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プロはどこを見ている?! うつ病の症状を精神科医目線で解説します

01:16 うつ病の症状、三大妄想
05:03 臨床で見ているところ、うつ病らしさ

今日は「うつ病の症状」について解説します。
それとともに、精神科医がどこで「うつ病」と判断しているのかをお話ししようと思います。

うつ病の症状

1.抑うつ気分
簡単に言うと落ち込んでいるかどうかということ

2.興味、喜びがない
感情が動かない

3.体重減少(5%/1ヶ月)
食べられなくて体重減少がある。逆に過食の場合もあります。

4.不眠
眠れない場合と、逆に過眠になる場合もあります。

5.焦燥、制止
焦って空回りしているけれど頭は回っていないので、なんだかよくわからないけど動き回っている。

6.疲労感
常に疲れている

7.無価値感、罪責感
自分には価値がない、自分は悪いのだと責める気持ち

8.思考力、集中力の減退
決断もできなくなります

9.死に感する反復的思考

<うつ病の三大妄想>
相手の話を聞いても了解できない、共感がわかない考えで、本人の頭から離れないものを妄想と言います。
・罪業妄想…自分が世界で一番悪い、自分こそが罪深い存在。だから何かをして悔い改めないといけない。私が生きていることで世界は腐敗していくというような考え。
・心気妄想…自分は大きな病気であると思っている。
・貧困妄想…実際にはお金があるのに、自分は貧乏だから生きていけないと思う。

DSM-5(精神障害の診断・統計マニュアル第5版)では上記の9つの症状のうち、5つまたはそれ以上に当てはまる場合にうつ病と診断されます。
もう少し古典的なうつ病の理解をすると三大妄想の有無も問われますが、現代では妄想は減ってきていると言われています。

臨床で見ているところ、うつ病らしさ

<矛盾>

うつ病らしさとは「矛盾感」です。
話している時の独特の矛盾感があるのです。

ストレスによってうつになった「適応障害」の人はこの矛盾が少ないです。なんとなく話が通じるのでわかります。

例えば何が矛盾しているかというと、上記の1番と2番、落ち込んですごく悲しみや不安な気持ちがある一方で、まったく感情が動かない感じがあります。
すごく落ち込んで悲しいのに、一方で止まった世界にいる、これが同時に成り立ちます。
深海のようです。暗いのですがどこか穏やかでもあります。

5番の焦燥と制止も矛盾しています。
何かしようと動いているのですが頭が回らず空回りをしています。これもよくあります。
「私は躁うつなのではないでしょうか、椅子に座っていられません」と患者さんは言うのですが、それはうつです。

7番の罪責感にも矛盾があります。
自分は世界で一番価値がない、本当にダメな奴だ、一番ダメだと言うのですが、この「一番」というところにナルシシズムがあります。
また、自分のせいで世界が悪くなると言いますが、そんなパワーはありません。
自己中心的でナルシスティックで自己肥大している一方で、価値がないと言います。ここに矛盾があります。
ここまでわかりやすくはありませんが、喋っていると違和感を感じます。通じない感じと言いますか。

<制止>

制止が強いとうつ病を疑います。
本当に止まった感じです。こちらが問いかけているのですが、それが響かず動かないような感じです。

自分は動画なのですが、患者さんは漫画のコマ送りになっているようなイメージです。

<妄想>

心気妄想や貧困妄想があるとうつ病を疑います。

これらがあることが「うつ病らしさ」かと思います。
しばらく話をしていて「あれ?」と思うような違和感があると、うつ病を疑ってもう一度聴き直したりすることもあります。
この違和感をキャッチするのが臨床上とても大事だと思います。


2020.10.16

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