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【ゼロから学ぶ精神医学②】精神科にはいろいろな立場の人が来る

01:15 色々な背景

本日は「精神科に来る様々な立場の人」というテーマでお話しします。

昨日から始まった、精神医学をざっくりお話しするシリーズの第2弾です。
精神医学をゼロから学びたい人に向けて動画を撮っています。

精神科には色々な立場の人が来ます。
こういう人はいそうでいなかったり、いるけれど目立たなかったり、あまり話題にしてはいけないかなと思い見て見ぬふりをされることがあります。

どういう立場の人がいるのかをざっくりお話ししようと思います。

色々な背景

・虐待
まずは幼少期の問題として虐待の有無があります。
世の中の人が思っているより虐待は多いのです。
5~10%の人が虐待を受けているというデータもあります。

・母子家庭
シングルマザーで父親がいなかった場合、会話をしていても父親的な要素に対する拒絶反応や過度な憧れがあったりします。そのような家庭背景も重要です。

・貧困
家にどれくらいお金があったのか、子どものときにどれくらい苦労したのかも考慮しなければいけません。
不用意な発言をすると相手を怒らせたり傷つけたりしてしまいます。

・知的能力
その人の知的能力も考慮しています。
「境界知能」と呼ばれる、知的障害(精神発達遅滞)ではないけれど、それより少し良いくらい、普通の人と呼ばれるには生活に困難がある、でも知的障害のレベルではないので福祉の手も届かないという人です。
こういう人が7人に1人いると言われます。

・発達障害
発達障害は、できることはあるけれど極端にできないことがあるというものです。
運動神経は良いけれど泳ぐのが下手というような形で、勉強はできるけどコミュニケーションが難しい、みんなと楽しくやっているけれど忘れ物が多い、時間を守れない、など色々なパターンがあります。

・人格障害(パーソナリティ障害)
人間の性格の異常値、このような要素も考慮します。

・家族、恋人
家族や恋人の問題も考慮しなければいけません。

・ヤングケアラー
ヤングケアラーの問題を見逃されやすいです。
子どもの時に自分のために時間を費せなかった人がいます。
母親が精神疾患でそこにすごく気をつかう、一緒にいなければいけない時間が多かった、といった問題です。
両親が働いていて自分が祖父母の世話をしていたということもあります。

・夫婦仲、妊活
夫婦仲が良いのか悪いのか、妊活中で親族から責められているなど。

・子ども
子どもがいるかいないか、子どもに発達障害など精神科の病気があるのか、それによっても考慮しなければいけないことがあります。
いろいろなタイプの不幸、不運があります。

・仕事、正社員、自営、派遣、アルバイト、ひきこもり
その人がどのような仕事をしているのか。
正社員、自営、派遣、アルバイトなのか、そもそもひきこもりなのかも考えなければいけません。

・生活保護、障害年金、手帳
お金は持っているのかいないのか、生活保護なのか、障害年金をもらって生活しているのか、手帳を取っているのか、なども考慮します。

・孤独、友人、つながり
孤独な人は多いです。
ずっと独身で友達もいない人もたくさんいます。会社では職場の人と喋るけれど、休日は喋る人がいない。孤独の問題は結構あります。
友人はいるのか、つながりはあるのか、といったことも考えます。
孤独は結構大変で、人とは会話をしているのですがつながりがありません。
無人島で生活しているようなものなので調子が悪くなります。

このような背景を考えながら、その人に言って良いこと、言ってはいけないこと、相手を怒らせるかもしれないこと、傷つけるかもしれないことを判断し、気をつかいながら喋るのが精神科の治療です。

精神科は脳の病気という側面もあるのですが、横から見ると社会的な要素からくる病気でもあるので、色々なことを考えながら治療をしています。


2022.5.15

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