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相談しても大丈夫? 醜形恐怖症、整形依存症について解説します

00:00 今日のテーマ
04:54 生きる上での困難
06:58 醜形恐怖症の人の特徴
09:08 治療

今日は「醜形恐怖症」について解説したいと思います。醜形恐怖症とは簡単に言うと整形依存のことです。整形依存というのは医学用語ではありません。

醜形恐怖症は強迫症の仲間だと言われています。強迫性障害とは何度も手を洗ってしまう、ガスの火元を何度も確認してしまうといった症状のことですが、「このホクロを取らなければいけないのでは」「鼻が低いのをなんとかしなければ」と自分の外見に囚われてしまってそれが頭から離れなくなってしまう症状が醜形恐怖症です。

具体的には、
・1日に何度も鏡を見てしまう
・他人の容姿をじっと観察し、自分と比較として悩む
・多額の借金をしてしまう
・容姿のことが気になって仕事ができなくなってしまう
のように、関心事に支配されてしまうのに加えて社会的な問題も起きていることが診断において大事になります。

よく患者さんに「ここが変だと思うのですが、先生どう思いますか?」と聞かれるのですが、全然変ではないのにどうしてかなと思ったりします。診察室ではよくある光景です。

醜形恐怖の疫学的な話をすると、女性だけでなく男性にも結構います。美容整形に通ったことのある5〜10%は醜形恐怖症であるとカプランという教科書には書かれています。

美容皮膚科、美容整形、歯科に通う人は多いのですが、精神科に通う人はあまりいません。家族が連れてきたとしても通院が続かない人が多いです。ただ、そのような人の場合には美容整形の先生も医療従事者としての倫理観から手術を断るケースが多いです。

僕のところにも時々「美容整形を断られたけれど、精神科の診断書があれば手術をしてもらえるので診断書を書いてほしい」と患者さんが来られるのですが、醜形恐怖症や整形依存症だった場合はやはりお断りします。そうするとだいたい患者さんは怒ってGoogleの口コミに星1を付けたりするのですが…。

生きる上での困難

どうして患者さんが怒るのかというと、本人としては切実なのです。手術をすることでしか自分の人生は幸せにはならない、問題は解決できないという思いに支配されているので、断られると裏切られた怒りが湧いてきます。

生きる上での困難は、
・親子問題
・友人
・社会生活
・恋愛
・能力(劣等感)
など多岐にわたります。
これらは僕らも感じることですが、やはり患者さんは社会的弱者の人が多く他の人よりも生きづらいのです。

この難しさが「外見の問題」という1つのことに集約され、それさえ解決すれば私は幸せになれるのだという思いになっています。本人なりに考えた努力の結果なのです。それができないと言われると怒りに変わりますし、不安や混乱となります。

醜形恐怖症の人の特徴

・努力家
すごく働き者で家事もしっかりする、逆にできないから自分を責めてしまう。

・想像力、言語化能力が弱い
自分の気持ちを言葉にするのが苦手な人が多いです。

・自信がなく不安

・自分の身体が無価値
自分の体を価値があるものにしよう。自分の体に関心がある一方で無頓着。外見に関心があるのに、ファッションには興味がない、タトゥー(すぐに元に戻らない)を入れてしまう、性産業に従事する。

・変化、対応が苦手
時代の変化に対応できる人が生き残るのですが、そのようなことに対応することが苦手です

鑑別としては、発達障害、精神遅滞、虐待、いじめ、境界性人格障害が重視されています。

治療

・SSRI→行動化に注意
強迫性障害の仲間ということで、SSRI(抗うつ薬)を使うと強迫症状が緩和されるといいます。ですが、若い人に抗うつ薬を投与すると自殺のリスクが上がると言われているので判断が難しいところです。

また、躁状態の時に美容整形を繰り返してしまう「躁うつ病」の可能性もあります。その場合も抗うつ薬の投与で躁うつ病が悪化する可能性があるため注意が必要です。そもそも通院が続かないことも多いので薬物治療は難しいです。

・サポート体制づくり
薬物治療よりも大事なのは彼らの「見栄」を傷つけずサポートする体制を整えることです。言葉にすることや変化への対応が苦手なのでその辺りをうまくサポートできる体制を整えます。

・カウンセリング(年単位)
サポート体制を整えるのは診察室の中だけでは難しいので、カウンセリングや福祉制度を利用することも大事です。カウンセリングの場合は年単位でやることが多いです。数回で終わるということはありません。

美容整形が全部悪いとは思いませんし、患者さんでも美容整形をすることで気持ちがガラッと変わる人がいるのも事実です。
僕らは何でも内面の問題や病理の問題だと考えすぎるところがありますし、暗いところばかり見つめても仕方がないという考え方もありますが、精神科医が考えるアプローチは今回お話ししたようなことになります。

【参考】
厚労省みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
カプラン 臨床精神医学テキスト


2021.2.12

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