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患者さんからのプレゼントについて

00:00 今日のテーマ
02:26 1.高価なものは受け取らない
04:47 2.陽性転移からのプレゼントはあまり受け取らない
05:59 3.いつかは捨ててしまうことを伝える 
10:49 限界性について
13:58 欲望について 

今日は「患者さんからのプレゼント」というテーマで話をします。
動画の背景にあるぬいぐるみは患者さんからもらったものです。

プレゼントについて話すことは3つです。
1.高価なものは受け取らない。
2.過度な陽性転移、特別扱いして欲しいという意味でのプレゼントはあまり受け取らずに、診療の議題として扱う。感謝の証だったら受け取る。
3.いつかは捨ててしまうことを話す。

僕自身の知識やエネルギー、記憶力、時間の限界も語ってみようと思うとともに、医者といえども人間ですから欲望があるでしょ、お金が好きでしょといったことにについても話してみようと思います。多くの医者にとってお金はどういうものなのか、なども。

1.高価なものは受け取らない

文字通り、そのままです。改めて言う必要もないですが、現金も受け取りません。

医者としてのキャリアのスタートは公務員からでしたが、その時の方がきっちりと断っていました。高価なものだけでなく、どんなものも断っていました。公務員という立場ですから、先輩からもそのように指導を受けていました。

今は自分でクリニックを開いていますから、厳密にどんなものも断るということはしていません。でも高価なものは断ります。ですから、基本的にはもらったものはその場で開くようにしています。どれくらい高価かというのは患者さんによって違うので、相手を見ながら受け取ったり受け取らなかったりしています。
 
と言ってもほとんど受け取りません。くれる人があまりいないので(笑)
昔の外科の先生は結構もらっていましたが、精神科医はあまりもらう機会はないと思います。治療も突然始まりますし、終わる時も「よくなりました。これで終わります」というのもなかなかなくて自然にフェードアウトしていくと思います。

2.陽性転移のプレゼントはあまり受け取らない

陽性転移というか、患者さんから来る熱烈なアプローチとしてのプレゼントや自分を特別扱いしてほしいというプレゼントは基本的には 受け取りません。恋愛転移を引き起こす可能性もあります。受け取らなさすぎるも相手に対する侮辱のようになるので、きちんと相手にどうしてそのプレゼントを渡そうと思ったのかを診察室の中で取り扱うということはします。

とは言いつつ、ややこしいのですが感謝の証としてのプレゼントはもらいます。
「うつが良くなって温泉に行けました。受付の皆さんにもどうぞ」というようなものは人間同士のコミュニケーションでもあるので普通に「ありがとうございます」と受け取ります。

3.いつかは捨ててしまうことを伝える

ぬいぐるみなどもそうですが、汚れたら捨ててしまうこともあるときちんと伝えます。汚れたらクリーニングに出して、クリニックがつぶれるまで持っているというような約束はできないのでしません。「捨てることもあるのですがご了承ください」と言って受け取ります。

本をもらうこともあります。
患者さんが書籍をくれるときは、患者さんの理解のためでもあるし、患者さんの内的世界、心の具現化でもあります。白昼夢という言い方をしたりもします。

古典的な意味だと患者さんは診察室の中では「夢」を語るのですが–今時そういう人はいませんが–本の物語や映画を語ることはあります。それは患者さんの心の中を表しているものなので、Wikipediaでパパッと見たりします。ある瞬間、ある時、診察以外の場面の比喩として使ったときに、患者さんの心の理解に役立つこともあります。

手紙をもらったときはその場で読みます。「診療時間以外で読んでね」と言われるのですが、その時間を取ることが難しかったりするのです。当たり前ですが、診察時間が終わった後の時間はほとんどないですし、その辺りは患者さんにキチッと言います。でも診療に必要なことはありますのでその場できちんと消費するのが原則です。

ただ、今は事前にメールで患者さんから情報を受け取ったりしているので、常識の範囲内で読む、空いた時間にちょこちょこっと読むことはします。

よく「どれくらい送ったら良いですか?」「どれくらい送ったら迷惑ですか?」と聞かれますが、A4で10枚くらいだったら普通に読みます。臨床をしていて量が膨大で困ったということはありません。

幻覚妄想に支配されている、統合失調症で調子が悪い、躁うつ病で調子が悪い入院患者さんで1週間でノート1冊分書き終えたという人もいたりしますが、その場合は内容も支離滅裂なのでしっかり読む必要はなかったりします。もう少し時代が経ってビデオメッセージで30分や1時間語られたものが出てくるようになるとどうなるのかなと思ったりします。(お前がYouTubeをやっておきながらどうなんだという感じはしますが)

このようなことは治療構造の問題なので、診察の中で自分は患者さんのためにどれくらいのことができるのかをきちんと伝えて話し合うことが大事だと思います。

限界性について

自分のYouTubeの話を少しさせてください。コメントやtwitterのDMで質問をいただきますが、答えきれないんですよね。やろうと思ってもできないのです。ご了承ください。

この流れで限界性についても話しますが、益田裕介であることと精神科医であることは混ざり合っている部分もあるし、どこか別のものでもあります。

知識も有限ですし、人生において学べることは限られています。1日の中で勉強時間を作ったりしていますが限界があります。エネルギーの問題もあります。休息も取らないといけないですし、僕は普通の人よりエネルギーはある方だと思いますが、寝ずに働けるほどの元気はありません。外科の先生や救急の先生に比べると人間としてのエネルギーが弱いなと思う、ごく普通の人間です。記憶力もどちらかと言うと悪い方です。すべての患者さんの細かい言動まで覚えていられません。

僕の命の時間も限られています。1日の中でもそうですし、あと35年くらいは医者を続けられるのではないかと思っていますが、たったそれだけと言えばそれだけなんですよね。

年間で新しく1000人の患者さんと関わっても35000人です。僕のYouTubeをこれまで見た人はおそらく3万5千人以上いるのでこの一年で超えています。リアルに診察で関わって、治していける人は35000人でそれ以上はないでしょう・・・年間で1000人も新患診るかな、診ないですね。30000人くらいですかね、いずれにせよ限界があります。

欲望について

全力を尽くしているのですが、これ以上はできないというのはあります。
どうして全力を尽くしているのに限界があるのかというときに、欲望があるからじゃないか、と思う人がいるかもしれません。医師なのにお金や自分の楽しみのために時間を作りたいからそうなんだとか、別にそれくらい人間らしくて良いじゃないかなどと言うかもしれませんが、ちょっと違います。

欲望に関して言わせてもらうと、僕は元自衛隊であり医師ですので、多くの人は自分のこと以上に使命感を持って仕事をしているというイメージがあると思います。お金や地位にも興味がなく、権力に屈することもなく。それは正しいと言えば正しいのですがちょっと違うのです。

周りの人を見ていても思うのですが、お金についても嫌いではないのですがそんなに興味がないのです、皆さん。地位や権力もそれほど関心がありません。恋愛も「さぞモテるでしょ」と言われたりしてもそんなに関心がないのです。アルコールやギャンブルも関心がありません。

使命感についてもあるといえばありますが、それが自分の心を占めているかというとそういうわけでもありません。他の医師や自衛官を見ていてもそうかなと思います。

では何なのかというと、仕事を必死にやっていてそれで満たされている、満たされているというよりはそれでメモリが消費されているという感じです。だからといって不幸だと思ったことは全くないですし、多くの自衛官や医師もそうではないかと思います。自分のこととか考えている暇がないという感じです。

プレゼントについても、医師になる前は「医者はこうやってお金をもらったらすごいテンション上がるのかな」と思ったりしたのですが、実際にプレゼントをもらうようになったり感謝されるようになったりすると、そこに心をとらわれている時間よりは今の治療に必死なので、酔いしれている時間はないというのが正直な感想です。それは僕だけではなく周りのドクターもそういう感じです。

YouTubeをやっているのは楽しいというか、アウトプットすることは勉強になるし自分の実力が上がっていく感じがするのが楽しくてやっているという感じです。何より患者さんのためになるのが良いかなという気がします。

今回はプレゼントについて語ってみました。


2021.4.2

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