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夜職とメンタル疾患について、原因から治療法まで具体的に解説します

00:00 今日のテーマ
01:36 よく見られる問題
07:13 治療

今日は「夜の仕事=夜職の女性とメンタル疾患」について解説します。
男性と女性とで違うよと思ってあえて女性と書いたのですが、そんなこともないかもしれません。ですが、イメージしやすいように今回は女性と書いておきました。

夜の仕事をしている方でメンタルを病む人は多く、受診される方が多いです。僕のクリニックは新宿区の早稲田にあり新大久保や歌舞伎町が近いです。西早稲田には売れっ子の方々がいます。

多くみられる問題

当院が初めての精神科受診というよりはドクターショッピングを繰り返す方が多く、だいたいどこかでうつ病と診断されて抗うつ薬とベンゾ系の抗不安薬で悪化しているまでがセットです。

偏見を与えるのではないかと思われる方もいるかもしれませんが、リアルな現場での臨床感覚をお話しします。もちろん、夜の仕事をされている人すべてがメンタル疾患を持っているということではありません。
この動画を撮ることで、このような人たちに「こういう助け方があるんだよ」ということを知ってもらいたいのです。
 
・発達障害
発達障害の問題が隠れていることがよくあります。コミュニケーションが得意だとキャバクラに、苦手な人は風俗っぽいところに行くことが多く、昼の仕事でなかなか働けなくて夜の仕事に就くケースが多いです。知的障害はないけれど学校の成績はデコボコで、遅刻が多くなったりして夜の方が働きやすいから夜の仕事をしているという人が結構います。

聞いてみると、コミュニケーションの苦手さ、感覚過敏などは自閉スペクトラムの症状と重なりますし、妙に行動的だったり活発だったり、デスクワークが苦手だったりするのもADHDらしさです。

・虐待、親の発達障害、カサンドラ症候群
発達障害の裏には虐待が隠れている場合が多いです。虐待の場合は親自身が発達障害の可能性があります。また、母親がカサンドラ症候群でうつになっていて、そのうつが子どもへの精神的な暴力になっていることがあります。

・自傷、過食嘔吐など依存行為
どうしたら良いかわからず、自分で自分を癒すための代償行為として自傷があります。
心理的な葛藤の末の行為である一方で、発達障害特有の頭の混乱を避けるための行為でもあります。

・パートナーDV
虐待の問題があるからとも言えるし、発達の問題があるから人選びが苦手というのもあります。パートナーからの暴力は結構あります。
それでどうしたら良いかわからず自傷をし、それでパートナーから何で自傷するんだと怒られてという悪循環に入ってしまいます。それで精神科に行くと「うつ病です」と簡単に済まされて薬だけ出されて、というのがセットです。

患者さんは強がっていて同情はしないでほしいし、でも自分のことは無価値だと思っていたり、すごく傷ついていて心の状態はすごく病んでいます。薬だけ出してくれれば良いという患者さんもいますが、やはりそれだけではいけないので臨床的に難しいです。

治療

1.薬について

若い人が抗うつ薬を飲むと、アクティベーションという形で妙に元気になったりイライラしたりすることがあったり躁転することもあるので原則使いません。ベンゾジアゼピン系の薬も極力出しません。

発達障害の治療のためにADHDの薬を処方する場合:
メチルフェニデート(コンサータ)△
アトモキセチン(ストラテラ)○
グアンファシン(インチュニブ)◎

今は当事者の方の動画などで事前に勉強してから来る人が多く、コンサータを希望する人が多いのですが、「コンサータはやはり依存性があるのであなたには向いていないかもしれないよ」という話はきちっとします。 

アトモキセチン(ストラテラ)は抗うつ薬に似ているところがあるので、悪くはないけれど良くはないという感じです。どちらかというとグアンファシン(インチュニブ)は衝動性を抑えてくれるので良いかなという感じはします。この辺りは患者さんと話し合います。

2.カウンセリング

診察の中でカウンセリングも行うのですが難しいです。

・共感と理解
性的なものにはすごく敏感だったりします。
彼ら彼女らはどこか大人たちによって妙に理解されたり甘やかされたりしているところもあるので、普通の共感と理解だけでは何か物足りないような感じもあったりします。

・どうしようもなさ(自殺)
彼ら彼女ら自分をどうしようもないと思っていて、自分のことを無価値だと思っています。表面的な理解は求めていないのですが、それがないとすごく「こいつはダメなんだ」とレッテルの貼り方になってきます。その理解もベースに発達的な問題もあるので年の割には平面的な感じがあります。そこをうまく扱わないと自殺リスクもすごく高いので難しいです。

かといって、境界性人格障害だと昔は考えられていたケースも多いのですが、医師が変に助けるとと言うか、コミュニケーションがうまくいかないと医師が患者さんを悪化させることもあります。最初は優しかったのに、彼女たちのどうしようもなさや不安や混乱が行動化したときに、距離を離すようなことをして、傷ついてしまうパターンもあります。

ですから、僕は最初からこのような話をします。益田は冷たいと言われるかもしれないですが、一定の距離感とテンションでやります。彼女たちが知っている優しい大人、甘やかしてくれる大人とは全然違う態度でやっています。

それが良いか悪いかはわからないですし、医師によってスタンスも色々です。 態度は固いけれど言葉は優しい、態度は柔らかいけれど言葉は厳しい、表情、顔、年齢、体型の問題など いろいろ合わさってのやり方になります。すごく難しいです。僕は結構下手な方です、あらかじめ言いすが…。

3.環境調整

・生活保護、障害年金、障害者手帳
彼女たちはこの仕事をしていることで傷ついていることも多いので、生活保護、障害者年金、障害者手帳を取る、その後に職業訓練としての就労移行施設を使うなどの解決策があることをきちんと説明します。「私なんかで取れるんですか?」と知らない人も多いのですが取れます。

・サポート
一人で申請することは難しいのでサポートが必要です。サポートは行政やNPOなど地域によっていろいろありますので検索して勧めています。もしくは両親やパートナーにお願いすることもあります。

・自己責任=素人の意見
「好きで仕事をしているんだから」という自己責任論は素人の意見です。プロは言いません。

治療の難しさはありますが、患者さんは決して理解力がないわけではありませんし、治っていく力もあります。そもそもそのような力がなかったら過酷な夜の仕事はできません。すごく努力家なんです。その努力の方向が変わるだけで生活保護を取れたりします。

日々恐る恐る臨床をやりながら、上手くいったりいかなかったりという感じです。
夜の仕事をする、自傷をする、過食嘔吐をするといったことは彼らが必死に考え抜いた末の解決策でもあったりするので、それを頭ごなしに違うと言ってしまうのは良くないですし、大変難しい問題だと思います。


2021.3.30

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