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ボディコントロール(マインドフルネス、アンガーマネジメント)を身につける

00:00 OP
02:42 感情コントロールの技術と習慣
04:08 男性の方が得意?
05:57 祈り、坐禅、スポーツ

本日は「ボディコントロール」をテーマにお話しします。

僕が提唱するセルフケアの三本柱というのがあるんです。
つまり、自分のメンタルヘルスを健康なまま維持していくためにはどういうものが重要かということです。その中で重要なものを3つ挙げました。

1つはセルフモニタリングです。
今自分の心がどんな状態なのか、今どんな問題を抱えているのか、目標はどういうことなのか、ということを常に明らかに整理しておく。そして最適な行動を取れるようにしておく、ということです。

もう一個は「主観2.0」です。
誤った認知の仕方をしていると、普通の人よりもストレスを感じやすかったり、疲れやすかったりするんです。
なのでその世界観を変えてあげる。1.1、1.2、1.3…とバージョンを少しずつ変えていって、ある瞬間2.0とポーンと変えてあげる。
そういうものを「主観2.0」と呼んでいます。
過去のトラウマに支配されないなども含めて、認知の歪みを治していくことを主観2.0と呼んで、これもやっていきましょうよということを言っています。

3つ目に「ボディコントロール」です。
感情コントロールを体得していくということなんです。
これがわかりにくいと思うので、今回はこのボディコントロールの話をしてみます。

ボディコントロールと言うとわかりにくいかもしれないですが、例えばマインドフルネスとかアンガーマネジメントもボディコントロールの一種だと僕の中で定義しています。

なぜこういうややこしい言い方をするのかというと、皆さんが日常の中で使っている、また日常の中では知らず知らずのうちに使っている技術があるので、それらを内包できるようにした。学問的に厳密に定義をしてしまうと省いてしまうものがあるので、省かないようにできるだけ日常のものや知識を内包できるようにデザインしたというか、創作したという感じです。
ボディコントロールを身につけましょうということです。
ちょっとさっきの話はややこしいので忘れてください。

感情コントロールの技術と習慣

人類は昔から感情コントロールをどうやったらいいのかを考え続けた歴史があります。
そして技術の中に落とし込む、習慣の中に落とし込むことをやってきたわけです。

僕はよく昔の人のことを想像するんです。
昔の人は、現代人よりもはるかにストレスフルな環境にいたわけです。
飢餓の問題、食糧難の問題、抗生物質とかないですから子供が小さくして亡くなってしまう、栄養失調で亡くなってしまったことも多かっただろうし、病気の問題、戦争の問題、疫病の問題、いろいろなものがあって、人の心はズタズタになっていたと思うんです。

その変化に合わせて、人間は何とか生き延びようと思って、メンタルヘルスを保とうと思って、色々なことを駆使してきたわけです。

その一つが宗教だったりするのですが、現代人というのは神様をもう信じられなくなってきていますから神様抜きで、でも、その当時あった技術というものを現代にブラッシュアップして使っていきましょうよ、ということだったりします。

それらがアンガーマネジメントだったりマインドフルネスだったりで繋がっていくのですが、より専門的な話はまた別の動画もしくは専門書を読んでいただくとして、今回はさわりを理解してもらえたらなと思います。

男性の方が得意?

感情コントロールというのは、男性の方が得意なのか、女性の方が得意なのか、ありますね。
男性の方が感情的になりにくいと言われたりはしますけど、それは偏見もあるのかなという気はします。

ただ体力がない時よりも体力がある時の方が、感情的になりにくいんですよ。
女性は性ホルモンの影響を受けてしまうので、月の周期がある人の方がない人よりもやはりコントロールしにくいのは事実なわけで、そういう意味では男性の方が得意というのもそうなのかなという気はします。

あと男性は共感性が低いので、そういう意味でも男性の方が得意なのかなという気がします、一般的には。あくまで一般的な話です。

結局なぜこれが大事かというと、複雑な問題を扱う時こそ冷静にあるべきなんです。
人生の中ですごく悩むことや困ったことに遭遇するんです。
そういう時にはすごく落ち込んでしまうし、感情的になるし、不安になったり怒ったりするんですよ。
でも、この時に感情に支配されたらうまくいかないし、より悪い行動を取ってしまいがちなんです。

よくマンガやアニメだと、最後にぶち切れて感情的になった瞬間ほど強かったりするじゃないですか、漫画のキャラクターって。
エヴァンゲリオンも暴走した時が強かったりするんだけれども、現実はそういう時は最強というより最弱であって、感情的に動くと負けてしまうので、こういう時こそひと息呼吸をついて冷静に動くことが重要だったりします。

祈り、坐禅、スポーツ

過去にはどういう風に冷静になっていくのかというと、祈りだったり、坐禅だったりしました。
僕の理解ですよ、あくまで僕の理解ですけども、人それぞれ理解の仕方というのは体感的な理解の仕方なので、人それぞれ多分違ったアプローチで体得すると思うんですけども、僕なりの理解では、まず心臓が速い時というのは、自律神経系を介して脳に信号が向かって不安を感じるんです。

逆に不安とか緊張している時は、脳から自律神経系を介して心臓が速く動くようになるんです。
心臓が速いと呼吸も速くなるんです、だいたい。
身体から来る情報と脳が発信している情報はコンマ何秒でやりとりしているので、どっちが先かというのはあまり意味がないかなという気がしますけど、とにかくそうなっている。

だから逆に、無理やり強制的に呼吸をゆっくりにしてあげれば、次第に心臓もゆっくりそっちに引っ張られて、心臓もゆっくりになっていくんですよ。
心臓の動きがゆっくりになれば頭も冷静になっていくんですね。

スポーツや訓練でもそうなんですが、落ち着かなきゃいけないときこそ深呼吸をして冷静になる。
スポーツでPKの前とか深呼吸してますよね?
深呼吸して冷静になる、そうして普段通りのパフォーマンスができるようにしていくので、こういうのは大事なのかなと思います。
ゆっくり呼吸するということですね。

これはすぐできるものじゃないんですよ。
訓練していくことで条件反射的にゆっくりになるスピードが速くなるんです。
座禅や祈りを繰り返していくと、緊張していた場面で10分かかっていたものが5分で緊張が終わるようになるし、5分かかっていたものが3分とか2分になっていくわけです。
そういう呼吸法を体得していくことは重要だったりします。

体得と感情や思考のトレーニング、自分でどういう風に向けていくのかというのは技術によって獲得できるんです。
感情的になったり、何だか落ち込んでしまいますと言うんだけれども、一方でこれは技術によって改善できる部分もあるんですよ。

もちろんガッツリうつ病や統合失調症の場合、やはりどうしても脳の病気が故にそっちに引っ張られるのはありますよ。
だけど病気がありながらも、技術によって少しでも緩和できるものがあるので、引き続き薬物治療と並行してこの技術も身に付けていく、そしてそれを極めていってもらえたらなと思います。

まだまだ先があると思うんですよね。
僕自身もその手前にいて、奥まで極めていないわけです。

サッカー選手だってそうですよね。
練習の時は緊張しないけど、試合中緊張する。
試合の時に緊張しないように呼吸法を身につけても、じゃあそれがいざ決勝戦とか、いざワールドカップの舞台だったりすると、やっぱり普段以上に緊張してしまって、いくら呼吸しても、そのレベルの緊張を抑えるほどのパワー、ボディコントロールは難しいこともある。

逆に僧侶の人や毎日やっている人は、本当にもっときつい場面であっても、それをコントロールできることもあるんじゃないかなと思います。

スポーツの経験や、僕も自衛隊にいて自衛隊の訓練の経験もありますけど、そういうところで体感的に学んできたことはすごくあるんですよね。
そういう中でフローしていく、集中していくこととか、人とのつながりを体感として学んだことがとても多くあります。

今の子たちとか患者さんの中ではやっぱり友達と遊んだ経験が少なかったり、スポーツを一緒にした経験、身体を使ったトレーニングだったり、ボディを一緒に使っていくという経験が足りない人って多いんですよね。
いじめとか虐待とかいろんな問題があって、そういう経験がなかったという人も多いと思うんですけども、それが大事だったりします。

でもこれが大人になってからそういう経験を積めば身につくものなのかどうかまではちょっとよくわからないです、こういう耐性感覚みたいなものは。
わからないですけれども、でも今からでも始めていくのが大事かなと思います。

だから理性と感情と身体から教わる。
感情と身体は一体ではないし、よく患者さんは感情が自分の本体だと思いがちですけども、理性こそ僕らの本体ですから。
わからないですよ、本当は違うかもしれないけど、そういう風に思った方が臨床上は都合が良いのでそう言いますけど。治療効果がs高いのでね。

感情に支配されない、感情が自分の本体だと思わずに、合理的に考える理性こそ自分たちだと思って、うまく感情をコントロールする技術を身につけてもらえたらなと思います。

いろいろありますよね。
座禅だけじゃないと思いますね。
座禅や祈りだけじゃなくて、スポーツの中でそういうものを身につけてきた人もいるだろうし、仕事や訓練の中で、身体を動かしていく中で身につけた人もいるだろうし、旅とかマラソンの中で身につけた人もいるだろうし、色々なパターンや色々な言語化のやり方はあると思いますけれども、こういうボディコントロールというのを意識しつつやってもらったらなと思います。

ブッダは身体をいじめるような修行には意味がないと言っていましたけど、でもやってきているし、座禅は組み続けているし、座禅は今日でもきちんと宗教の中に残っているわけです。
今もマインドフルネスはとても重要な技術なので、頭でっかちにならずにこういうトレーニングもしていってもらったらなと思います。

毎日こうやって深呼吸して呼吸に集中して、雑念が浮かんでもそこに入り込み過ぎず、ただ眺めていくという時間を1日の中に設けてもらえるといいんじゃないかなと思います。

今回は、ボディコントロールについてざっくり話をしてみました。


2023.10.11

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