイケースで対応はしますけど、王道は一緒なので入ってもらって色々語ったりしていくと良いと思います。
あとはセルフケアの基本とか、そういう動画も撮っているので、どういう時に治療が起きるのかとか、どういう風に前頭葉が進化していくのかは、他の動画でも撮っているので、そちらの方も見てもらうと、もうちょっと治療構造が立体的にわかってくるんじゃないかなと思います。


2023.12.16

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