今日は年末特別企画「2020年を振り返る!」です。
私服での撮影は久々です。コントラストが出るのでこういうのも精神療法的には良いかなと思います。
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2020年を振り返る
開業医として3年目、コロナにもかからず続けられて良かったですし、患者さんのために自分なりに全力を尽くせたのではないかと思います。
心の理解を助けるのが精神科医の仕事ですが、患者さんと一緒に心を理解する作業ができたのではないかと思います。YouTubeやSNS上でもできたので、楽しく興味深い1年でした。
ところで、精神科医がどのように相手の心を理解しているのかというと、
・精神医学、脳科学などの知識
・臨床経験、先輩ドクターとの臨床経験の共有
・自分の心を深く掘り下げることで相手の心を理解していく
この3本柱で理解しています。
今回は3つ目の「自分の心を理解する」について、今年の3つの出来事から僕自身の心の変化を共有できたらと思います。
3月〜:コロナ体制へ
3月以降からコロナが流行り、クリニックでも待合の席を減らしたり、オンラインカウンセリングを導入したり、WEB問診を入れたりと色々取り組みました。
コロナから学んだこと:
・世の中は変化する
僕は医師として中堅に入ったくらいであり、変化を喜んで受け入れている側に見られるかもしれませんが、精神科医なので結構保守的だったりもします。そうはいっても世の中は変化はしていくし、それに対応していかなければいけないのだとしみじみ理解しました。
人の心も文化も変化していくし、その先に自分はいつかきれいさっぱりなくなってしまうのだなと想像したりしましたが、意外とそれも清々しく受け入れられた気がします。
・会話する時間の貴重さ
精神科のシステム上、再診の時間は短いのですが、短いながらでもどうやったら良いのかという工夫は、コロナによる制限がある中で改めて自分に問い直しました。Live感というか、人に会う意味を世の中の人が考えたと思います。
僕も開業して3年目で臨床に余裕が出てきたのか、背中に目があるというか、喋っていても色々と注意が向くようになり場の支配感も高まってきたと思います。臨床や喋りはもっと上手くなりたいです。
・分断と偏見
知の偏りや限界性があることを強烈に知りました。コロナでいえば政治的な問題、経済的な問題、科学的な知識の3つを高い水準で理解しなければいけないのですが、バランスよく理解するのは難しいです。とはいえ僕はこの3つをある程度知っている側なのだなと今回思いましたが、それを誰かに伝えるにしても限界があるなど今年は色々考えました。
人間が知ることができること、どこまで理解できるのか、理解したものを伝えられるのかには限界があります。その中でも幸福をつかむことは決して難しくはないわけで、患者さんにとって何が良いのかをかなり考えましたし、体感的にわかったことも多いのですが、ここはまだ言語化されていなくて僕の中の無意識に漂っています。時間をかけて言葉にしていって、患者さんに伝えられたらと思います。
6月〜:断酒
断酒から学んだこと
6月から感染予防とダイエットを目的に断酒を続けています。飲まないことから学んだこともあります。断酒前は毎日飲んでいたといっても過言ではありません。
・いつかはできなくなるものがある
実際に自分がお酒をやめる立場になってみて、自分の肉体には限界性があることを深く知りました。コロナにかからないように手洗いやうがいをしっかりやり、寝る時間も増やし、お酒もやめてということをしましたが、肉体の限界性をこれまでよりはるかにリアルに考えました。
・SDGsとお金
若い人にお酒を飲まない人が増えています。昭和から令和への価値観の変化も考えました。
社会はどう変わって行くべきか、環境に優しい社会とはどういうものかなど、倫理的に正しくてミニマルな生活という美意識を持っている人は若い人を中心に多いですし、これからも広がっていくと想像します。
・時間は増えた?
お酒を飲まなくなって時間が増えたかというとそうでもなく、暇だなと思う時間はなく忙しい、時間がない、もっと時間が欲しいと思っています。こういうのは一生続くのかなと思います。
9〜10月:YouTubeの型
9月から10月くらいに今のYouTubeのスタイルができつつありました。YouTubeは去年の12月中旬から始めていますが、最初はSEO対策になれば良いかなとあまり本腰を入れてはいませんでした。途中から病気の説明など臨床に使えると手応えを感じ、9月くらいにこの型を見つけ、10月くらいから佐脇さんにもサムネイル等手伝ってもらいながら本格的にやり始めました。ですので自分の中ではまだ3ヶ月くらいしかやっていないのかもしれません。来年以降も頑張ってやって行きたいと思っています。
YouTubeから学んだこと:
・AI、ITなどの知のアルゴリズム
AI、IT、マーケティング、コンサルティングなど僕が触れてこなかった知のアルゴリズムに触れてトライアンドエラーを重ねてきました。これが結構面白かったというのがあります。まだあまり言語化できていませんが。
・話芸としての型
自分の動画を見直す余裕も出てきたのですが、間の取り方や喋りの強弱など気になります。YouTubeライブを一緒にやっている小松さんはアナウンサー、声優でもある喋りのプロなので上手いんですよね。自分に謙虚さを教えてくれました。2年、3年とやっていきながらもっと喋りをうまくできたらと思います。
・自分の表現したい世界?
自分の表現したい世界とは何なのかを考える時間も増えました。アルゴリズムに従って再生回数や登録者数を増やすのを目指すことも大事なのですが、一方で、僕自身が精神科医としてどのような世界を表現したいのか、どう伝えるのかということを考えつつあります。
組織にいた時は、自己表現よりもボスの意見をきちっと聞くことや正しいことをするという世界観で生きてきましたが、YouTubeはもっと自由だし表現のしようがある中で、自分が表現したいことは何なのかということを考えました。
世の中にある心について語っている動画は、どうやったら幸福になれるのか、どうやったら成功できるのかという「上」の話ですが、臨床はもっと「下」というか、不幸で苦しいところから普通の日常に戻る、とりあえず生き延びる、楽しくないけれどとりあえず生きることを目指すことでもあります。そういうと患者さんは嫌がるかもしれませんが、そこから先は患者さんは自分でやっていけるので、僕らがやるところはそこまでの部分になります。
患者さんと喋っていて困るのは、「どうやったら幸せになれますか」「どうやったら親を見返せるんですか」などでこれは専門外なのです。息苦しかったのが、時々辛いこともあるけれど生きていける、世界の優しさや親しみをどう回復するかというのが僕らのやるべきことです。それを自分なりにどう表現したら良いのかというのはよく考えます。これは佐脇さん、小松さん、マイケルさん、ゲストの皆さんともディスカッションした一年でした。
ということで、今回は特別企画「2020年を振り返る」でした。
自己紹介
2020.12.30