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主観2.0を再考する

00:00 OP
01:38 主観から主観2.0へ
03:21 混沌を整理する
06:45 何が良い状態なのか

本日は「主観2.0を再考する」というテーマでお話ししようと思います。

主観2.0とは何かと言うと、僕が編み出した治療のノウハウなんですね。
編み出したと言うと偉そうですけど。
なぜ治癒は起きるのか、どうやったら僕らは心の不安とか苦しみから抜け出すことができるのかということを、一つの答えとして主観2.0というやり方を提唱しています。

精神医学はこういう風に考えていて、こういうアプローチで心の悩みを解決するんですよという一定の答えがあるわけです。
手段としてね。
精神医療というのは無力だとか言ったりする人もいるんですけど、まあそうと言えばそうだし、この主観2.0は理想目標であって到達しない目標かもしれないんですけど、一つのやり方があるのでそれを説明しようかなと思います。

なんか冒頭から難しいんですけど、こういうやり方で治療を考えていますよとか、こういうやり方で治療していけば僕らは心の悩みから抜け出すことができますよ、ということを説明しようかなと思います。

主観から主観2.0へ

まず治療を受ける前はどういう状態かと言うと、主観と混沌の状態なんですね。

混乱している、混沌の中にいるんですね。
自分はどうしたらいいんだろうとか、自分はこれからどうなっていくんだろう、この苦しみはどこから来るんだろう、混沌としているんですね。だから苦しいんですよ。そういう状況にいるということですね。

ここから「名付け」をもらいに行くわけです。
自分だけだと客観視できないんですよ。だから、第三者の力を借りに行く。
そして今の状況を整理してもらったり、名付けてもらったり、足りない知識を補ってもらうんですね。

あなたの今の状況はうつ病ですよ、うつ病だからこう苦しいですよとか、人間というのはそもそも脳があって、脳の扁桃体の機能が落ちてくるとだんだん不安が高まるんですよとかね。
そういう名付けとか整理、知識を補ってくれるんですね。
これをやるのが治療の場でもあるわけです。

そしてその上で新しい主観を手に入れていく。
自分はこれからこういう考え方をすればいいんだ、こういう行動していけばいいんだという新しい主観になっていく。
これが主観2.0と僕は呼んでいます。

混沌を整理する

最初は混乱しているわけですね。どういう状態かわからない。
自分の子供がいるのでよくわかるんですけど、子供たちはすごく万能感に溢れている。自分は優れていると思い込んでいるんですね。
怒られると何で怒られなきゃいけないんだよと反発までしてくるんですね。
だけど、何かトラブルがあると本当に不安になって怯え出すんですね、子供たちは。
そして父親とか母親の援助を求めようとする。

わからない場所とか危険な場所、初めての場所とか、怖い大人がいると怯えて僕らの背中に隠れるんですよ。
つまり、大人の援助を求めている。
大人とは何かというと、彼らにとっては力があるとか、自分たちよりもものを知っている人たちなんですね。

精神医学も同じでよくわからないんですよ。わからないから専門家のところに来る。
患者さんたちが子供で自分たちは大人だと言うつもりはないんですけれども、そうではなく、人の悩みや人の苦しみを考え続けている仕事をしている人たちなんですよ。

考え続けている、そしてそれに立ち会って一緒に問題を解決してきた専門家である。
人類の中でそれを専門的にやりなさい、社会というのは分業制ですから、色々な仕事をしている人がいますよね、野菜を作る人、魚を獲る人、畜産をする人、泥棒を捕まえる人、火事が起きたときに出動する人とか色々な仕事がある中で、僕らは心の悩みを考え続けて解決するのが仕事です。

どういう風に解決していくのかというと、知識を持って解決していくということですね。
つまり、名付けていって整理していって、何が最適かを一緒に考えていくということをします。

知識とは何かというと「心とは脳である」という科学的な前提ですね。基本的には科学です。精神医学というのは。科学で考える。
心という曖昧なもの、不安という曖昧なものをそのまま扱うのではなく、主観的に扱うのではなく、体験しているままを扱うのではなく、一回引いて科学的に判断する。そういうことをしているわけですね。

それには賛否両論あるんです。
本当にそれで良いのか、主観的な世界に入っていかなくていいのか、外から見ているだけでいいのか、外から見てるだけで本当に心のことがわかるのか、という意見もありますよ。
もちろんそういう部分も僕らは反省として受け入れて、自分の心を使いながら客観的であろうとするわけなんですけれども、でもまあそういうことですね。

とにかく精神医学や神経科学の知識をベースに物事を整理し、哲学、思想、法律、倫理学、社会科学、社会学、歴史などいろんなものを踏まえて、こういう状況をできるだけ客観的に知ろう、客観的に患者さんの状況を捉えようとしているわけです。

決して自分の自己主張をしているわけじゃないんです。
あなたはこうなんだと言ってるわけではなくて、こういう知識をベースにあなたの状況を整理するとこういう状態ですよね、ということを提案しているわけです。

何が良い状態なのか

その上で何が良い状態なんだろうということを伝えているわけですよね。
これも大体答えが出ているんですよ。
どういう考え方をすればいいのか、どういう行動をすれば合理的なのか、利益が大きいのか、幸福になりやすいのかというのは、一定の答えは出ているので、それも伝えていく。

一つは自分の理性を道具として扱うということです。
個人の自由というよりは楽観的になる。
ネガティブも楽観的なのも自由じゃないかと言うかもしれないけれども、幸福を感じやすいのは楽観的であることなんですよね。
だからできるだけ楽観的な思考になるようにしましょうとか。

対人関係が苦手だったら、ずる賢くなるよりも正しく生きる、倫理的である方が人間関係うまくいきやすいんですよ。
ずる賢さを教えるとか、人を騙すテクニックを覚えるのではなく、できるだけ道徳的であること、倫理的であること、正義感を持つことを教えていく。

そして寛容であること。
相手の間違いが許せるような心になっていった方が理解しやすい。そういうことを伝えたりしますね。

結局、脱中心化の問題だったりします。
自分本位じゃない、自己中心性を捨てていくということが、主観2.0の究極的な目的だったりします。

これがうまくいくためには、薬を使うことも必要だし、マインドフルネスを身につけることも必要だし、認知行動療法とか学び、学力を身につけていくことも大事だったりします。

どうやって学ぶのがいいのかというと、カウンセリングだったり、患者会だったり、座談会だったり、YouTubeだったり、YouTubeでコメントすることだったりするんですよ。

僕はこのYouTubeやコメント欄を利用するということがイノベーティブだし、新しい技術だし、まだまだ未開発なんですよ。なのでここには可能性があると思っている。
人類というのはイノベーションによってこれまで解決できなかったことを解決できるようになっているので、そこに挑戦しているということなんです。

お釈迦様ができなかったことを、どうして益田はお釈迦様より愚かなのに、賢くないのに、お釈迦様よりも人を救えるのか、人の苦しみをお釈迦様より救えるようになるのかというと、それはお釈迦様以降、科学者とか哲学者とかいろんな人が考えてきたノウハウを僕が知っているからだし、お釈迦様の時代にはなかった科学的な道具がいっぱいあるからです。
だから、僕はお釈迦様よりも人が救えるはずなんですよ。
僕の方がお釈迦様よりはるかに愚かで劣っていて、知識もなく、頭がいいわけでもないのにですよね。
それはどうしてかというとこういうことなんです。

皆さんもこの主観2.0を身につけてもらいつつ、こういう目的でYouTiubeを使っているんだ、臨床を利用してるんだと思ってもらうといいんじゃないかなと思います。

今回、主観2.0を再考するというテーマでお話ししました。


2023.8.11

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