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中学生、高校生の心の変化と対応のポイントを解説します。また発達障害児の場合も絡めて解説します

00:00​ 今日のテーマ
00:42​ 中高生になって出てくる問題
10:21​ どうすれば良いのか

今日は「中高生と発達障害」というテーマで、思春期で出てくる主な精神科的な問題とそこに発達障害が絡むとどのようになるのかについて解説します。

僕は高校生以上はクリニックで何人か診ていますが、児童思春期をメインには扱っていません。その理由もお話しできればと思います。

中高生になって出てくる問題

中高生、思春期になって出てくる問題を6つ挙げてみました。

・脳の変化(知覚、情報量↑)
思春期に入ると急激に脳が大きくなります。視野が広がり扱える情報量も増えます。わかりそうでわからないということがすごく増えますが、言葉にしたくてもできないものを言語化していく作業がとても重要です。1から学び直す形なのですが、なかなか追いつきません。人の顔色を見ながらやりとりをしなければならないのですが、これが大変です。

子供から大人になるのは本当に大変だと思いますが、ここに発達障害が絡んでくると、言語化していく能力や曖昧なものを理解していく能力が他の子供に追い付かなかったりします。得意ではないということもありますし、生物学的に追いつけないということもあります。

・ホルモンバランスの不安定さ(攻撃、衝動、脆弱)
ホルモンバランスが悪いので、すごく攻撃的になったり、衝動的に動いたり、逆に脆弱な感じになります。それまでの世界は食欲・睡眠欲だったのに性欲が加わってきてぐちゃぐちゃになりやすいです。20代前半の人でも「よくわからないけど不安定で涙がポロポロ出てしまう」ということは多くあります。

この辺りは歳を取ると落ち着いてくるケースが多いです。ですから、子供の診療は1日1日を無事に過ごしていけば良くなっていくものですし、20代の人格障害の人もとにかく過ごしていけば結構良くなっていくことがあります。何年か通院していれば自然と落ち着いていくのは知られていて、それはこちらが何かしたとか本人がいろいろなことを学習したとか言うこともありますが、そうではなくてホルモンバランスが落ち着いたということもあると思います。 

・生理的不快感(vs 親、超自我)
特に自分の親が嫌になります。生理的にそういう風にできています。社会、超自我(ルール)的なものに不快感を覚えてぶつかっていきたくなりますがこれが自然です。ぶつかりながらバランスを覚えていきます。縮こまっていたらダメだし、ぶつかっていったらやりすぎだし、中間を覚えていく時期です。僕は自衛隊にいるときに覚えました。

人間は自分の内側からくるエネルギーと外圧の2つが合わさることで自我が保てるということがあります。ですから、自分の思い通りになりすぎると膨張しすぎてリアリティを欠いたナルシスティックな存在にしかなりませんし、かといって外圧が強すぎるとどんどん縮こまって小さくなってしまい、成長していけない窮屈な存在になってしまいます。

・友人関係(混乱した者同士)
思春期になると友人関係のトラブルが多くなります。ルールが変わってきますし互いに混乱した者同士なのでそもそもうまくいかないのです。逆にそれが固い絆が生まれる時でもありますので、思春期には独特な人間関係が生まれると思います。ただ発達障害があるとうまくいかなくて疎外感を覚える時期でもあると思います。

・大きな決断、試験
大学受験は大きな決断ですので酷なことです。今どき大学や学歴なんてどうでもいいよという言い方もしますが、例えば医者になるのだったら医学部に入らないとなれないので大きな決断です。自分は医師として生きるんだと決めなければなりません。でも30歳成人説という考え方もありますのですぐに決めなくても良いという気もします。

「何者でもない」とか「平凡恐怖」の問題もあると思います。まだ決断がされていないので、自分が何者かもよくわかっていないということです。ましてや発達障害があると自分の甘えなのか能力なのか混乱してしまいます。

ありきたりの幸せを受け入れがたかったりしますし、自分は特別なんだという思いは若者の特権だと思います。それがドライブになって良い成果を出すこともありますが、逆に皆がドライブ(エンジン)を積んでいるので自分だけ特別だと思えなかったりすると周りの競争に負けてしまいます。この辺りをどう扱うかは臨床的な面白さです。冷静になれ、皆平凡な人間なんだと言うとその人の成長を阻害してしまうこともありますので難しいところです。

・社会責任、性的誘惑
子供の時はこのようなことがなかったのが中高生になると急激に増えていきます。悪い大人や社会とうまく付き合うすべを覚えなければなりません。性的な搾取、被害を受けやすいこともありますので、悪い大人や社会とどう付き合うかは庶民の1つの課題です。特に自分の劣等感で苦しんでいる時は、自分の性的なカードを使って大人をコントロールしてやりたいという欲望を持ちやすくなったりすると思います。

どうすれば良いのか

上記の6つを見てきて、ではどうすれば良いのかと混乱している親御さんも多いと思いますが、なかなかこうしたら良いということは言いにくいです。

大人になっていくとはどういうことかというと、色々なことを覚え、言語化していき、体で覚えていくということです。これには時間、人(ロールモデル、サポート)、本人の知識や体験が重要です。生理的な不快感があるので親ではその役割を果たせないので、スクールカウンセラーや学童などの協力も得ながら成長していく環境を作っていかなければなりません。

普通の中高生でもきついところに発達障害という変数が加わるととても大変なので、時間をかけてその子や家庭にあった正解を探していくことが大事だと思います。

僕のクリニックは僕一人でやっていて大人をメインに扱っていることもあり、マンパワーできに厳しいところがあるためなかなか子供まで診療の幅を広げていません。ただ、高校生以上で軽いケースであれば僕のところで診ています。できる限り、自分のできる範囲でやろうと思っています。

以上、このようなことを意識しながら臨床をしているということでした。


2021.3.18

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