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親を憎むのをやめる方法 AudioBook版が発売記念

00:00 OP
01:43 「毒親本」って正しいの?
03:30 親をどう理解していくのか
05:35 二者心理
07:10 自己理解(主観2.0)

本日は「親を憎むのをやめる方法」というテーマでお話ししようと思います。

これ、どこかで聞いたことあるなと思う人はいるかもしれないですけど、僕の本ですね。3冊目の本のタイトルです。
KADOKAWAさんから2023年の春に出版させてもらった本です。
オーディオブック版が発売となりまして、その宣伝をさせてください。

本を出版する前とか出版当初の頃は、本の宣伝をするのは気恥ずかしかったり、YouTubeはタダで情報を伝えられるのに、しかも動画で伝えられるのに、本の宣伝するのは相反するんじゃないかと思ってやることがはばかられていました。
でも樺沢先生からも本はちゃんと宣伝した方がいいよと教えていただいて、そうかなと思ってぼんやりしていたんですけど、実際担当の編集者の人が一生懸命やってくれたり、編集者の気持ちとかもわかると、彼らのために何かしてあげたいなと僕も思うようになって、皆さんに害にならない範囲で本の宣伝ができたらなと思っています。

「毒親本」って正しいの?

どんな本なのかということなんですけども、担当の編集者さんとディスカッションしながら、「毒親本ってどうなんでしょうか?」という話からスタートしたんですね。
「毒親本ってどうなの?」「親を憎むってどうなの?」「親を憎んでいいんだろうか?」というところからスタートしたんですよ。
臨床ではどうですかとか、毒親の話とかするんですかと言うと、「うーん」と僕は言って、「まあ、憎めるんだったら憎んでもいいんだけど、そもそも憎んでいる人ってそんな本を読まないんじゃないかな」と言ったんですよね。
憎んでいるんだったらそれで終わりにしちゃえばいいわけだから。

だから本当に憎んでいるんじゃなくて、憎んでいるんだけどどこか理解したいとか、憎んでいるんだけどどこか許したいっていう気持ちがどこかあるんじゃないのかなと。そういう人は臨床によく来ますよという話をしたんですよね。
そこから、臨床ではどういう形で親への怒りや憎しみと決別するのかというところからスタートしたんですね。
この本は親を憎むのをやめなさいというよりは、憎んでいるのをやめる本なんですよね。

その結果、親とは相いれないということで決別して憎む状態をやめていく。
別に許すわけじゃないんだけれども、そのまま距離をとり続けられる方法だったり、その結果、親にも弱いところがあるんだな、許してあげてもいいかもなと思ってある程度受容でき、納得できる方に向かうのか。
そういう話をしているという感じです。

「憎む」という感情に支配されるのをやめるという感じの本であり、臨床でもそういう感じですね。

親をどう理解していくのか

どういう内容かというと、親の理解ですね。親をどう理解していくのか。
親の生い立ち、仕事、世代の話をどうやって理解していくのかを書いています。

患者さんは親を憎んでいるわりには親のことをあまり知らない人が多いですね。
なのでそういう場合は臨床の中で、どういう親だったんだろうねということをカウンセリング、ディスカッションしながら解き明かしていくんですけれども、そういうことを書いていますね。

世代のことや仕事のこと、この業界は本当はどうなんだろうということが知りたければ、この本プラス、インターネットで検索して業界のことを知ってもらえれば、親の理解度が深まるのではないかなと思います。

新しいトピックとしては、現代的な精神医学の本なので、発達障害についても触れています。
今は神経発達症と呼び名が変わってますけれども、発達障害についても触れています。

過去の精神医学の本の中では、親の理解の時には生い立ち、仕事、世代、性格や人柄には触れていたんだけども、おそらく発達障害までは触れてなかったんじゃないかなと思います。
現代的な精神医学の本なので、発達障害の理解についても触れています。

その結果、親は私のことを愛してなかったんじゃないかとか、親は私にネグレクトしてたんじゃないかと思っていても、案外ASDの受動型だったからなのねとか、何であの人は人の気持ちが分からないんだよと思ったけど、発達障害なのかねとか。
何で親は私の気持ちを気にせずにズカズカ入ってくるんだろうと思ったら、ADHDだったからなねとか分かることが多い。
そして自分自身も発達障害の傾向があったりするわけですね。患者さんは。
まあ自分もひどいなと思ったけど親の方がよっぽどひどかったな、みたいな理解につながることも多いです。
それについても触れています。

二者心理

個人個人は問題がなくても、個人と個人が関わることで問題が起きることがあるわけですね。
これを二者心理とか二者心理の病理とかいうんですけども、それについても触れています。

つまり、精神分析ですね。精神分析的な理解についても触れています。
僕らは相手をあるがまま見ているわけではなくて、自分の中にある無意識とか過去の感情、過去の記憶を相手に投影させて物事を見ているんですね。

親についても先入観込みで見ているわけですよ。
そういうことで生まれる誤解もあるし、そして自分だけではなく相手、親も先入観込みでこちらを見ているわけです。
そういう話をここでしています。投影、転移、逆転移ですね。

「投影」というのは、自分の感情を相手にぶつけることで相手を歪めて見てしまうこと。
「転移」というのは、過去の人間、過去の記憶、過去の人間像を無関係な人にぶつけて相手を歪めて見てしまうこと。
「逆転移」というのは、相手の行動からこちら側も偏見、先入観を持ってしまうこと。

これらが複雑に絡み合って、正常に冷静にあるがままの相手の姿を見れないので誤解が生まれたり、トラブルが起きるんですよという話をしています。

自己理解(主観2.0)

その結果、最終的には自己理解に繋がってもらえればいいんじゃないかなと思います。
「主観2.0」という僕が作り出した言葉についても解説しています。

臨床というか、人々というのは、僕もそうですけど独特の世界観を持っているんですよね。
その世界観に支配されて、個人個人の世界観に支配されて世界を見ているわけです。
世界をあるがまま見ているわけではなくて、自分なりの価値観や世界観に基づいて世界を見ているんですね。

これはズレていることが多いんですよ。
なので知識をつけたり相手に訂正してもらいながら、このズレを直していく。
それを少しずつバージョンアップしていくんですね。1.1、1.2、1.3とバージョンアップしていく。

そしてとうとうパッと次のバージョンに移るんですね。
それを主観2.0と言います。
小さくバージョンを積み重ねながら、ある瞬間ポンと飛び越えるような感じを主観2.0と表現していて、それについても触れています。

こういうことをやっていろいろなことを考えていく中で、ある時ポンと壁の向こう側に行けたりするので、その話をしているという感じですかね。

これが本を読むのではなくオーディオブック版で出たので、もしよかったらご購入いただいて内容を見てもらえればなと思います。
もちろん今の話で「ああ、なるほどね、こういう内容か」とわかった方は別に本を読まなくてもいいのかなとは思いますけれど、まあそういうこと言ったら編集の人にも悪いので、支援の意味を込めてご購入いただけたらなと思います。
それが積み重なると次の本にも繋がりますので、もし良かったらご協力いただけたらなと思います。

益田は本を他にも出していまして、SB新書から「精神科医の本音」という新書を出しています。
これは精神科の裏側を語っています。
何で5分診療なのかとか精神科医は儲かるのかとか、ちょっと下衆い話もしているという感じです。

あと、フォレスト出版さんから「精神科医の会話術」という、精神科医がどういうことに気を遣いながら患者さんと会話をしているのか、それはビジネスでどういう風に応用できるのかという話をしています。
ビジネス書の分野の中に会話やコミュニケーションというジャンルがあるんですけれども、それの精神科医版があったら面白いかもねと作った本です。

今度9月の末に「心の治り方」という漫画が出ます。
青山さんという漫画家さんに描いてもらったんですけども、それが出ます。
これはまだ発売していないですけど、上の2冊はもう出ていますので、「親を憎むのをやめる方法」はあまり興味ないなという方で、どちらかに興味があったらもしよければご購入ください。


2023.9.15

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