「自律神経を整えるにはどうしたら良いですか?」という質問がありましたのでお答えします。どうしたら良いかに対する答えは「規則正しい生活をすれば良い」なのですが、今回の動画では、規則正しい生活をすることでどんな利点があるのか、そもそも自律神経とはどういうものなのか、どうして規則正しい生活をすると自立神経が整うのかについてお話ししたいと思います。
コンテンツ
規則正しい生活
規則正しい生活を送ると様々な良いことがあります。疲れにくくなる、眠れる、やる気が出る、気分が安定する、食べられる、食べ過ぎなくなるなど良いことづくめです。
ですが、わかっていてもなかなかできないものなので反対を言ってくれるものを求めがちです。例えば、炭水化物抜きダイエットでは白米などの炭水化物は抜くけれどお肉はいくらでも食べて良い、お酒は休肝日を作れば飲んで良いなど。そういうものはなかなか正しくはありません。つまらないかもしれませんが正しさというものはあります。
交感神経系と副交感神経系
そもそも自律神経とは何かと言うと、交感神経系と副交感神経系という2つの神経系が押し合っているものの総称のことです。
交感神経系とは、簡単に言うと日中に活性化する神経でやる気や集中力を高めます。ですが、行き過ぎると不安や緊張を感じます。カフェインやコカイン、覚醒剤を投与することで交感神経系を無理やり上げることができます。ショウガやニンニクもこの仲間です。
副交感神経系は夜を中心に働くリラックスさせる神経系です。適度であればリラックスしたりお腹が動いたり(空腹を感じる)しますが、行き過ぎると眠い、気だるい、やる気が出ないといったことになります。リラックスさせるドラッグは、アルコールやベンゾジアゼピン系の薬になります。
図解
朝は交感神経系が優位で、夜は副交感神経系が優位になる、このようなリズムがもともと備わっています。これを毎日同じような時間でできるとリズムがスムーズになり、習慣化するとよりリズムが安定します。
朝、交感神経系を優位にするためには、カフェインを入れる、朝日を浴びる、朝食をとる、運動をするなどします。
昼は交感神経が行き過ぎないように少しリラックスをするとバランスが良くなります。休憩を取る、少し昼寝をするなどします。
夕方以降は副交感神経を優位にすることを意識します。家族との時間を過ごす、お風呂に入る、音楽を聴く、アルコールを飲むなどです。疲れた分、きちんと休まなければいけません。夜になっても仕事やゲームで交感神経を活性化させてしまうと疲れが翌日に残ってしまいます。
自律神経系の乱れを整える
よく問題になるのは過度な緊張、動悸、パニック、不眠なのですが、これは交感神経が優位になりすぎて副交感神経の押す力が弱まっている状態です。治療としては反対側に押せば良いので、ベンゾ系の抗不安薬を使ったり、リラックスできる行為(水を飲む、深呼吸、アロマなど)をしてもらいます。
緊張しやすくなっている場合は、交感神経がグッと押すのを止めてくれるSSRI(抗うつ薬)を使うこともあります。ただ、規則正しい生活をすると交感神経・副交感神経の移動が緩やかになってきますので、やはりそれが大事です。
やる気が出ない、朝起きられないといったときは副交感神経が優位になっています。そういうときは疲れすぎている場合が多く、しっかり休んだほうが良いです。夜ゲームをやっていて朝疲れすぎていたり、日中が副交感神経優位になっていたりなどリズムが崩れてしまっています。その場合は朝に運動をする、朝日を浴びる、カフェインを適度に取るなど意識する必要があります。疲れすぎてモチベーションが下がっている場合は、タスク管理やスケジュール管理をしっかりしてモチベーションアップをはかることも大事かと思います。
規則正しい生活をしていくと自律神経のバランスが整ってきますので、休みすぎることもありませんし、長いペースでゆっくり働けます。人生は長いので、短距離をガッと走って休むということを繰り返していると、一定のペースで走っている人には負けてしまいます。時には追い込みも必要ですが、基本的には一定のペースで進んでいくことが大事です。
自律神経系
2020.12.8