統合失調症は精神科の治療においては基本中の基本ですが、町医者の場合は統合失調症はメインではないので動画にするのを避けていました。今日は頑張って説明してみたいと思います。
統合失調症は、妄想に支配されて日常生活を送るのが難しくなり、入院に至るケースも多い病気です。昔は精神分裂病、早発生痴呆と呼ばれていました。薬ができたのは1950年代と最近のことで、それまでは治療法がありませんでした。人口の1〜2%発症すると言われています。
病理メカニズムは、脳内のドーパミン系の異常により幻覚や妄想が生じるというのが特徴で、前兆期(トレマ期)→急性期(幻覚・幻聴・被注察妄想)→回復期・消耗期(無気力、寝て過ごす)→再発予防・維持期という経過を辿り、これを繰り返します。
治療はドーパミンを抑える薬を使います。定型・非定型の2種類があり、最近できた非定型の方を主に使います。副作用としてはパーキンソン病様症状(体が動かしにくくなる)、手足のムズムズなどがあります。
統合失調症は基本的に若年発症なのですが、中高年になって発見されることもあります。他に、遅発性パラフレニー(中高年の女性で社会的に孤立しやすい人に発症することがある)といったものもあります。
統合失調症の患者さんを見ていると、心や魂は脳の現象なんだと痛切に感じられ、多くの学びをいただきます。
統合失調症
2020.10.27