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コロナうつ・コロナ影響下での精神科臨床の日常について、印象を語ります

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00:00 今日のテーマ
01:23 コロナうつ
05:01 コロナそのものの不安
06:52 人と会わない、会話しないので「うつ」
09:40 仕事・社会変化、お金のせいで「うつ」
12:25 まとめ

「コロナうつ」がテーマの動画はあまり視聴回数は伸びないのですが、気になる人もいると思いますので撮ります。データを取ったわけではなくあくまで日常の印象を述べています。

当たり前ですが、コロナウィルスが脳に影響を与えてうつになるということは医学的には認められていません。「コロナうつ」とはコロナ流行下での悩み、不安、落ち込み、精神症状の悪化と世の中の人は捉えているのではないかと思います。

コロナうつの特徴

・コロナそのものの不安
・人と会話ない、会話をしないことによる落ち込み
・仕事や社会変化、お金の不安、落ち込み

そのほかに、運動量が減って生活習慣病が悪化した、お酒の量が増えた、FX・自宅でできるギャンブルが増えた、DVが増えた、認知症が増えたといったこともあるかもしれませんが、臨床ではあまり見えてこないので今回の動画では取り上げません。

コロナそのものの不安

コロナそのものに感じる不安は男性よりも女性に多く、単純に言うと不安障害の悪化ということです。

強迫性障害の悪化もあります。手洗いなどの強迫行為が増える、家族への巻き込み(家族にもっときれいに手を洗えと言う)も増えていますし、訂正も困難になっています。

不安障害の人は、外出困難になって電車に乗れないといったことがあります。こちらも訂正は困難です。

人と会わない、会話しないので「うつ」になる

これらは皆さんが想像しやすいものではないかと思います。
一人暮らしで両親にも会えず飲みにもいけない。会話をしないことでうつになるのは圧倒的に女性が多いです。

学生や若い会社員は地元に帰ってしまうことも多いです。リモート授業であれば地元でも同じですし、若い会社員の人も関東近辺の人であれば地元に帰って週に1回くらい親元から通い、出勤が重なるときは一人暮らしの部屋から通うようにしているなどよく聞きます。若い人であれば自分の部屋など居場所があるのですが、もう少し年齢が高い独身の方になると難しく、両親にも会いに行けないなど孤独感が高まるようです。

飲みに行く、趣味のサークルなどで人とのつながりがあった人は、なかなか会えず孤独を募らせるケースもあります。高齢者のカラオケ、ジムなどのコミュニティもなくなり話すことがないので鬱々とすることもあります。

人と会話をするのは大事なことで、改めて今回のコロナで人間は合理的な精神で動いているというよりは、肉体がある感情的な生き物なのだと痛切に感じさせられました。

仕事・社会変化、お金のせいで「うつ」

飲食やエンタメ系の人たちはガクッと仕事が減ったと思います。苦労もあるのですが、周囲の人みんなが大変なので助け合っているのか、落ち込みは意外と少ないなという印象です。ただ、もともと性格が明るかったり外交的な人が多いので、落ち込んでいても精神科に来るという発想がないのかもしれません。でも、すごく苦労していると思いますし、落ち込んでいると思います。

それからあまり知られていないと思いますが、夜の仕事をされている人たちがひどい状況です。仕事も減っていますし、もともと孤独になりやすかったりするのでそれがさらに悪化している感じです。業種的にあまり仕事のことも人に相談しにくいので孤独感を募らせている人も多いと思います。トーク力のある人だと仕事も減らずに超売れっ子が売れっ子になるくらいですが、トーク力が弱いとガクッと仕事が減っている印象です。これはなかなか難しいと思います。

社会変化というと、学生さんや新入社員、転職を考えている人たちは求人やスキルの不安を感じています。年齢が上でも派遣切りにあってしまったりなど不安を感じていらっしゃいます。ここまで来ると個人開業医の手に負えるものではなく、福祉や行政の力を借りないといけないので、そういう仕事をされている人たちに注目してほしいなと思います。

コロナによって落ち込みが増えていますが、見えていない問題もまだたくさんあるのではないかと思っています。
今回は、あくまでも開業医としての立場から、印象を語らせていただきました。

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2020.11.30

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